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浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

選挙結果をみて

2013-07-21 23:46:31 | 日記
 参議院議員選挙の最終結果はまだ出ていないが、自民党の勝利はまず間違いないようだ。

 その背景には、投票率が低かったことがあげられる。以下は、共同通信配信記事の一部である。


参院選、推計投票率51・57% 98年以降で最低か  2013年7月21日 23時27分

 第23回参院選の投票率(選挙区)は共同通信社の21日午後9時現在の推計で51・57%となり、前回2010年参院選の57・92%を6・35ポイント下回った。1998年以降の5回の参院選と比較し、最も低い投票率となりそうだ。

 消費税増税が争点となった前回参院選や、民主党が政権交代への足掛かりとした前々回と比べて明確な話題性を欠き、国民の関心が高まらなかったとみられる。


 投票率が低いときには、組織的な基盤を持つ政党が有利である。したがって、自民、公明、共産の各党には有利な状況があったといえよう。

 今回の選挙の特徴は、民主党の凋落である。これは昨年末の衆議院議員選挙でも明確に示されたことであるが、民主党政権は確実に多くの期待を背負って登場したが、期待とは裏腹に、菅、野田と首相が替わる度に自民党政権と瓜二つとなり、国民に民主党に対する大きな大きな失望をもたらした。その失望が、民主党の凋落となり、また投票率の低下となって現れたのだろう。おそらくもう民主党の再興はないだろうと思う。

 また民主党議員の中には、自民党であってもおかしくない議員がたくさんいるから、彼らはいずれ自民党へと移っていくであろう。

 さて、自民党・公明党の政権に明確にノンをつきつけたい国民は、共産党に投票したといえるだろう。東京、大阪、京都で共産党議員が誕生したことがそれを示している。

 民主党などから分離した勢力は、衆議院議員選挙を前後しての無責任な離合集散により、いくつかの政党を結成したが、それぞれの政党のイメージをつくりあげることはできず、まったく注目されないままに終わった。参議院議員選挙を前にして大同団結でもすれば、新たな勢力となって国民の期待を一定は集められたであろうが、それぞれの政党はそうしなかった。これらの勢力も、結局は消えていくだろう。

 さて社民党は、今回の選挙で埋没した。社民党の独自性がもう見えなくなっている。民主党と分離した人々によって結成された政党と同様に、注目されないままに終わった。社民党としての情報発信がなかった。この選挙結果をまつまでもなく、以前から、とくに細川内閣、自社による村山政権の頃からのダッチロールにより、また政党名の改称により、往年の社会党の活動実績が消えてしまったのである。

 特筆さるべきことは、東京で山本太郎が、沖縄で糸数慶子が当選したことである。これは朗報である。東京5議席中、2議席が反自公である。東京都民は、今回の選挙ではいくぶん考える人が増えたのかもしれない。最近の東京都は、保守反動の拠点たる様相を呈していた。

 沖縄は、辺野古移設問題など、政府の言うがままにはならないという意志を突きつけたのである。

 ところで、この選挙で自民党はじめ、改憲勢力(公明、維新、みんな、民主)が増え、安倍政権はみずからの政策実現に力を得たことになる。壊憲、TPP参加、原発再稼働、教育の国家主義的改革など、悪政がさらに推進されることになる。

 戦後民主主義の息吹のなかに生まれ、また戦後民主主義のために努力もしてきたボクとしては、この選挙結果は、きわめて残念としかいいようがない。こういう社会とするために生きてきたわけではないという思いが強い。

 と同時に、やはり責任を痛感するのだ。人々と話していて、自民党にまかせておいても、あるいは日本国は国民にひどいことはしないだろうという「安心感」があることに気づく。もうそういう時代ではないのだが、それに気づいていない。

 ボクたちは、もっと自らの考えを鮮明に打ちだしていかなければならないと思った。この選挙結果を踏まえて今後の日本国の行方を展望すると、悪い方向に進むことは明らかだ。

 それがわかっていて、座視しているわけにはいかないのである。政治に目覚めた者は、責任がある。その責任を自覚すること、そして一歩を踏み出すのだ。その一歩は、今度こそ、確実に大池を踏み固めることのできるものでなければならない。自らを鮮明にすることによって、その一歩をはっきりと示していくのだ。

 もうボクたちには、後はない。
 

言論弾圧事件の被害者が語る

2013-07-21 13:09:12 | 日記
 安倍首相に見てもらおうと質問ボードをつくったら、警察官や自民党にボードをとりあげられた佐々木るりさんのインタビューです。

