浜菊会のブログ

半泣き老狼団。一道民が生き抜く為の記録。

近畿財務局の「国有財産有償貸付合意書」は胡散臭い

2018-04-02 21:09:18 | 政治
昨年の途中まではなかったはずなのだが、本日、久々に見たら、載ってたわ。

>http://kinki.mof.go.jp/content/000166370.pdf


全く気付いてなかった。
どうせインチキ臭い文書をいくら公開しようと、信頼に足るものではないわなw

とりあえず、契約書類が公開されてないって批判したのは、謝るわ。すまん。



で、問題の合意書の中身なんだが、妙な書式なのだよね。

p31に「国有財産有償貸付合意書」ってのがあるでしょう?
これの先頭は、「別紙様式第1号」とあり、(定期借地、用途指定、分割納付(新規用))となっているでしょう?


これは、適用された通達は社会福祉法人向けのものでは、ということですよ。

もとはといえば、佐川局長が昨年2月時点で答弁していた普通財産貸付の処理だと「通常3年」ということだが、貸付財産の買い受けまたは交換が確実と見込まれ、かつ、それまでの間、賃貸借を行うことが真にやむを得ないと財務局長等が認める場合、例外が許される、と。


すると、契約文書類はこちらが考えられよう。
>https://www.mof.go.jp/about_mof/act/kokuji_tsuutatsu/tsuutatsu/TU-20010330-1298-14.pdf

『普通財産の管理及び処分に係る標準契約書式及び同取扱要領について』


だが、近畿財務局が公表した合意書は別な形式なのですね。そこで探してみましたよ。すると、ありました。

こちら>https://www.mof.go.jp/about_mof/act/kokuji_tsuutatsu/tsuutatsu/TU-20110331-1539-14.pdf

「社会福祉施設等の整備を目的とした社会福祉法人等に対する定期借地権の設定について」


これが先の『別紙様式第1号(定期借地、用途指定、分割納付(新規用))』という書式に合致しているんですわ。

この通達適用の場合、社会福祉法人等の保育園とかでもいいし、学校法人でもいいってことなわけですね。で、当初の佐川答弁は、この適用でもって定期借地権の契約がされたと言っていたのだろうと推測される。足立議員への答弁での「学校法人と社会福祉法人」のごく少ない適用例を答えたのも、そういう意味合いだったろう、と。


だが、森友学園との合意書は、標準合意書式とは全くかけ離れたものとなっており、事業用定期借地権設定の為の有償貸付合意書とも全く違う内容なのだ。売却困難等の標準書式を利用できるはずが、それをしていないのである。

>https://www.mof.go.jp/about_mof/act/kokuji_tsuutatsu/tsuutatsu/TU-20120302-0833-14.pdf

「売却困難財産等に関する事業用定期借地権の設定について」


森友学園との合意書には、やたらと細かく土壌汚染と地下埋設物の条項があり、恐らく狙いがここだったのだろう、とは思うわな。だが、適用通達の妥当性はどうなのか、という疑問は残る。
『新成長戦略に盛り込まれている保育所、介護施設、障害者福祉施設等の整備』の為の書式であるので、私立小学校というのが「施設等」ってのに含まれるという拡大解釈は、どうなのよ、と。

少なくとも、事業用定期借地権用の標準書式はあるわけだし、地下埋設物や土壌汚染についての特約例もあるわけだから、何故このような別の書式を選択したのかは、よく分からない。最初の建て付けとして、「財務局長等がやむを得ないと認める場合」の条件を使おうとしていたから、としか思えないわけよ。


で、要するに、近畿財務局が公表している合意書ってのは、胡散臭いってことなんだわ。だって、最初は「売却金額さえ公表できない」って頑として明かさなかったような連中が、妙に文書の公表をし出すとなれば、財務省が小出しにしてきた「設置趣意書」だの改竄文書の公表と似たようなもので、都合よく作り出されたものではないのかな、と思うわけですよ。


貸付対象施設として2つ規定されてるが、どっちもハズレてるとしか思えないわけだが。
なのに、何故この標準合意書式を選んだのかすら、意図が不明だわな。本当に理財局長の承認を得て作成したのに、このレベルの出来ってことなんですかね?w


謎すぎるw



佐川宣寿元理財局長の犯したミス

2018-04-02 16:11:10 | 政治
嘘つきというのは、事後的にコロコロと説明を変えてくるんだよ。東電の福島原発事故を見たろ?あれもそうだったんですぜ?


