1988年の1月から9月、日本テレビ系列の金曜夜8時枠で全33話が放映されました。制作は日本テレビ&東宝。
前作『ジャングル』と合わせて約1年半。長寿番組化を狙ってた事を思えば短命だけど、視聴率が低迷と言われながらの1年半ですから、テレビ業界もまだまだ寛大な時代でした。
それでも創り手たちにとっては辛いリニューアルだった事と思います。レギュラーメンバーを少人数に絞り、新人刑事の成長をメインに描く1話完結のアクションドラマ……つまり結局『太陽にほえろ!』の形に戻っちゃったワケですから。
『NEWジャングル』は、映画でデビューしたばかりの江口洋介が演じる新人刑事=成田浩平を前面に押し出したアクティブなドラマとして制作されました。
前作からの続投は、津上係長(鹿賀丈史)、ヘイさん(勝野 洋)、カズさん(火野正平)、九条(西山浩司)、カメさん(安原義人)、カンさん(山谷初男)、杉戸課長(江守 徹)。
あと、前作の終盤に七重=香坂みゆきさんが降板し、大沢逸美さん扮する水原美加にバトンタッチしてます。長身で男勝りな感じの逸美さんは、女性刑事役がハマり過ぎて意外性には乏しいんだけど、ショートカット(当時)の女子は好きなもんで、萌えましたw
そして江口洋介さん。まぁ、普通に格好良かったですよね。新人にしては演技も上手く、何だか貫禄まで感じさせて、自分が子供の頃なら憧れたかも知れません。
番組の序盤は浩平が主役のエピソードが連作され、OPタイトル(前期)も半ば江口さんのPVみたいになっており(挿入歌も流れてました)、これも『太陽にほえろ!』の初期を彷彿させました。
更に『太陽~』で評判が良かった回のプロットを再利用したエピソードも何本か創られ、あえて「リメイク」を公表してたのは『太陽~』ファンを呼び戻そうっていう意図があったんでしょうか?
創り手の立場になって考えれば、新しいチャレンジが拒絶された挙げ句に過去作品の焼き直しを強いられるってのは、かなり屈辱的な事だったかも知れません。
だけど視聴者からすれば『NEWジャングル』になってからの方が、やっぱり観易くて楽しめるようになったのが正直なところ。これは多分、私だけじゃなかっただろうと思います。
前作『ジャングル』の斬新な手法について行けなかった事だけが原因じゃなくて、やっぱり明確な主人公がいて、そのキャラに感情移入しながら観る方がドラマは楽しいっていう、当たり前と言えば当たり前の感想なんですよね。
その証拠に『ジャングル』はエピソード毎の記憶がほとんど残ってないのに対して、『NEWジャングル』にはいくつか印象に残ってるエピソードがあります。
例えば、伊藤麻衣子さんが孤独なメガネっ娘に扮して、浩平にほのかな想いを寄せる話。叶わぬ恋と知りながら、危険な囮捜査に協力する伊藤さんの健気さに、萌えましたw
津上係長とヘイさんが実は警察学校の同期で、だけど今や上司と部下の関係になって、互いに複雑な想いを秘めてる事が明かされた話。これは勝野さんのアクションも見所でした。
あと、浩平が乗ってるバスがジャックされて、乗客の中に中森(田中 実=前作の新人刑事)も偶然乗り合わせてたっていう、ファンサービス的な回もありました。
浩平や九条が住んでる独身寮の寮長(阿藤 快)が、やたら男に対して厳しいのに、美加(逸美さん)にだけはデレデレしてたのもよく憶えてます。なにせ気持ち悪かったもんでw
だけど、最終回がどんな話だったのかが思い出せないんですよね。どうやって終わったんだろう? どなたか憶えておられないでしょうか?
結局『NEWジャングル』になっても視聴率はさほど変わらなかったみたいで、『太陽にほえろ!』の栄光には程遠い結果に終わっちゃいました。
それにしても、定型どおりに創れば「変わり映えしない」だの「マンネリ」だのと文句を言い、新しい型を生み出せば「よく解んない」ってソッポを向いちゃう。私自身も含めて、テレビ視聴者ってのは実に勝手なもんです。
『ジャングル』の創り手はクリエイティブ過ぎたんだと思います。視聴者も斬新なドラマを求めてるだろうっていう読みが外れてしまった。
『踊る大捜査線』も最初はクリエイティブだったんです。だから視聴率はそんなに高くなかった。それが「映画化」っていう甘い蜜に誘われて、商売第一主義に転向しちゃった。そして見事に稼いで見せたワケです。
『あぶない刑事』はハッキリ言って、まぐれ当たりでしょうw 純粋に面白い番組を目指してたら、たまたま時代の空気にぴったりハマった。それとキャスティング(組み合わせ)がもたらした奇跡。最初に『太陽にほえろ!』が当たった時と似てるかも知れません。
本来はやっぱり、クリエイティブな作品とヒットする作品は、決して一致しない。そう結論づけるしかないんでしょうね。『ジャングル』っていうドラマは、良くも悪くもそれを証明したと思います。
以前言っていた「ジャングル」の二次創作、実はもう既に一話分書き始めています。
ただ、以前言っていたコナンとのクロスオーバーではなく、ほぼ完全オリジナルの八坂署メンバーが活躍する話なんですけどね(コナンはそれほど詳しくなく二次創作を書く自信がないので…)
九条が係長(今の西山さんが演じたらコブラ11のゼミルみたい)で、メンバーに津上の娘(一応主人公です)や武田の息子がいる。
それに主人公の女性刑事は赤ん坊の頃、実の子を殺された津上夫妻に養女として貰われたという設定にしてあります。
もっと詳しく説明書きたいのですが、迷惑になるとあれなので我慢します。
いつになるかは分かりませんが、近いうちに一話分だけでも完成させたいと思います。
乱文失礼いたしました。
その後はひとつ屋根の下の「兄ちゃん」のイメージしか残っていません。