 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/92370

 これをみると、多くの公安警察が動き回っている。最初から狙っていたような気がする。自民党と公安が連動して、表現の自由を圧殺する。まさに「自民党憲法改正草案」の先取りである。

 自民党は「公益及び公の秩序を害することを目的とした」という、誰が、いかなる行為をこう断定するのかわからないような抽象的な、つまりどんなことでも国家権力がそう判断すれば圧殺できる条項をつくってきている。まさに先取りというしかない。

 二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。

 2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。




嘘でも何でも・・・

2013-07-21 08:24:23 | 日記
 鹿児島ラサール高校、東京大学法学部を卒業したもと自民党で、現在日本維新の会の代議士の街頭演説。これは『朝日新聞』デジタル版の記事。

 日本人の祖先はすごい。アジアやアフリカを独立させ、オバマまで当選させたのだから・・・しかしねえ、オバマはそう思っていないし、アジアアフリカの国々もそうは思っていない。「歴史を直視」することをすすめているご本人様が、まったく歴史を知らないようだ。こういうのを放言というが、最近ひどいね、あの石原慎太郎も。そういえばかれも維新だ。

 中山さん、「平和ボケ」よりも、「ボケ」そのものを直視すべきではないでしょうか。


「平和ボケの日本人を覚醒させる」維新・中山氏

                        ■中山成彬・日本維新の会代議士会長


 先の大戦で日本は負けたが、民族独立、みんな平等であるという旗印のもとで戦った。その結果、アジア、アフリカの国が独立した。ワシントン、ニューヨークに色の黒い人がどんどん来て、レストランなど公の場に出るようになった。それを見ていた米国の黒人の方々が「自分たちもそういう権利がほしい」ということで公民権運動が起こり、様々な要求をした。ついに(黒人の)オバマ米大統領が誕生するということになった。まさにこのような世界になったのは、私たちの先祖のおかげなんだということに誇りを持つべきじゃないか。

 歴史を直視するということはまさにこういうこと。中国や韓国が本当に歴史を直視したらどうなるか。慰安婦の問題も南京事件もなかった、でっちあげだったんだということがよくわかる。8月15日、安倍晋三首相は靖国神社に参拝すべきだ。これ以上、中国や韓国との関係が悪化することはない。一番悪い時だから、今行けばいい。我々が先頭に立って自民党を引っ張っていく。平和ボケしてしまった日本人を覚醒させるのが私たち日本維新の会の責任だ。(東京・大手町の街頭演説で)

http://www.asahi.com/politics/update/0717/TKY201307170391.html

昨日の朝日の社説

2013-07-21 08:04:32 | 日記
 そりゃあ論説委員もいろいろいるから、あるいは変わっていくからしかたがないけれども、労働者の派遣を製造業にまで合法化したのは小泉政権だ。その小泉元首相を社説にこう書いたのは、『朝日新聞』社説子であろう。

それにしても、小泉首相はこれまで見たこともない型の指導者だ。「郵便局は公務員でなければできないのか」「民間にできることは民間に」。単純だが響きのいいフレーズの繰り返しは、音楽のように、聴く人の気分を高揚させる。

 小泉元首相の演説をきいて、「単純だが響きのいいフレーズの繰り返しは、音楽のように、聴く人の気分を高揚させ」られた社説子は、高揚の中、真偽を判定する能力まで麻痺していたのかもしれない。小泉改革をこのように支持していた『朝日』に、以下のような社説で説教されたくはない。内容は悪くはないけれどもね。


選挙と若者―投票すれば圧力になる

 そこを行くリクルートスーツの君。きょうは参院選の投票日だって知ってた?

 まだ内定がとれないんで、投票に行く余裕がない?

 君が「なんとか、正社員に」って必死になるのは当然だ。就職したとたん、年収は正社員と非正社員との間で平均80万~160万円の差がつき、年齢が上がるにつれどんどん広がる。

 90年代以降、正社員への門は狭まるばかり。最近は大卒男子でも4人に1人は、初めて就く仕事が非正規だ。

 そうなると、職業人として鍛えられる機会が少なくなる。伸び盛りの若いころ、その経験をしたかどうかは大きい。

 「とにかく正社員に」という焦りにつけいるブラック企業もある。「正社員」をエサに大量採用し、長時間のハードな労働をさせ、「使えない」と見切ればパワハラで離職に追い込んでいく。