森友事件は、日本の病気を示しているって言ったろ?そういう奴らなんですよ、基本的に。政治権力の上の階層に巣食う連中というのは。嘘と捏造と誤魔化しと言い逃れに終始するような、極めて危険な連中しかいない、ということだ。


佐川答弁、財務省の改竄前後の公開文書、それらから見えてきたことは、政府と官僚機構のやった「壮大な嘘」大作戦ということだな。会計検査院をも騙すという極めて卑劣な手口なのだよ。11月の検査院報告の後になってから、小出しに文書開示とかいうインチキ手法を使って、「朝日新聞は小学校名の裏取りをせずにデマを報道した」とか、事後的に偽情報でレッテルを張って、事実の塗り替えをする手口、これはアベ政治の得意技だ。
そんなことを国会で言う総理がいる国だからな。恥ずかしい。日本国民の恥だろ。


国家の大事と比べて、はるかに小さな籠池の土地如きに、何故そこまでの嘘を並べる必要があったのか?
何を守ろうとしていたのか?
そんなことは、誰もが知っている。あまりにバカバカしい話だ。


さて、佐川のミスについて書く。
数日前にもツイートで言ったことの続きだ。

3/28日>https://blog.goo.ne.jp/hamagikukai/e/e57b84c4d0dc01877fb3bc5842e5cdde

疑惑追及が始まった2/9日の報道以降、当時(昨年2/23)においてでさえ財務省、理財局、近畿財務局、佐川局長といった連中の認識は、恐らく「間違っていた」はずなのだよ。

佐川が維新の足立議員への答弁で並べたのが、彼らの認識を示していたんだからな。「配布資料5」を見ることはオレにはできないが、多分「普通財産貸付事務処理要領」の項目を読み上げていただろう、ということなんだよ。

だって、文言が一致しとるから。官僚答弁ってのは、こういう時に役に立つわけよ。忌々しい維新の足立議員の絶妙アシストのお陰だわ。民進や共産党の連中にガツンと言ってやってくれ、的に、アベ応援と理財局に「好都合なこと」をしゃべらせてくれて、マジ大サンキューで~すw
お前らのような連中が自ら墓穴を掘ってくれたお陰だわw


話を戻そう。
当初佐川は、普通財産貸付事務処理要領の適用文言だけは言っていたが、特例承認の話をしてなかったでしょう?

