浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

サイードを読む

2023-10-19 21:31:16 | 

 ぼくの手元には、エドワード・W・サイードの『ペンと剣』(ちくま学芸文庫)がある。パレスチナで何か問題が起きるとき、この本を手に取る。

 ぼくは、ユダヤ人を差別してきた欧米社会がみずからその責任を負うことなく、なにゆえにアラブ世界にユダヤ人問題を押しつけたのか、と思う。ホロコーストを行ったのは、ドイツではないか。

 サイードはこう記す。

 「1948年にひとつの社会が破壊され、それ以来ずっとパレスチナ人への抑圧が計画的に遂行されている」(63頁)

 そのなのだ。イスラエルは次のようにしてつくられた。

 1947年 国連はパレスチナを分割してユダヤ人とアラブ人に独立した国を与える総会決議181を採択。人口の3割をしめ、10%程度の土地を所有するに過ぎないユダヤ人に国土の56%を与えるというその案は、もちろんアラブ世界の怒りをよびおこした。

 その決議のあと、イスラエル建国を支持するユダヤ人は、暴力的にアラブ系住民を追い出した。ある村の一軒の住民を皆殺しにして住民に恐怖を与え、その恐怖のなか一時的に家を離れたアラブ系住民の家に入り込むユダヤ人。

 1948年5月、イスラエルが独立を宣言する。それと同時に、イスラエルはアラブ系住民をその領域から追放しはじめた。それに対して周辺のアラブ諸国が攻め込んで第一次中東戦争が始まった。

 それまで、アラブ系住民とユダヤ人は平和的に共存していたのに。

 国連はじめ、世界はパレスチナを悲劇に追いやった責任を負わなければならない。とりわけ、ユダヤ人を差別しまくったロシアや欧米諸国の責任は重い。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あきれるしかない!! | トップ | 転げ落ちる日本 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

」カテゴリの最新記事