ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『東京DOGS』2009

2019-06-20 00:00:10 | 刑事ドラマ HISTORY







 
2009年の秋シーズンに、フジテレビ系列の月曜夜9時「月9」枠で全10話が放映された刑事ドラマです。

ニューヨーク市警から警視庁特殊捜査課に飛ばされたカタブツ刑事=高倉に小栗 旬、その相棒となる元ヤン刑事=工藤に水嶋ヒロ、二人が追う犯罪組織に命を狙われる記憶喪失の女=由岐に吉高由里子が扮するほか、特殊捜査課の課長に三浦友和、係長に大塚寧々、同僚刑事に勝地 涼、東 幹久、志賀廣太郎、高倉の母に田中好子、妹に川口春奈、加えて臼田あさ美、ともさかりえ、水上剣星etc…といったレギュラーキャスト陣。

さらに第1話ゲストが成宮寛貴、第2話が杉本哲太、中村ゆり。さすが月9だけあって当時の旬、あるいは売り出し中のスター達をズラリ揃えてます。

でも本放映の時は、初回だけ観て「ダメだこりゃ」と切り捨てました。ニューヨーク・ロケから始まるゴージャスさは良いんだけど、とにかくギャグがつまんない、ストーリーに深みが無い、そして小栗くんも水嶋くんも拳銃が全然似合わない。ないない尽くしで、やっぱ日本でアクションドラマはもう無理なんだって、破滅を実感したもんです。

今あらためて観ても、印象はそんなに変わりません。けど、同じ小栗くん主演のアクション物でも『CRISIS』や『BORDER』みたいに重苦しくない、こういう気楽に観られる娯楽系の刑事アクションが絶滅しちゃった現状の中だと、ついハードルは低く、点数も甘くせざるを得ません。こういう企画を形にしてくれただけでも有難いって、思っちゃうんですねどうしても。

脚本は、あの『勇者ヨシヒコ』シリーズや『コドモ警察』『スーパーサラリーマン左江内氏』等の福田雄一さん。道理で下らないギャグが満載なワケですw

私は福田雄一さんの下らない世界観が決して嫌いじゃありません。『コドモ警察』にはハマったし、『スーパーサラリーマン~』はそのシーズンの連ドラNo.1に選んだくらい、むしろ大好きです。

だけど『東京DOGS』は笑えません。演出が福田さんご自身でなかったせいもあるでしょうが、それより何よりストーリーのシリアスさと、福田さんの下らないギャグが全然噛み合ってない。

福田ギャグの下らなさは、良くも悪くも「幼稚」なんですよね。言い換えれば「うんこドリル」的な面白さ。『勇者ヨシヒコ~』『コドモ警察』『スーパーサラリーマン~』みたいに作品の題材や世界観そのものが「うんこドリル」だとバシッとハマるけど、『東京DOGS』みたいに人の生死を扱う本格的な刑事ドラマとなると、ギャグの幼稚さが浮いちゃうワケです。

だったらこれも『コドモ警察』みたいなパロディなんだと、最初から「うんこドリル」なんだと割り切って観ればいいじゃないかって話だけど、そうすると今度は真面目にやってるシーンが浮いて来ちゃう。せっかくのアクションシーンこそが幼稚に見えるワケです。

もしかすると、ノーマルな刑事ドラマに愛着が無い人や、アクションに興味が無い人なら全然フツーに『東京DOGS』を楽しめるのかも知れませんが、私はダメですね。刑事アクションに幼稚さを持ち込んで欲しくない!

例えば『あぶない刑事』も、舘ひろしさんと柴田恭兵さんのアダルトなユーモアが魅力だったのに、だんだん浅野温子さんの幼稚なノリに作品全体が汚染されて私は引いちゃいました。刑事ドラマが幼稚になっちゃダメなんです、絶対に。

小栗くんは笑いのセンスが無いワケじゃないと思うけど、幼稚なノリは似合わない。水嶋くんは論外で、最初からセンスが感じられません。早くに引退されたのは賢明です。

で、二人とも拳銃が似合わない。だいたい日本人が使うには銃がゴツ過ぎるんですよ! ちゃんと身の丈に合った機種を使いなはれと言いたいです。これは『CRISIS』にも言える事で、撃たない方針で行くならあんなゴツいオートマチック拳銃じゃなく、スナブノーズをYOU、使っちゃいなよ!って思いました。装弾数5発で充分やろって。ふたつでじゅうぶんですよって。

まして『東京DOGS』の時は二人とも若かったですから、ガキンチョのごっこ遊びにしか見えませんでした。ただし、小栗くんの格闘アクションだけは当時からキマってました。小栗くん、相当好きみたいですね。

そんなワケで、最も愛するジャンルなだけに文句ばかり言っちゃいますが、こんな豪華布陣でまた楽しい刑事アクションをやって頂きたい気持ちは大いにあります。

チャレンジあればこその失敗。福田さんみたいなクセの強い作家に月9の脚本を任せちゃうだけのパイオニア精神が、当時のフジテレビ……に限らず、テレビ業界にはまだ有ったワケです。

『相棒』みたいに手堅い作り方を否定はしないけど、そればっかりじゃホントつまんない。むしろ、どんどん失敗するつもりで新しい事をやって頂きたい! さすれば、また愛を持って悪口書きますからw いやホントに、愛あればこその苦言です。
 
コメント (4)
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