源氏物語と共に

源氏物語関連

薔薇(1)

2007-06-20 09:24:28 | 
イメージ 1
源氏物語には薔薇が2例出てきます。
千年も昔に薔薇があったとは!一体どんな薔薇だったのでしょう?
私はとても興味を持ちました。(以下、私がmixi日記に書いた記述と一部重複しています)

賢木
『階のもとのそうひ(薔薇)景色ばかりさきて
  春秋の花の盛りよりもしめやかにおかしき程なるに』 

少女
『昔覚ゆる花橘、なでしこ、そうひ(薔薇)、くだに(木丹)など様の
  くさぐさをうゑて春秋の木草、その中にうち混ぜたる 』 

薔薇は中国語音読みでショウビ→そうび、さうび、さうひになるそうです。

池田亀鑑源氏物語事典上によると

賢木「源氏釈」奥入り <白氏文集>甕頭竹葉経春熟、階底薔薇入夏開 を挙げる
  「河海抄」は更に<古今集> 物名 貫之
 『われはけさうひにぞみつる花の色をあたなるものといふべかめり』を引く

調べてみると万葉集にもバラは出てきました。
しかしバラは<うまら>宇万良と表記されていて、これは日本古来からある<ノイバラ>という種類という事でした。
今のバラの咲き方ではなく、原種で一重のバラ。枝を伸ばしていくつるばらです。
花が終わると赤い実をつけます。普段道端でも見かけるバラのようです。

万葉集では<うまら>と表記されていたのに、平安時代では何故<そうひ>なのか?
階段のもとに咲いているからつるばらのノイバラではおかしい。

これは何か新しい種類のバラであろうという事で出てきたのが、
中国の<コウシンバラ(庚申バラ)>でした。

庚申バラは長春バラともいい、その名の通り60日経つとまた花が咲く花。
花色も鮮やか。
中国にはかなり昔からバラがありました。チャイナローズ。
そのバラが後に色々交配されて、今のバラの花のもとになっているそうです。

源氏物語の時代には、すでに庚申バラが中国にあり、渡来してもおかしくないと考えられます。

しかし、千年も昔の話。資料も少ない上に実物を見ることができません。

庚申バラとは?
そんな中、荻巣樹徳「幻の植物を追って」に<庚申バラ>の歴史という記述がある事を知りました。

野の花ガーデン
ノイバラhttp://www2.tcn.ne.jp/~urakawah/wildrose.htm
コウシンバラhttp://www2.tcn.ne.jp/~urakawah/r.chinensis.htm

画像はハマナスの白色


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