そこなんですよ。佐川の答弁において、「特例処理」の話をしたのは、ずっと後なのさ。オレのツイートやブログ記事の約1ヶ月後なんだよ。


一番初めが、コレ。

17/4/28 衆院財金委

○宮本(徹)委員 もう一点、お伺いしたいと思います。
 音声データを聞いていますと、特例という言葉が何度も出てまいります。財務省の側からの発言でも、この件の経緯がね、貸し付けするってことが特例だったものでと言っているんですよね。籠池氏の側も、特例にしていただいたことは非常にありがたいことというふうに応じております。
 確認しますけれども、森友学園への土地の貸し付けというのは、財務省としては特例だったという認識でよろしいんですね。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 その音声記録についてのコメントは差し控えさせていただきますが、今おっしゃった特例処理のお話でございますが、説明をさせていただきます。
 私ども、個別の普通財産の管理、処分につきましては、当然、国有財産法等に基づきまして、各財務局に分掌されているわけでございます。それで、各財務局におきましては、国有財産関連の法令あるいは通達に基づきまして、事案に応じて、もちろん適切に財産の管理、処分を行っているわけですが、案件によりましては、その法令、通達の適用に関しまして、各財務局から、私ども本省も相談を受けます、それは当然だと思いますが。
 そういう中で、個別の事案、事情に応じましては、本省の承認を得て処理します特例処理という規定が通達上に定められてございます。したがって、その事案に応じて、通達に基づきまして、各財務局から本省に特例処理の承認申請を行って、その承認を得た上で処理を行っているということもございます。
 それで、今御指摘の本件でございますが、本件は、通達上、貸付期間というのは通例三年以内というふうになってございますが、ただ、これは、通例の貸し付けでございますと、借地借家法上、借り主は貸し付けを継続するというのは可能でございます。したがいまして、貸付期間が延びていく可能性があるわけでございますので、私ども、この森友学園に対しましては、貸付期間中に確実に買い受けをしてもらおう、こう思ってございまして、そういう意味では、期間満了後に更地返還が必要になります事業用の定期借地とするのが適当だと考えてございました。
 それで、借地借家法上、定期借地というのは、これは最短期間十年でございますので、そういう意味では、通達上、通例三年となっております貸付期間を、必ず十年後には更地で返してもらうという定期借地にするためには、通達上、特例処理という項目に沿って本省の承認が必要になりますので、本件の土地の処分につきましては、十年間の定期借地の契約とするということを、私ども本省において承認をしたというのを特例というふうに表現しているということでございます。



次がコレ。

5/8 衆院予算委

佐川政府参考人 

お答え申し上げます。
 今委員御指摘の特例処理のお話でございますが、これは通達にございまして、普通財産の処理要領の中で、個別の事情に応じて本省の承認を得てする特例処理という規定がございます。
 本件は、通達上、貸付期間は三年以内とされておりますが、借地借家法上、通常の貸付契約でございますと借り主は貸し付けを継続することが可能でありまして、貸付期間が延びる可能性がございます。
 一方で、森友に対しては、貸付期間中に確実に買い受けをしてもらうことが必要と考えてございまして、期間満了後、更地返還義務が出てまいります事業用の定期借地とすることが適当と判断しておりまして、私ども、借地借家法上、定期借地は最短期間十年と定められていることから、通達上三年の貸付期間を十年の定期借地契約とするために、通達に基づいて特例処理の本省の承認が必要であって、そこについて処理をしたところでございます。
 それで、通達で承認が上がってきますが、理財局の担当課室において内容を確認の上、事案の内容に応じて理財局の幹部まで説明を行って決裁をすることでございます。
 それから、今最後の委員の御指摘の、その決裁文書の提出でございますが、森友に対する国有地の処分に関しましては、今委員の御要求も含めまして大変多くの資料の要求がなされてございまして、行政文書の提出に当たりましては、不開示情報の確認等の作業が一定時間必要でございますので、そういう意味での一定時間必要になることには御理解いただきたいというふうに思います。



参院答弁では、5月23日が最初だった。
佐川や財務省官僚諸君は、当初は気付いていなかったんだろう、ということさ。相手方は破産寸前で、認可も取下げ後なんだから、情報開示の困難性ってのは、そうあったわけではないのに、開示するまで1年くらいやったってことだろ?w


因みに、オレが書いたのは、これだぜ?

17年3月29日>https://blog.goo.ne.jp/hamagikukai/e/7c239466d2f924c81ed98ce3ad32b206

(再掲)

やはり、「理財局長の承認」というのが要点となり、森友学園の処理に関して理財局長が関与しないと、有益費約1.3億円の支出は不可能であったと考えざるを得ない。
国の歳入に関する書類のはずで、定期借地権契約書の原本は必ず保管されているはずである。これを公開しなければ、疑惑は解消されないだろう。売買契約書についても同様である。


財務省は、予算決算の書類を、保管してない、とは言えないでしょう?郵便局の振込用紙に血道を上げる前に、まず、財務省の書類をきちんと出させろよw
過去の例や通達と異なる契約関係とするには、その事由を記載し理財局長の決裁を受ける必要があるので、森友学園にのみ適用された条項や契約関係の特約を決定した理財局長の決裁書類は、保存義務があるでしょう?



