源氏物語と共に

源氏物語関連

故村井利彦教授の思い出

2013-09-28 11:22:18 | その他
私事ではありますが、
社会人シニアカレッジ源氏物語講座の募集を見て飛びついた
神戸山手大学元教授・村井利彦先生が突然、急逝されたと聞き、
先日に、宇治まで告別式に行ってきました。

子供達も大きくなったというので飛びついた源氏物語講座。
当時の私の年齢は、少し下でしたが、参加申し込みを許されたときは嬉しかったです☆
このブログをはじめたのも、
以前からあこがれだった源氏物語講座に最初から参加することが出来たのが、
キッカケでした。

私は別の大学出身ですが、源氏物語が好きで選んだ学科というのに、
2年間は一般教養講座ばかり。いよいよゼミという時に
源氏専門の先生は何故かいらっしゃらず
恩師中古文学の藤本一恵先生のご指導をあおぎました。

当時の私は、先生のご専門の「枕草子」の講座にもうひとつ興味がなく、
もったいないない事をしていました。冷や汗;

やっと卒論で源氏物語を選んだ時は、楽しかったです(笑)
もちろん原文は読めませんから、玉上先生の角川文庫を参考にしました。

その後は、結婚や子育てなどですっかり時間をなくし、
そのうちに参加しようと思っていた諸先生方も亡くなられ、途方にくれていました。
そんな時の募集。

ですから、村井先生は、私にとって
源氏物語を最初の巻からはじめて教えていただいた先生にあたります。

そしてこの村井教授は、講座のお話が大変面白い
いままでちょこっとかじってみた先生方とは、かなり違っていて新鮮!でした。

あっという間に3年間の夢の浮橋までの講座が終了。楽しかったです。

唯一、毎回講義で順番に感想を言うのが苦痛(笑)でしたが、
とにかく1週間に1巻。

予習も大変で、最後に夢の浮橋に行った頃には、
源氏物語の原文をみるのもイヤになるぐらい中身の濃い毎日でした。

私にとって、はじめて原文をざっと読んだ経験でした。

皆の感想を先生がまとめてくださったのを、
巻ごとに皆さんと一緒に和紙で冊子にしたのが、良い思い出となりました。

けれど、最後の方で、実母の骨折手術などで忙しくなってしまい
とりあえず最後まで参加して終了。

その次の新しい講座もはじまりましたが、そういう事情もあって、残念ながら参加できず不義理をしました。
本当に、ちょうど良い時期の3年間に参加できたのは、私にとっても、何よりと思います。

先生が大学を退官される前の最後の講座のご案内もいただきましたが、
折しも、実母が再びの骨折手術。
迷っていましたが、
結局、母は元気でしたのに、急逝。
その後の式も済みましたので、ひそかに行って拝聴しました。

相変わらず、笑顔で本当に楽しい講義でした。

先生は退官後も、最後まで他の場所などで
講座の現役を続けられておられましたのに、
中秋の名月の日に、突然急逝されました。

源氏物語の講座でもおっしゃっていましたが、
紫の上は旧八月の満月の日に逝った
きっとかぐや姫のように昇天されたといわれていたように思うのですが、
先生も、中秋の名月の日に天国に行かれたのだと思います。
本当にお世話になりました不出来な生徒でしたが、
つつしんで先生のご冥福をお祈りいたします。


告別式には、講義のテープが流されており、
飾ってあった源氏物語の冊子は
後で私達の時代のものと聞きました。
皆で遠足に行った時のお写真もあったそうです。
てっきり、ほかの講座の時の冊子と思っていたので、それを聞いてまた涙でした。

もし、何か先生の注訳・「爪印」の本でも発行されれば購入したいものです。

優秀な社会人弟子が沢山いましたので、
いつかその人達が協力されることと思います。

源氏物語は漢文だけでなく、
古事記などの日本の歴史を踏まえているというお話も面白かったです。
残念ながら、私はどちらも苦手なのですが(笑)

時々は嫌になったり、また興味を持ったり、
これからも細々と源氏物語と共に歩んでいけたらと思います。

村井先生、本当にお世話になりました。
笑顔の楽しい講座と思い出をありがとうございました!
最後のお見送りができて本当に良かったです。合掌
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コメント
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