今日Yさんの面接練習をしました。Yさんが障害児教育に携わりたいと考えたのは、一冊の本からだったそうです。その本には自閉症の子どもが書いた文章が載っていました。その中で私が驚いたのは、自閉症の子どもが見る世界と私たちが見る世界とが異なるのだという発見です。
地面と空とでは、どちらが私たちに近い?と問われたとき、君たちは何と答えますか?それよりこういう質問なんてしないよね。でも自閉症の子どもはするのです。
通常、地面と答えるよね。でもその子どもは空だというのです。空から光がふってきて、その光と遊ぶのだそうです。だからその子が画く空の絵には、光が飛んでいるのです。
この話を、私の友人であり、私にいろいろ教えてくれるT教授に話したところ、作家大江健三郎の子どももそういうことを言っていたのではなかったか・・と言っていました。確か大江光という人ですね。
http://oehikari.seesaa.net/article/116148891.html?1237880505
私は大江光の本を読んだことがありませんから、それはわかりません。
しかし障害を持って生まれた人には、私たちとは比べることができない、すばらしい才能(個性)があるようです。
私は、今日、Yさんから、私が知らなかった世界のことを教えてもらって、とても嬉しく思いました。
だから、面接官にも、私が感じた喜びを体験させてあげてください。そして合格してください。
Yさんは、自閉症の子どもの精神世界を、もっともっと知りたいそうです。そして私たちが見る世界と、自閉症の子どもが見る世界との架け橋になりたいと言っていました。すばらしい決意です。私も、その子どもたちの世界をもっと知りたくなりました。勉強した成果をぜひ教えてください。
知らなかったことを知るとき、人間は喜びを感じるのです。本来人間は、知的好奇心がとても強い動物なのです。子どもの頃、大人に「なんで?」「何で?」・・・・・と質問して困惑させたことはありませんか?
「なぜ空は青いの、おとうさん?」「なんでお月様は大きさが変わったり消えたりするの?」・・・・・大人はその子どもの成長に合わせて、時には嘘を教えたりすることがありますが、なぜ?なぜ?という疑問をもち、その解を求めていく探求心こそが人間を成長させていくのだと思います。
※知的好奇心については、波多野誼余夫ほか『知的好奇心』(中公新書)、『知力の発達』(岩波新書)など。発達心理学という分野だったかな。
大学では、諸君のもつ問題意識、なぜ?、どうして?という疑問を研ぎ澄まし、その解を求めるために勉強してほしいと思います。
私も諸君に負けないように勉強するつもりです。