ベトナム旅行記：2日目その7 -「ジャングルの中を往く」：カイベー

Cai Be, Viet Nam

さてさて、カイベーの街を訪ねたワタクシ達は、この日のメインであるジャングルクルーズに向かいます。
ジャングルの中の狭い川を進むためには、小さな船に乗り換えなくてはなりません。


この船にはワタクシ、家人、ニャンさんの日本語部隊が乗ることにいたしました。
ニャンさんはメコンデルタの出身なので、ジャングルの動植物に詳しく、本当に詳しい説明をしていただきました。


ベトナムの女性は働き者です。周囲を見てみると、手漕ぎ舟の漕ぎ手はすべて女性だったんですよ。
道端でボーっとしているオッサン達は罪悪感を感じないのでしょうかねぇ。


ではでは、ジャングルの中へ入っていくとしましょうか。「船から落ちないように気をつけてください」と言われました。
ワタクシ、別に川の中に落ちるくらいは平気なのですが、カメラとレンズが濡れるのは困ります。
何が何でも船から落ちないようにしなくてはなりませぬ。


船を漕ぐ櫓の音、遠くから聞こえる野鳥の鳴き声…それ以外は何の音も聞こえてきません。
非日常な空間の中で、ワタクシは胸の高鳴りを感じておりました。


ああ、この光景を見たかったんです。でも、このジャングルが危機的な状況になったことがあるんですよ。
ベトナム戦争末期、米軍はジャングルに潜んで攻撃をしてくるベトナム兵を壊滅するために、
常識では考えられない恐ろしい作戦を実行します。「敵がジャングルに隠れて攻撃してくるのなら、
ジャングルの木を失くして丸裸にしてしまえばいい」という発想のもと、
枯葉剤という毒薬を空から散布して、ジャングルの木を枯らそうとするんですよね。
このあたりはまた後に詳しく書きたいと思いますが、米軍の発想には狂気を感じます。


こんなジャングルの中でも、人の暮らしがあるんですよ。毒蛇もいるでしょうし、毒を持った虫もいるでしょう。
それでも、豊かな自然の恵みがあるので、この地を離れることは無いのでしょうね。


この船を漕ぐ作業はけっこうな重労働に感じました。働き者の女性たちに頭が下がる思いです。


乾季なので空気が乾燥していることもあるでしょう。ジャングルの中はもっと蒸し暑いのかと思っていたのですが、
木々の葉で日差しが遮られたりもしますので、思いの外涼しいんですよねぇ。これは意外でありました。


約30分ほどのジャングルクルーズでしたが、なかなか楽しい時間でありました。
ワタクシはいいツアーに参加したなぁと思いましたよ。

使用したカメラ：FUJIFILM X-Pro2


今回、ニャンさんという日本語ガイドさんがいてくれたことが、すごく良かったと何度かブログに書きました。
ただ、ニャンさんのことで一つ気になることがあったんです。それは、ニャンさんが大阪に技能実習に行っていたのですが、
私も大阪育ちなんですよという話をすると、ニャンさんは「そうですか。懐かしいです」と言うだけで、
日本での技能実習についいては何も話をされませんでした。大阪についても何も語ろうとはしなかったんです。
実は中国や東南アジアからの技能実習生の受け入れには、あまり知られていませんが、問題が多いんですよ。
技能実習生とは日本の「進んだ技術」を数年間途上国の実習生に学んでもらい、
それを自国に持って帰ってもらって発展に役立ってもらうというものです。
しかしながら、実際には最初から企業が安価な労働力を確保するという意図が見え見えで、
搾取、強制労働などの人権侵害の温床になっているんですよ。
もしかしたらニャンさんは日本で、大阪でひどい目にあったんじゃないかな…私はそんな気がしてなりません。
私は早くこの制度に対して、政府がきちんと実態調査をして、メスを入れてほしいと願っています。

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