 「若い頃はヘトヘトになるまで働かされるもんだ。辛抱が足りない」なんて言う大人もいるけど、まったく的外れ。

 非正規もブラックも、若者を単なるコストとして扱う。会社の目先の利益のために。人を長期的に育てていこうという意識はない。

 おかしいよね、こんな人材の使いつぶしが横行する社会は。

 しかも団塊世代と違って君たちの世代は数が少ない。一人ひとりが目いっぱい能力を磨いて働き、望めば家庭をもち子どもを育てられる。そうしないと、日本の将来は危ういに決まってる。声をあげなきゃ。

 こんな試算がある。

 20~49歳の投票率が1%下がると、若い世代へのツケ回しである国の借金は1人あたり年約7万5千円増える。社会保障では、年金など高齢者向けと、子育て支援など現役世代向けとの給付の差が約6万円開く。東北大の吉田浩教授と学生が、45年にわたるデータを分析した。

 もちろん因果関係を証明するのは難しい。でも、熱心に投票する高齢者に政治家が目を向けがちなのは間違いない。

 どの党や候補がいいか分からないし、たった一票投じたって意味ないって?

 こう考えたらどうだろう。政治家は、有権者の「変化」に敏感だ。票が増えれば、そこを獲得しようと動くはず。

 前回の参院選の投票率は、60~70歳代が7割以上、20歳代は4割以下だった。でも低いからこそ上げやすい。上がれば政治家はプレッシャーを感じる。

 さて、投票に行ってみようって気になったかな。

経団連も壊憲へ

2013-07-21 07:50:42 | 日記
 これは共同配信の記事。ボクはこうした記事の末尾におかれる「・・・・しそうだ」が大嫌いである。この書き方は、テレビラジオでもしばしば使われる。だいたいにして、この文の内容からしても財界が憲法をめぐる論議を活発化させようとしていることは明らかではないか。したがって、末尾は「憲法をめぐる論議が活発化していくだろう」でよいのではないか。おそらく「・・・・しそうだ」は、この記事を書いた者の責任回避なのだろう。もし活発化していかなかったらというときの逃げ道。

 ともあれ、自公両党の悪政を支えてきたのが、この財界。多国籍企業化した大企業が、よりおおくの儲けを確保するために、政府や官僚を操縦してきた。自民党の壊憲案も、財界の意向と歩調を合わせているはずだ。

 壊憲阻止のための大連合を結成するときがきたようだ。



経団連が憲法改正の勉強会発足へ 政府への提言も検討  2013年7月20日 17時06分

 経団連が憲法改正を議論する勉強会を参院選後に発足させることが20日、分かった。憲法は選挙戦の争点の一つとなっており、選挙の結果次第で大きく動きだす可能性がある。勉強会で集団的自衛権の行使などの考え方を整理し、政府への提言も検討する。

 経済団体では経済同友会が4月に国の安全保障に関する提言を公表した。日本商工会議所も10月に憲法改正試案をまとめる方向で調整しており、憲法をめぐる財界の論議が活発化しそうだ。

(共同)

現実と観念と

2013-07-21 07:24:57 | 日記
 昨日研究会で竹島問題を話した。ボクは何回か竹島問題について話しているが、その都度日本人の意識の中に、致命的な欠点があることがわかった。尖閣にしても、竹島にしても、ほとんどの国民はいずれも日本の領土だという考えは持っているが、誰もその根拠をこたえられない。つまり政府やメディアが言っているから、ということで、完全に思考停止しているのである。それは、おそらく中国や韓国も同じ状況があるのだろうが、こういう領土問題は、双方の主張を踏まえて冷静に議論していかないと、誰も住めないような島をめぐって血を流すことになりかねない。

 ボクは、まず少なくとも、それぞれに自国領とする主張があることをきちんと認識しておくことが必要だと思う。

 さて私の発表のあとに、いろいろ質問があった。

 質問者のひとりとは、終了後もいろいろ話したが、彼は現実についてのいろいろな知識をもってはいるがそれぞれ断片的であって、断片的な知識を順序立ててきちんとつなげていくということができないようだった。したがって、おそらく対話の相手となった人にとっては、彼の話は理解できないのではないかと思った。同時に、時々荒唐無稽の飛躍も入り込み、他人がまったくはいりこめない観念の世界へと飛翔していってしまう。

 そういう話しを次々と繰り出してきて、それにきちんと対応していこうとすると、とても疲れる。だが、自民党の憲法草案のひどさ、TPPの危険性、対米隷従は日本の国益にならない、などの論点では一致することができた。ただし、論理的にそういう結論に達しているわけではなさそうなので、彼にとってその一致点は消えてしまうかもしれない。