きっと近畿財務局には、そうした文書はなかったろうし、理財局長の決裁書類もなかったんだろ?w

これに気付かせてくれたのは、やはり2月の福島伸享議員の質疑だった。
記事を書いている時、再度読み返してみたんですが、佐川答弁がおかしいわけですよ。

>https://blog.goo.ne.jp/hamagikukai/e/1eeee79ec318d59185d283d12dfc66c0

鑑定評価書が、15年1月のものが10年の事業用定期借地権、同4月27日のものが一般定期借地権で50年と条件を変更しているのはおかしいぞ、変だぞと追及していたでしょう?
財務省が昨年2/23に出した文書ってことですよ?福島議員はこれを読んで追及したわけですが、その後に財務省がこの文書を公開してはいないんじゃないですか?

だって、当時のまんまの書類だと、不備であり、間違っていた、つまり通達・通知に反する事務だったから、では?

50年の一般定期借地権に条件変更したことにより、賃借料が年額600万円減額されたのはおかしい、って福島議員は言ったわけよ。その通りなんですよ。算定方法がおかしい上に、前日の佐川答弁は「普通財産貸付事務処理要領」を読み上げたわけで。


なので、当時の理財局・理財局長はあくまで普通財産貸付だと主張していたんだということです。それも50年の一般定期借地権で定められた賃借料が正しいんだ、と。


ところが、後日になると言い方を変更してきたわけ。
上述の4/28答弁のように、10年の定期借地権(売買特約付き)って変えてきたんですよ。特例処理であって、理財局長の決裁を受けた事案だったのだ、と言うようになったということです。


どうして最初から、特例処理をしました、理財局長の決裁を受けた事案だったと国会答弁で説明してこなかったのか?
それは、理財局長の決裁書類なんか、財務省に保存されていなかったから、ではありませんか?w
いくら近畿財務局で書類を破棄した、データも全部消去してシステム丸ごと全部消滅させたのでデータさえ残ってない、って言ったとしても、本省の決裁文書は理財局に残るはずでしょう?昨年2月には、まだシステム入れ替えをしてないぜ?w


なので、昨年2月の佐川答弁時、理財局には「理財局長の特例承認」の決裁文書は存在してなかったはず、ということさ。あったら佐川が自分で読めるし、根拠として提出できるし、佐川自身が特例処理したと答弁するはずだもの。つまり、財務省がこれを知ったのは、ずっと後だったんだろ?wマヌケ過ぎるんじゃね?


更に矛盾があるんですよ。
それはね、佐川局長が(恐らく)得意気に答弁してたって言ったろ?事務処理要綱を。そこなんですよ。彼は言いたくて仕方のなかった文言だったはずなのさ。それがヒントになりました、ってこと。


この要綱には、次の規定がある。

3 定期借地権等の除外

本通達における貸付けには、借地借家法(平成 3 年法律第 90 号)第 22 条(定期借地権)、第 23 条(事業用定期借地権)又は第 24 条(建物譲渡特約付借地権)の規定による貸付けを含まない。これらの貸付けについては、別途定めるところにより取り扱うものとする。



はい、本件貸付はどういう性質ものだったのか?というと、10年の事業用定期借地権の賃貸借契約であり、特約として「売払い条項」があるというものでしたね?
原則として、売買は申し出があればいつでも可で、10年以内の時価売買、当初見込みは8年くらい先ということだったでしょう?


