ハナママゴンの雑記帳

ひとり上手で面倒臭がりで出不精だけれど旅行は好きな兼業主婦が、書きたいことを気ままに書かせていただいております。

SHOGUN - 将軍 -

2014-07-02 23:01:37 | エンターテインメント

5月に元同僚のローズから借りてきた、『SHOGUN -将軍-』のDVD。 とうとう見ました!

 

DVDは全部で5枚あったので、1枚2時間として10時間・・・・・・ と思っていたけれど、5枚目は “メイキング・オブ・SHOGUN” の特典DVDだったので、ドラマ自体は4枚。 それでも全部で9時間くらいあったと思います。

 

1980年にTVミニシリーズ・ドラマとしてアメリカで5夜連続で放映され、全米に日本ブームを巻き起こしたという大ヒット作。

日本では1980年に125分に縮められた劇場版が公開されたのち、1981年にはテレビ朝日系列でテレビシリーズ版が8晩連続で放映されたそうです。

当時18歳~19歳だった私は、どちらも見ませんでした。 その頃は憧れのドイツに早く行ってみたくて、心はもうドイツに飛んでいたからだと思います。 

 

主人公のイギリス人航海士ジョン・ブラックソーン(日本名は按針)を演じるのは、リチャード・チェンバレン。 製作陣は最初はイギリス人俳優にこだわり、ショーン・コネリーやロジャー・ムーアやアルバート・フィニーが候補でしたが、彼等が興味を持ってくれなかった、あるいは時間がなかったかで、リチャード・チェンバレンが役を獲得しました。 時は1600年。 当時西洋にはほとんど知られていなかった異国・日本に嵐の中たどり着いたブラックソーンは、異文化や厳しい社会制度や異なる生活習慣に驚き戸惑いつつも、少しずつそれらを理解し、順応していきます。

  

三船敏郎演じる大名・虎長の臣下の妻で、按針の通訳を務める女性まり子は、島田陽子が演じました。 島田陽子さん、・・・お疲れさまでした!! 台詞の量は、ひょっとしたら彼女が一番多かったかも。 その上日本語と英語の台詞を覚えなきゃならなかったんですものね。 特別にコーチがついて、特訓を受けながらの演技だったそうですが、日本人らしいアクセントがあってそれはそれで自然に響いて、とてもよかったです。 まり子役は最初はジュディ・オングさんに決まっていたものの、『魅せられて』の大ヒットで多忙になり降板せざるを得ませんでした。 でも、それで良かったと思います。 ジュディ・オングさんなら英語は達者だったでしょうが、でも彼女は台湾出身。 まり子役が純粋日本人の島田陽子さんに演じられ、しかもゴールデングローブ・女優賞を獲得されたこと、嬉しく思います。 清楚で凛とした美しさをたたえたまり子は、海外でも大評判になったそうですね。 私はてっきり、按針の奥さんになるんだと思っていました・・・

  

リチャード・チェンバレンは適役でした。 『猿の惑星』に放り込まれたチャールトン・ヘストンのような状況下にあって、控えめな面立ちながら、しなやかに新しい環境に適応していきます。

  

  

リチャード・チェンバレンの着物姿もなかなかだし。

  

  

日本人キャストの主だった役者さんたちです。 虎長役の三船敏郎、地方藩主?矢部役のフランキー堺、その甥の侍役の目黒祐樹

  

虎長のライバル大名・石堂役の金子信雄、まり子の夫役の高松英郎。 とてもおきれいな女優さんが芸妓?菊役で出ていらしたので調べてみたら、喜多川美佳さんのようです。 (かつて三船さんと内縁関係にあったって・・・ あの美貌ならうなずける!

  

按針が腰元たちに英語で歌いながら踊りを披露しているところに、突然やってきた虎長。 あわてて居住まいを正し敬礼する按針に、「面白そうじゃないか。ひとつわしにも教えてくれ。」 なかなか楽しいシーンでした 

  

その一方で、「・・・ありえない~!」と絶叫したくなるようなシーンも。 お風呂に入っていた按針をお風呂場に訪ねたまり子は、自らも着物を脱いで『ご一緒』してしまうのです! 「日本人は自分の裸身を恥ずかしく思いません。自然が、神が与えてくださったものですから。」みたいなこと言いつつ。 これは現代ですらあり得ないシチュエーションだから、1600年当時は絶対にあったはずない~っっっ!! 