 最近の若い人は、筋道を立てて思考を積み上げていくという訓練ができていないような気がする。別に論理学の本を読め、ということではないけれども、おそらく彼らは一つのテーマを正面に据えて学問的に追究した経験がないのだろう。別に学問的なことだけではなく、たとえば農業でもよい。種を蒔いた、しかしなかなか芽が出ない、芽が出ても大きくならない・・・・・そういう現象でもよい、それがどうしてかをじっくり考えるということがないのであろう。

 とにもかくにも、今時の若者は忙しい。メールをチェックしなければならないし、メールを送らなければならない、友人関係のつきあいもある・・・・じっくり本を読んだり考えたりするヒマなんかありゃしない。

 そうした日々が、現実に関する断片的な知識をきちんとつなぎ合わせたうえでの思考や判断力の成長を妨げるだろうし、時として荒唐無稽の観念の世界へと飛翔するのだ。

 それを防ぐための最良の手段は、読書である。古今東西の古典が、なかでも重要だ。ボクたちの思考や判断力を、古今東西の賢人たちと結ぶのだ。そこには、ボクたちの思考や判断力を育む無尽蔵の泉が湧いているはずだ。

 

選挙

2013-07-21 06:55:33 | 日記
 参議院議員選挙は、選挙の喧噪がない。選挙区が広いから、候補者の名を連呼する騒音がない。よいことだ。だいたいにして、ただ名前を叫ぶだけというつまらない選挙の形態がずっと続いている。これが日本の選挙だというわけだが、おそらくこの形態は変わらないだろうなと思う。

 しかしそういう選挙であっても、国民が政治の方向性を指示するという大切なしくみである。とにかく自分の考え方と似かよっている候補者に投票することが大切だ。投票者数が減ると、少数の組織政党だけが当選するということになってしまう。前回の衆議院議員選挙がそうだった。

 民主党政権以前、悪政を推進していた自民党、公明党が勝利するという、いったい国民はその悪政を忘れてしまったのかと思うような結果だった。

 そして今日の選挙。マスメディアは、これでもかこれでもかと与党の勝利を報じ、選挙民の投票活動の抑制にいそしんでいる。昨年12月の衆議院議員選挙と同じだ。それに抗して、選挙に行くことが大事である。

 今回の選挙の争点は、「ねじれ解消」という、これまたメディアが騒ぎたてていたことであるが、こんなものは争点ではあり得ない。「ねじれ解消」というのは、自公両党の悪政を推進しやすくするというもので、国民にはなんのメリットもない。

 では経済か。アベノミクスというものは、実際は砂上の楼閣であって、最近の物価上昇などにみられるように庶民の生活改善とはまったく結びついておらず、株を保有している富裕者の方々や、大企業だけがにんまりと笑うようになる政策である。メディアが、景気が回復しているかのように、たとえばデパートで高額商品が売れている情景を映し出し、あたかも金回りがよくなっているような「誤解」をつくりだしているが、それは一部の富裕者のみ。

 だいたいにして、日本の経済は国内消費がほとんどであって、輸出の占める割合は大きくない。経済を活性化するためには、国民のふところにカネが、まわるようにすることこそ政策の大道でなければならない。しかし富裕者の代弁者たる自公両党は、そういう政策はしない。円安にした(したわけではなく、世界経済の動向からそうなったのである)といって、輸出大企業は喜んでいるが、石油や天然ガスなどのエネルギーの大半を輸入に頼る日本では、エネルギーコストが高くなってよいことはない。円高の方が良いことは当然ではないか。

 この選挙の争点のひとつは、憲法改悪の問題である。自民党やそのバックにいるアメリカは、憲法9条をなくし、集団的自衛権の行使を正当化するために躍起である。日本の自衛隊の最高指揮官は首相ではあるが、米軍再編により日本の自衛隊は在日米軍とほぼ合体し、実際の指揮は米軍がとることになろう。そういう自衛隊が、海外で米軍とともに軍事活動を展開すれば、いうまでもなくその場所はおそらく西アジアであるが、平和憲法を持ち、西アジアで「悪事」をはたらいたことのない戦後日本への西アジア諸国民の信頼は、確実に地に墜ちていくことだろう。

 自国の利益のために、日本の進路を誤った方向に進ませようとするアメリカからの自立こそが、今後の日本がとるべき方向である。難しいことではあるが、それなしに日本の未来はないとまでいえよう。

 だからこそ、改憲を許してはならない。

 そしてもうひとつ、TPPである。アメリカの大企業に、日本の富を捧げるという世紀の愚策はストップさせなければならない。

 こういうことを考えながら、選挙に行って欲しいと思う。