金・土・日と良い天気が続きましたが、あいにく私は土・日は仕事でした。
月曜日の今日は、またまた降ったり止んだりで風も強い、嫌な天気・・・。
(私の日頃の行いが悪すぎるのか?! )
午後5時頃、居間の窓から見えた虹です。二重になっていました。
でも虹って、すぐに消えちゃうんですよね。2階に上がって窓辺に椅子を持ってきてスマホを構えたら、もう大分消えかかっていました。
虹の上下で空の色が違うのが面白いです。
* * *
仕事だった昨日。訪問した二件目の顧客さんは、初めての方で男性でした。
脳性麻痺のため四肢が不自由な、ウェインさん(仮名・48歳)。
住み込み介護ヘルパーさんの休憩時間をカバーするための私の訪問は、昼食後の4時間でした。
が、ウェインさん、昨日はお腹の調子が悪く、その4時間の間に4回トイレに行くようでした。
居間とバスルームと寝室の天井に、天井走行リフトが取り付けられていました。
居間の肘掛け椅子から車椅子への移乗。
車椅子からトイレの便座への移乗。
便座から車椅子への移乗。
車椅子からベッド(横たわったウェインさんの下着とズボンを引張り上げるため)への移乗。
ベッドから車椅子への移乗。
車椅子から肘掛け椅子への移乗。
一度のトイレ訪問に、6回の移乗が必要でした。
移乗用リフト(イギリスでは Hoist と呼びます)を使ったのは、ずいぶん久しぶり。
リフト使用は問題なかったのですが、ベッドに横たわったウェインさんの下着とズボンを引き上げるためには
ウェインさんの体を横向きにしなければならず、そこに苦労しました。
リフトを使って降下しベッドの中央に横になったウェインさんを、
まず右側面に横向きにして下着とズボンを引き上げ、
次にベッドの反対側にまわって今度は左側面に横向きにして下着とズボンを引き上げ、
さらにもう一度またベッドの反対側に戻って右側面に横向きにして下着とズボンを整えるのです。
病院勤務中はペアでしていた介助作業ですが、一人でしなければなりませんでした。
ウェインさんのベッドはダブルサイズで、ウェインさんご自身も90kgくらいの立派なご体格。
151cmのチビで腕も短い私は、ウェインさんを横向きにしようと懸命に押しても、両足がじりじりと後退してしまうことも。
ベッドも普通の木製で医療用ベッドではないので、高さを調節することもできず。
かなりの肉体労働で、・・・疲れました。
今朝起きたら両肩がひどく凝っているし、久しぶりに腰の鈍痛も戻ってしまったので、
ウェインさん訪問は今後は一切お断りするつもりです。
今日はイギリスはイースター・マンデーで休日なので、明日ケア・コーディネーターにメールします。
自分の健康を損ねてしまっては、元も子もありませんから。
ウェインさんに関してひとつ驚いたのが、ものすごく綺麗好きということです。
ケアプランには、細かい掃除の指示がリストにされていました。
屋内はどこも、常に掃除が行き届いた状態にしておくこと。
廊下の木目の床は、毎日掃除すること。
キッチンの床は、最低週2回モップがけすること。
キッチンのシンクには、必要以上の時間、汚れた食器を放置しないこと。
などなど。
私もトイレ訪問の合間に、家具のホコリ拭きを指示されました。
その指示も、「キッチンのシンク下に透明プラスチックの箱があり、その中にホコリ防止スプレーと黄色い
クロスがあるから、それを使って」 という具合で、細かかったです。
またあるときは、トイレに向かう途中、「床に何か落ちているから、あとで掃除用ブラシと塵取りを使って
掃除して。掃除用ブラシと塵取りは、玄関脇の物入れに収納されているから」。
同じ指示をウェインさんは、トイレに座っているときとベッドに横たわっているときにも繰り返され、
「忘れないで。『やる』と約束しておいてやってくれないことが何度もあったから」 と念押しされました。
過去に、よほど苦い思いをしたのでしょうね?
居間に戻る途中で私、ウェインさんに、どこにその『何か』が落ちているのか訊いたのですよ。
近眼で老眼の私、仕事中は邪魔になるので眼鏡はかけないため、私の目には見えなかったのです。
落ちていたのは、直角三角形の、小さな紙切れみたいなものでした。
その大きさ、5 x 4 x 3 mm くらい! ・・・よく見えたなぁ、と感心。
ウェインさんのご両親はご健在で、頻繁にウェインさんを訪ねて来、外に連れ出してもくれるそうです。
住み込み介護ヘルパーがいるにもかかわらず、今でも洗濯物はすべてお母様がご自宅に運んだうえでされ、
アイロンもかけられ、ウェインさん宅に持ち帰られてワードローブや箪笥に、丁寧に収納されるそうです。
ウェインさんの食事も、すべてお母様がご自宅で料理されたものを持って来られるので、住み込み介護ヘルパーは、
それを温めて出すだけ。ウェインさんは左手は動かせるので、左手でスプーンを使って食事されるそうです。
自分で言うのは何ですが、私もなかなかに綺麗好きでは?と自負しているのですよ。
でもウェインさんには負けました。
と同時に、ウェインさんの今後が、少し心配にもなりました。
ウェインさんのご両親だって、いつまでもピンシャンしているという保証はありませんからね。
将来お母様が、加齢によりウェインさんのサポートを断念しなければならなくなったら・・・
ウェインさんは、お母様の身体の心配をするのみならず、
これまでずっとお母様がされてきた炊事と洗濯を、介護ヘルパーに委ねなければならなくなります。
そのとき、自分の思うように家事を遂行してもらえなかったら、
ものすごいストレスになってしまうのでは・・・?
ウェインさんのお宅はどこもかしこも掃除が行き届いていたので、もちろん気持ちよかったです。
でも正直なところ私は、あそこまで綺麗好きだったら気苦労が多いだろうな、と感じてしまいました。
介護ヘルパーは、ウェインさんと脳を共用しているわけではありませんから。
自分がして欲しいことを、して欲しい通りにきっちりとやってもらえなかったら、かなりのストレスを感じそうです。
なのでウェインさんは、もう少しリラックスして多少のこと・影響の乏しいことには目をつぶるようにした方が、
穏やかに暮らせるのではないかな~?と、余計なことですが思ってしまいましたよ。
『人間、ホコリでは死なない』 って、よく聞きますもんね。
本当かどうかは知りませんが。
努力の結果、夢が叶ったら嬉しいですよね。
ららさんの夢が叶いますように、お祈りしています!
(もちろん自分の夢もですが