その場合、先の「定期借地権等の除外」って条項が意味を持ってくるわけですよ。佐川が得意になって維新の足立議員との「コラボ質疑」でもって読み上げた事務処理要綱は適用できない=本通達とは別途定める(別の通知通達)手続でやれ、と書いてあるわけです。

つまり佐川局長は、適用できもしない通達の要綱を答弁してしまった、ということさ。本来なら別の通達に従い手続きを準用すべきところ、それを知らなかった、ということなんだよ。


で、それを知ったのが、オレの記事やツイートを見た後以降、ではないのかな?w
決裁文書改竄は、4月以降だったんじゃないの?w
国会答弁でも「特例処理」の意味が、理財局長の承認が必要な決裁であるということを説明するに至ったのも、4月末ですぜ?


これは特例承認の決裁がないと手続きできない事案だったので、「事後的に決裁文書を作成」したとしても、遡及できないでしょう?
日付とか含め、ありもしない文書を捏造したことになるんでしょ?それって犯罪でしょう?


どうして、こんなことが起こったと思いますか?
それは、アベ政治の本質を示しているんですよ。法を無視する、という点だ。法やルールを軽視するという姿勢、それが政治家だけでなく、官僚たちにも蔓延している、ということなんだよ。だから、手続きの正当性や法の規定を無視して、「兎に角やっちまえばいい」「間違っていても、どうせ誰にも分かるはずない」「よもやバレたとしても、誰も罰することなんでできない」という、慢心と驕りがあるからだろうよ。


法を曲げる、無視する、手続を守らない、ルール無用で強引にやる、そういう傾向が全て出ている、ってわけですよ。
だって、まともな官僚諸君が揃っているなら、途中で「あれ、それ違うんじゃないの?」とか、誰かは言うでしょ?
けど、法を軽視する連中ばかりがデカイ面をするようになると、法を遵守しようということが後回しにされるわけよ。


戦争法案の時のように、内閣法制局への仕打ちを思えば(いや、見たわけじゃないから、憶測なんだけどさ)、法的検討とか内部規律の検討といったことが蔑ろにされてるだろうなとは思うわ。
そうした風潮は、本来なら優秀だったであろう官僚たちが「嫌気がさして退出する」ようになり、退職者続出となったのかもしれんし。「法的に違うよ」と言うことさえ憚られるようになるだろうから。

で、カスみたいなのばかりが重用されるようになると、上の方が揃ってバカなので、間違ったまんま突き進むってことなんだろうねw


それにしても、国会質疑は時間の無駄だの、野党質問に意味はないだの、国会は単なるショーに過ぎないと安易に考える愚か者どもがいて、本当に困るわな。何を読み取るか、どう見るか、というのは、人それぞれだと思うが、バカには確かに何らの意味もなく、「アベさん頑張れ」「アベは正しい」「佐川は鉄壁の防御」とかしか見えないんだろうねw


ま、佐川は当初の説明から翻したことはほぼ間違いなく、当初は財務省の答弁内容が勘違いだったはずってことさ。
これを「臭いものには蓋」で、どうせ情報を握ってるのは政権側だし、財務省が証拠を出さない限りはバレるわけない、ってことで、事後的に辻褄合わせの「インチキ文書」「偽文書」をせっせと作り上げていったんじゃないのか?w


でもって、今もその綻びは残ったままであり、改竄文書のビフォーアフターさえもが「やっぱり捏造」って類なんじゃないですかね。

もうね、本当はこうだった、ってのを、思い切って白状した方が簡単じゃないですか?

現状でも、権威崩壊は著しく、嘘が嘘で塗り固められている、というのを、大多数の国民は知ってしまったでしょう?
これ以上、何を守るものがあるというのだね?