  

撮影は全編を通じて日本でのみ行われたそうです。 お城やその周辺の撮影には、姫路城が協力。

  

日本の農村部の、素朴で美しい風景もよかったです。  (ところで、目黒祐樹さんを見るとゴルゴ13を連想してしまうのは私だけ?)

  

按針の生活の拠点となる漁村は、長島というところにセットとして建設されたとか。 たぶん鹿児島県の長島だと思うんですが。 選ばれた海岸は人里離れていて、製作スタッフは45kmほど離れたリゾート地のホテルに宿泊したそうです。 「秋には真先に台風が通過する土地」と聞いてはいたものの、忙しくてそんなことは忘れていました。 当初の撮影終了予定日は、9月15日。 ところがホテル側との連絡の手違いで、宿泊は8月末までしかできないことになり、あわてて撮影を急いで9月1日に撮影終了、移動の運びになったそうです。 《2016年6月15日追記: 長島は「三重県にあった紀伊長島町」とつっぺさんさんからご教示いただきましたので、お詫びして訂正いたします。》

その9月1日午後、荷物をまとめていたら急に天候が変わり、強風と大雨に襲われ、漁村のセットは海にさらわれて跡形もなくなってしまったとか。 当初の予定通り撮影をすすめていたら、撮影途中で漁村を失うところでした。 「神が我々に微笑んでくれたんだ」とは、特典映像の監督さんのお言葉。

  

インターネットなどなかった時代だったから、製作陣はお上(NBCテレビ局のお偉いさん)の意見を気にせず製作に打ち込めたそうです。 撮影フィルムがアメリカに到着する頃には、もう時間が経ちすぎて撮り直しは無理でしたからね。 

  

アメリカ人と日本人が入り混じった製作スタッフ。 コミュニケーションの難しさはもちろんのこと、労働習慣の違いなどから「大変すぎてやってられない」とアメリカに帰ってしまうスタッフもいたそうです。

  

  

メイクが溶けて流れ落ちてしまうような猛暑の中での撮影も。 さぞ大変だったことでしょう。

  

皆さん、お疲れさまでした!

 

アメリカで5夜連続で放映されたのは、1980年9月のことでした。 口伝てに「面白い」という噂が広まって、視聴率はうなぎ上りに。 家庭用ビデオの普及直前のことだったので、『SHOGUN』放映時間には映画館もレストランも空っぽになったとか。

こうして全米に日本ブームを巻き起こした『SHOGUN』。 製作陣は現在も、この作品がその後のSUSHI人気の定着に一役買ったと自負しています。

 

 

TVミニシリーズドラマ『SHOGUN』は、ジェームズ・クラヴェル(オーストラリア生まれの英国人で、のちにアメリカに帰化)の小説をドラマ化したもの。 1975年に発表された『SHOGUN』はベストセラーになったため、ドラマ化されたのも不思議はありません。

    

 

以下はDVD に添付されていたパンフレットからの、私の意訳です:

“SHOGUN は、東洋と西洋の間の架け橋となること、また西洋に‘神の地’を描いてみせることを目的に執筆されました。 愛情をもって友好的な視点から日本人を描いたものです。 実際これは、私からの日本への贈り物なのです。”  ―― ジェームズ・クラヴェル

シンガポール陥落後、日本軍が捕虜収容所として使った悪名高いチャンギ刑務所に収容されたクラヴェル。 3年半に及んだ過酷な収容を生き延びたものの、彼はその後、長い間悪夢に苦しんだ。 日本軍捕虜収容所を背景にして初めての小説 King Rat (1962年)を書いた彼は、書くことに癒しの効果があったのだろうか、なぜか日本に好意的なものを書ける気分になっている自分に気がついた。 「なんとも説明し難い。おそらく私は前世では日本人だったのだろうと、人には言うことにしている。」 

