源氏物語と共に

源氏物語関連

撫子

2007-06-19 10:12:36 | 
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今の季節、我が家でも<撫子>の花が咲いています。

残念ながら薄いピンク色は枯れてしまったので、白色の方です。

撫子には外来産のセキチク(石竹)と日本産(大和撫子)の2つがある事を
買いに行った園芸店で知りました。
どちらもダイアンサスという種類。

源氏物語でも撫子は夕顔の忘れ形見・玉鬘のイメージです。
実際、玉鬘十帖の中に季節的にも撫子がよく出てきます。

枕草子にも
『草の花はなでしこ、唐のはさらなり、やまとのもいとめでたし』とあります。

1000年以上前からすでに撫子は2種類あったという事ですね。
花の時期が長いので<常夏>ともいうそうです。
先日、唐撫子の<石竹>を見かけたので買いました。ダイアンサスと表示され、
鮮やかな濃いピンク色でした。

我が家で咲いている撫子は大和撫子です。日本の撫子も色々な種類があるようです。

以前は河原撫子も河原に生えていたのに、最近は見かけなくなったと教えてもらいました。

撫子色についても調べてみました。
 
『なでしこの細長・・』  (胡蝶)
『紫苑、撫子、濃き薄きあこめどもに・・』 (野分)

細長とは着物の種類。
重ね色目で見てみると、いわゆる赤系です。

長崎盛輝『重ねの色目』 (3番目の写真)

これならば、唐産の石竹の色からとっている事になります。

しかし、吉岡幸雄『日本の色事典』では、撫子色は淡い紫がかった薄紅色とされ、
薄いピンク色でした(2番目写真の右ページ左下)

しかも重ね色目も、諸説あるがピンクと緑系にされています。

石竹色も一緒に載せておられ(2番目左ページ)
同じ淡い紅色でも撫子色よりも濃い色とされていました。
和泉式部の唐撫子の和歌も記述されていました。

『みるがなほこの世のものとおぼえぬは
       からなでしこの花にぞ有りける』 (千載集)

からなでしこの花より、私は大和なでしこの方が楚々とした感じで好きなのですが・・(笑)千年前の撫子は今と違っていたかもしれません。

撫子には可愛い子供のイメージもあるので、唐なでしこの色は?
感覚の違いかもしれません。

実際、先日観た<常夏>というの園芸品種の撫子は、花が小さくかわいいものでした。
重ね色目
http://www.kariginu.jp/kikata/kasane-irome.htm

写真は白の撫子、吉岡幸男『色事典』紫紅社、長崎盛輝『かさねの色目』京都書院
セキチク

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