※普通財産貸付事務処理要領を「要綱」と書いてしまっていた部分を訂正しました。




鴻池案件を知らなかったアベ官邸と佐川理財局長

2018-04-02 03:35:14 | 政治
森友学園の国会質疑で、アベ答弁のポイントがいくつかあった。
それは、2月17日の衆院予算委の啖呵の時、その少し後の「鴻池案件」の発覚の発端となった、共産党小池晃参議員の答弁だった。詭弁とはぐらかし答弁では、官僚の中の官僚答弁が得意だった佐川でさえ、答弁できないものだったわけだ。

アベは当然ながら、事前情報を知らなかったので、国会では素の状態で答弁せざるを得なかったのだろう。そこまで追い込んだ共産党小池議員の功績は大だったろう。それでは振り返ってみよう。


29年3月1日 参院予算委

>http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/193/0014/19303010014004a.html



○小池晃君 

学校法人森友学園への国有地売却問題について聞きます。
 総理は、二月十七日の衆議院予算委員会で、私も妻も、この認可にもあるいは国有地払下げにも関係ない、私や妻が関係していたとすれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員も辞めると述べました。総理がそこまで言われたことにこの問題の深刻さが表れているんだと思います。
 そこで、事実を確認したい。
 森友学園の籠池泰典理事長はNHKのインタビューで、土地取引について便宜を図ってもらったということは全くない、政治家による関与、便宜は一切なかったと述べました。そして、総理も衆議院で、今回の国有地処分について与党議員から働きかけはなかったのかという質問に対して、一切なかったと答えています。本当になかったんですか。なぜ断言できるんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 

まず、私自身のことについては断言させていただいたとおりであります。このことがそれだからこそ深刻だということではなくて、まるで私が関わっていたような質問をするから、そういうイメージ操作にしてですね、全くそれは違うんだということをはっきりと申し上げたわけでございます。
 あと、ほかの議員につきましては私はそう聞いていると、このように申し上げたわけでありまして、それは理財局から聞いていると、こういうことでございます。

○小池晃君 理財局から聞いたんでしょう。面談記録は破棄しているんでしょう。何が根拠なんですか、じゃ。

○政府参考人(佐川宣寿君) 

お答え申し上げます。
 本件のその土地処分につきまして、そういう不当な働きかけというものは一切ございませんでした。その理由ということでございますれば、平成二十四年の閣僚懇談会で申し合わせました政・官の在り方においては、国会議員との接触のうち、個別の行政執行に関する要請、働きかけであって、政府の方針と著しく異なる等のため、施策の推進における公平、中立性が確保されないおそれがあり、対応が極めて困難なものにつきましては、大臣等に報告をした上で記録を保存することになってございます。
 ただ、本件につきましては、そういう不当な働きかけは一切なかったことでございまして、そうした記録は保存されていないということでございます。

○小池晃君 不当かどうか聞いていません。働きかけは、じゃ、あったんですね。

○政府参考人(佐川宣寿君)

 お答え申し上げます。一般的に申し上げますと、国有財産の管理、処分ということにつきましては、個々の国有財産の管理状況あるいは購入する場合の手続あるいは入札時期、その方法など、様々な外部からの問合せがございます。そういう意味では、こうした問合せがあった場合には現場において丁寧にそうしたルールについて御説明をさせていただいているということでございます。

○小池晃君 今のは、あったということですよ。様々な働きかけがあったということですよ。総理はなかったと言うけど、あったということじゃないですか、今の答弁だったら。総理の答弁は間違っていますよ。何の根拠もなく、なかったと言うのはおかしいじゃないですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 

そんなどんどん指ささないでください。
 今、私は誠実に答えているわけでありまして、私と家内については私が一番よく知っていますから……(発言する者あり)あっ、そんなことではないんですね。ほかの政治家ということであれば、これは私は確かめるのは理財局長に聞くしかないじゃないですか。理財局長に聞いたら、理財局長は言わば不当な働きかけはなかったというふうに答えているわけでありますから、これは理財局長がそして答えたとおりであります。

=========


佐川理財局長は「記録は破棄した」の一転張り。
もし、鴻池議員だの平沼議員だのの「関与」の可能性があることを知っていたのであれば、アベ総理は関係ない、他の議員の接触があったと答弁すればよかっただけなのだ。しかし、佐川は一切の関与を否定したわけだ。佐川は「知らなかった」としか思えないわけだよ。もしも改竄前文書を一度でも読んだことがあるなら、「鴻池案件」とやらの事前情報は認識できたはずだから。アベを守ろうとするなら、それら議員秘書の云々は公表しても困るわけではなかったでしょう?
アベは理財局長が答えた通り、という、これまでと同じ依存姿勢を貫くw


