2018年08月22日07:00
韓国製造業の城下町 ラストベルト(錆びた街)に
カテゴリアジア海外事情
Comment(0)
日本を超えたと思った10年前に凋落は始まっていた(輸出される現代自動車)
ecn18042509510017-m1
画像引用:じり貧…韓国自動車産業が崖っぷち 「ビジネスモデル」崩壊の危機:イザ!https://prt.iza.ne.jp/kiji/economy/images/180425/ecn18042509510017-m1.jpg
ラストベルト症候群
韓国のラストベルトと呼ばれている工業地帯が衰退している。
ラストベルトはアメリカのデトロイトなど重工業地帯を指していた言葉で、文字通り物理的に錆び付いていた。
日本で言えば京阪神工業地帯というところで造船や鉄鋼や自動車産業などで栄えていました。
rustは最後ではなく錆という意味で、デトロイトを中心とした自動車工業都市のことでした。
アメリカ重工業の全盛期は1850年ごろから1950年頃の100年で、その後はアジアに生産拠点が移った。
アメリカは外国で安く生産した物を利用することで繁栄したが、製造業は衰退した。
ハイテクやIT産業には高度な技能が必要なので、自動車工場のように途中参加はできない。
IT企業に就職できるのは専門知識を持った大学卒業者だけで、収入や階層が固定化し社会の分断を招いた。
高収入な富裕層と低収入な貧困層に2分してしまい、これが大統領選の対立に発展した。
日本や韓国でも同じことが起き、IT産業で富裕層が生まれる一方で、IT産業に就けない人が貧困化している。
韓国主要産業の衰退
韓国は建国以来ずっと「日本に追いつき追い越せ」を目標にしていて、一時は達成したかに見えました。
だが韓国が日本に追いついたということは、中国やベトナムも追いついたという事で、追い越される立場になった。
リーマンショック以降韓国の重工業は軒並み中国などに食われて不振になり、城下町は閑散としている。
まず技術的に中国が簡単に模倣できた鉄鋼が衰退し、次に造船が衰退し、次に自動車が衰退し、今はスマホが衰退している。
サムスンはスマホ生産世界一だったが、すでに国別では中国が一位で、来年にはファーウェイが1位になると推測されています。
サムスンとファーウェイのスマホは多くの点で似ていて、高性能でアップルより安いのを売りにしている。
だが独自性には乏しいので、消費者は値段が安く高性能で見た目の良い方を選び、おそらくファーウェイが勝者になる。
鉄鋼は早い段階で中国が世界一になり、造船でも中国が世界一、自動車でも中国が世界一になりました。
中国製品は当初コストは安いが低品質だったのが、品質も向上して韓国を圧倒しています。
韓国のラストベルトは失業地帯
サムスン電子は半導体で世界一を保っているが、ベトナムや中国での生産を増やしていて、韓国製ではない。
韓国はIT産業やサービス業にシフトする必要があるが、今後10年程度は苦戦するでしょう。
韓国は日本時代や米軍時代に生まれた巨大財閥がGDPの大半を占めていて、個人事業や新興産業が弱い。
起業家精神は日本以上に乏しいので、韓国のアップルのような会社は生まれにくい。
財閥企業は生産拠点を人件費が安い外国に移していて、今後韓国製造業が復活しても韓国の雇用は増えない。
韓国の成長率は今後2%で推移し世界平均の3%台より低くなると予想されている。
韓国の出生率は日本と同じくらいなので、10年以内に本格的な人口減少も予想されている。
韓国製造業のほとんどは日本時代に始まり、戦後賠償の一環として日本から無償援助を受けて拡大した。
最近は日本も技術流出を警戒して技術を出し惜しんでいて、ロボットなど最新技術で韓国は立ち遅れている。
またアジアのハイテク産業の多くは日本の基幹部品を輸入しているが、韓国企業は核となる基幹部品で弱い。
完成品を組み立てるのは得意だが、地味な基礎技術は苦手なので、日本企業より立場は苦しい。
今のところ復活の手掛かりは見えていない。
.
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます