2019年、岩波書店から『独ソ戦 絶滅戦争の惨劇』(岩波新書)が刊行された。これについては紹介したことがあった。
今日、友人との電話でこの本について話し合った。
220頁にこういう記述がある。
ドイツが遂行した対ソ戦争は、戦争目的を達成したのちに講和で終結するような19世紀的戦争ではなく、人種主義にもとづく社会秩序の改変と収奪による植民地帝国の建設をめざす世界観戦争であり、かつ「敵」と定められた者の生命を組織的に奪っていく絶滅戦争でもあるという、複合的な戦争だった・・
「絶滅戦争」ープーチンによるウクライナ侵攻で展開されている戦争は、まさにナチスが行った「絶滅戦争」と言えるのではないかと思う。
ロシア軍が引き揚げたところには、徹底的に破壊された生活の場と、民間人の屍体が放置されていた。ロシア軍の目的は、ウクライナに住む人々を「掃蕩」し、新たにロシア人を移住させてロシアの版図を広げることではないのか。ウクライナの人々は、プーチンにとって「敵」とされ、組織的に殺戮される存在であったのだと思う。
「独ソ戦」の著者は「理性なき絶対戦争」という項目をたてている。まさにプーチンのロシア軍は「理性なき」集団となっている。
「理性なき」軍隊が、ウクライナを破壊し、殺戮を行っているのだ。プーチンのロシアこそが、ネオナチなのだと思う。