参議院議員選挙の最終結果はまだ出ていないが、自民党の勝利はまず間違いないようだ。
その背景には、投票率が低かったことがあげられる。以下は、共同通信配信記事の一部である。
参院選、推計投票率51・57% 98年以降で最低か 2013年7月21日 23時27分
第23回参院選の投票率(選挙区)は共同通信社の21日午後9時現在の推計で51・57%となり、前回2010年参院選の57・92%を6・35ポイント下回った。1998年以降の5回の参院選と比較し、最も低い投票率となりそうだ。
消費税増税が争点となった前回参院選や、民主党が政権交代への足掛かりとした前々回と比べて明確な話題性を欠き、国民の関心が高まらなかったとみられる。
投票率が低いときには、組織的な基盤を持つ政党が有利である。したがって、自民、公明、共産の各党には有利な状況があったといえよう。
今回の選挙の特徴は、民主党の凋落である。これは昨年末の衆議院議員選挙でも明確に示されたことであるが、民主党政権は確実に多くの期待を背負って登場したが、期待とは裏腹に、菅、野田と首相が替わる度に自民党政権と瓜二つとなり、国民に民主党に対する大きな大きな失望をもたらした。その失望が、民主党の凋落となり、また投票率の低下となって現れたのだろう。おそらくもう民主党の再興はないだろうと思う。
また民主党議員の中には、自民党であってもおかしくない議員がたくさんいるから、彼らはいずれ自民党へと移っていくであろう。
さて、自民党・公明党の政権に明確にノンをつきつけたい国民は、共産党に投票したといえるだろう。東京、大阪、京都で共産党議員が誕生したことがそれを示している。
民主党などから分離した勢力は、衆議院議員選挙を前後しての無責任な離合集散により、いくつかの政党を結成したが、それぞれの政党のイメージをつくりあげることはできず、まったく注目されないままに終わった。参議院議員選挙を前にして大同団結でもすれば、新たな勢力となって国民の期待を一定は集められたであろうが、それぞれの政党はそうしなかった。これらの勢力も、結局は消えていくだろう。
さて社民党は、今回の選挙で埋没した。社民党の独自性がもう見えなくなっている。民主党と分離した人々によって結成された政党と同様に、注目されないままに終わった。社民党としての情報発信がなかった。この選挙結果をまつまでもなく、以前から、とくに細川内閣、自社による村山政権の頃からのダッチロールにより、また政党名の改称により、往年の社会党の活動実績が消えてしまったのである。
特筆さるべきことは、東京で山本太郎が、沖縄で糸数慶子が当選したことである。これは朗報である。東京5議席中、2議席が反自公である。東京都民は、今回の選挙ではいくぶん考える人が増えたのかもしれない。最近の東京都は、保守反動の拠点たる様相を呈していた。
沖縄は、辺野古移設問題など、政府の言うがままにはならないという意志を突きつけたのである。
ところで、この選挙で自民党はじめ、改憲勢力(公明、維新、みんな、民主)が増え、安倍政権はみずからの政策実現に力を得たことになる。壊憲、TPP参加、原発再稼働、教育の国家主義的改革など、悪政がさらに推進されることになる。
戦後民主主義の息吹のなかに生まれ、また戦後民主主義のために努力もしてきたボクとしては、この選挙結果は、きわめて残念としかいいようがない。こういう社会とするために生きてきたわけではないという思いが強い。
と同時に、やはり責任を痛感するのだ。人々と話していて、自民党にまかせておいても、あるいは日本国は国民にひどいことはしないだろうという「安心感」があることに気づく。もうそういう時代ではないのだが、それに気づいていない。
ボクたちは、もっと自らの考えを鮮明に打ちだしていかなければならないと思った。この選挙結果を踏まえて今後の日本国の行方を展望すると、悪い方向に進むことは明らかだ。
それがわかっていて、座視しているわけにはいかないのである。政治に目覚めた者は、責任がある。その責任を自覚すること、そして一歩を踏み出すのだ。その一歩は、今度こそ、確実に大池を踏み固めることのできるものでなければならない。自らを鮮明にすることによって、その一歩をはっきりと示していくのだ。