映画の脚本(例:『ハエ男の恐怖』『大脱走』)や監督をつとめて順調にキャリアを伸ばしたクラヴェルだったが、自費を投じた失敗作もあった。 損失を埋めるため小説を書くことにし、現代の日本に関するものをと最初は思った。 が、適切な題材が浮かばなかった。 娘の歴史の教科書を何気なく手に取ったとき、手がかりが見つかった。 “1600年に一人の英国人が日本に行き、侍になった。” その英国人とは、ウィリアム・アダムスだった。 

 

なぁるほど。 こうしてウィリアム・アダムス=三浦按針をモデルにしたフィクション小説 『SHOGUN』 が生まれたわけですね。 行きたくて日本に行ったわけじゃないのに、実在した按針さんが不遇の晩年を過ごされたのは残念でした。 ドラマの按針さんは、晩年までは描かれていなかったけれど、最後は希望を持てる終わり方だったのでその点よかったです。

それにしても、架空のキャラクターとはいえ、まり子さんは語学の天才だったに違いない。 あの若さで同時通訳までできるほど英語がペラペラなんて。 当時は語学留学はおろか英会話学校などもなく、独学で、おそらくは外国から来た宣教師あたりから習ったものでしょうが。 在英23年目にもかかわらず、ペラペラからは程遠い自分が情けなや~・・・ 

ローズが DVD Box Set を持っていたのでちょっと好奇心から借りてきたものでしたが、見てよかった ワタシ的にはとても面白かったです。 歴史に詳しい人なら(アレ?)と思う箇所も多かったかもしれませんが、そこが歴史バカのいいところ。 按針さんの運命が気になって、見始めたらぐいぐい引き込まれて、夢中になって見終えました。 仕事に行くため途中で中断するのが辛かったほど。 製作に30億円をかけたというだけあって、舞台設定や衣装が、それはよくできていて豪華なこと・・・ 素朴な漁村の風景は懐かしく、日本女性の優美な物腰は新鮮だわ・・・ 

冒険と愛と運命を描いた長編活劇です。 頭を空っぽにして、童心に還って愉しむのがよろしいかと。 (YouTube でのお試し視聴はコチラ。)

私も、そのうちコレ、買っちゃうかもしれません・・・

 

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4 コメント

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Unknown (うぼで)
2019-02-28 14:57:27
何か思い出して本記事にたどり着きました。劇場で観た時はドタバタした作品だと感じましたがパワーでは「ラストサムライ」にも引けを取らない映画でした。安針の「ワタシハ、ニッポンジン、ワタシハ、サアムライ」て台詞や「タンタンタタタ、タンタンタンタンタタタ…」て音楽今でも記憶にあります。
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まだ買ってない~! (ハナママゴン)
2019-03-01 07:21:26
DVDのこと、すっかり忘れてました。絶版在庫なしになる前に注文しなきゃ!
思い出させていただき、ありがとうございます。

劇場でご覧になったんですね、ということはうぼでさんは私と同年代でしょうか。
70年代80年代って、画期的で心に残る作品が次から次へと出たような。
その時代が全盛期だった者のヒイキ目かもしれませんが。

タンタンタタタ、・・・という音楽は、すでに私の記憶にはございません。
SHOGUN見てから5年も経っていないのに!?
DVD買ってじっくり見直さなきゃです!
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Unknown (うぼで)
2019-03-02 01:36:20
>ハナママゴンさんへ
コメントご返信ありがとうございました。公開当時は新聞の夕刊広告一面に宣伝が載ってたのを覚えています。神奈川県の横須賀市?に実物の按針さんの墓所があるて聞いたので機会があれば訪れてみたいです。
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注文しました♪ (ハナママゴン)
2019-03-04 21:05:07
按針さんのお墓! それは興味深い。もし行かれたら、どんな様子だったかお知らせいただけると嬉しいです。

DVDボックス・セットを購入すべく、アマゾンにポチしました。
今回の住み込みは明日で終わるので、もう届いているかもです
うぼでさんの記憶に残っている音楽、探してみなくちゃ!
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