もうボクたちには、後はない。
その背景には、投票率が低かったことがあげられる。以下は、共同通信配信記事の一部である。
参院選、推計投票率51・57% 98年以降で最低か 2013年7月21日 23時27分
第23回参院選の投票率(選挙区)は共同通信社の21日午後9時現在の推計で51・57%となり、前回2010年参院選の57・92%を6・35ポイント下回った。1998年以降の5回の参院選と比較し、最も低い投票率となりそうだ。
消費税増税が争点となった前回参院選や、民主党が政権交代への足掛かりとした前々回と比べて明確な話題性を欠き、国民の関心が高まらなかったとみられる。
投票率が低いときには、組織的な基盤を持つ政党が有利である。したがって、自民、公明、共産の各党には有利な状況があったといえよう。
今回の選挙の特徴は、民主党の凋落である。これは昨年末の衆議院議員選挙でも明確に示されたことであるが、民主党政権は確実に多くの期待を背負って登場したが、期待とは裏腹に、菅、野田と首相が替わる度に自民党政権と瓜二つとなり、国民に民主党に対する大きな大きな失望をもたらした。その失望が、民主党の凋落となり、また投票率の低下となって現れたのだろう。おそらくもう民主党の再興はないだろうと思う。
また民主党議員の中には、自民党であってもおかしくない議員がたくさんいるから、彼らはいずれ自民党へと移っていくであろう。
さて、自民党・公明党の政権に明確にノンをつきつけたい国民は、共産党に投票したといえるだろう。東京、大阪、京都で共産党議員が誕生したことがそれを示している。
民主党などから分離した勢力は、衆議院議員選挙を前後しての無責任な離合集散により、いくつかの政党を結成したが、それぞれの政党のイメージをつくりあげることはできず、まったく注目されないままに終わった。参議院議員選挙を前にして大同団結でもすれば、新たな勢力となって国民の期待を一定は集められたであろうが、それぞれの政党はそうしなかった。これらの勢力も、結局は消えていくだろう。
さて社民党は、今回の選挙で埋没した。社民党の独自性がもう見えなくなっている。民主党と分離した人々によって結成された政党と同様に、注目されないままに終わった。社民党としての情報発信がなかった。この選挙結果をまつまでもなく、以前から、とくに細川内閣、自社による村山政権の頃からのダッチロールにより、また政党名の改称により、往年の社会党の活動実績が消えてしまったのである。
特筆さるべきことは、東京で山本太郎が、沖縄で糸数慶子が当選したことである。これは朗報である。東京5議席中、2議席が反自公である。東京都民は、今回の選挙ではいくぶん考える人が増えたのかもしれない。最近の東京都は、保守反動の拠点たる様相を呈していた。
沖縄は、辺野古移設問題など、政府の言うがままにはならないという意志を突きつけたのである。
ところで、この選挙で自民党はじめ、改憲勢力(公明、維新、みんな、民主)が増え、安倍政権はみずからの政策実現に力を得たことになる。壊憲、TPP参加、原発再稼働、教育の国家主義的改革など、悪政がさらに推進されることになる。
戦後民主主義の息吹のなかに生まれ、また戦後民主主義のために努力もしてきたボクとしては、この選挙結果は、きわめて残念としかいいようがない。こういう社会とするために生きてきたわけではないという思いが強い。
と同時に、やはり責任を痛感するのだ。人々と話していて、自民党にまかせておいても、あるいは日本国は国民にひどいことはしないだろうという「安心感」があることに気づく。もうそういう時代ではないのだが、それに気づいていない。
ボクたちは、もっと自らの考えを鮮明に打ちだしていかなければならないと思った。この選挙結果を踏まえて今後の日本国の行方を展望すると、悪い方向に進むことは明らかだ。
それがわかっていて、座視しているわけにはいかないのである。政治に目覚めた者は、責任がある。その責任を自覚すること、そして一歩を踏み出すのだ。その一歩は、今度こそ、確実に大池を踏み固めることのできるものでなければならない。自らを鮮明にすることによって、その一歩をはっきりと示していくのだ。
もうボクたちには、後はない。