続き。


○小池晃君 

理財局長は破棄しちゃったんですから、何の根拠もないんですよ。
 私どもは、ある自民党国会議員事務所の面談記録を入手いたしました。そこでは、森友学園側と近畿財務局や大阪航空局とのやり取りが克明に記録をされております。記録は二〇一三年八月五日から始まります。その一部、紹介します。
 八月五日、籠池泰典氏が来訪。塚本幼稚園が小学校設立希望の件。豊中市の国有地借地を希望。近畿財務局より、学校の場合は購入のみと回答あり。ついては、八年間は借地にてその後購入とできないか。これが籠池側の要望であります。
 その後、八月二十一日、二十七日、三十日、九月九日と籠池氏からの報告が続いて、九月十三日、籠池氏から相談あり。九月十二日、大阪府庁に近畿財務局の国有財産管理官が来て、小学校設立認可のお墨付きが必要と。大阪府は、土地貸借の決定が必要と。鶏と卵の話、何とかしてや。どこが教育者かという書き込みがされています。そして、その日の午後、近畿財務局からの回答。ある意味、鶏、卵の話ですが、前向きにやっていきますからと。これ、かなり生々しい話ですよ。
 十月十二日には籠池理事長夫妻が来訪しています。小学校用地の件。近畿財務局と大阪航空局職員数名とともに現地視察。その際、事務方の判断できることではないというニュアンスを感じたので、上から政治力で早く結論が得られるようにお願いしたい、土地価格の評価額を低くしてもらいたい。
 十月二十四日には籠池理事長が、大阪府への小学校設立申請書類に月額賃料を月百万円とする、これは希望額で、低く見積もっておけばそこをベースに賃料交渉ができると思っていると書いてあります。
 その後、何度も籠池氏や近畿財務局、国交省大阪航空局からの報告が続いて、二〇一四年一月三十一日には籠池氏が来訪してこう言います。小学校用地の件。近畿財務局と前向きに交渉中。賃料及び購入額で予算オーバー。賃料年間三千五百万円を二千五百万円に、売却予定額十五億を七から八億円にが希望。
 二〇一五年の一月九日の記録では、籠池理事長からの報告で、国有財産貸借の件。本日、財務省担当者より、土地評価額十億、十年間の定期借地として賃料年四%、約四千万円の提示あり。高過ぎる、二から二・三%を想定。何とか働きかけしてほしい。
 財務省に聞きます。二〇一五年一月九日、近畿財務局管財課の統括官が籠池理事長に会って、土地評価額十億円、十年間の定期借地で賃料年四%、籠池氏に提示したのは事実ですか。


○政府参考人(佐川宣寿君) 

お答え申し上げます。
 今委員がお読みになった資料については承知してございません。ただ、森友学園と近畿財務局との関係について、どういう接触状況があったかというお問合せが委員からございましたので、そこはお答えさせていただきます。
 本件財産につきましては、平成二十五年の六月三日に我々、公用、公共用の取得要望の受付を開始してございます。それ以降、二十七年には国有財産地方審議会での議論、二十七年五月、有償貸付契約の締結、その後に森友学園による埋設物撤去工事等の実施、新たな埋設物の発見、売買契約というふうにずっと経緯がございますので、そういう意味ではその間、近畿財務局と森友学園との間では、これはもう様々なその時々でのやり取りはあったものというふうに考えてございます。
 ただ、いずれにしましても、先日から申し上げてございますが、二十八年六月の売買契約の締結をもちまして事案は終了しているところでございますので、そうしたその詳細な面会の記録等につきましては残っていないということでございます。(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) 佐川理財局長。

○政府参考人(佐川宣寿君) 

お答え申し上げます。今御答弁申し上げましたとおりでございまして、取得要望の受付から売買契約の締結まで様々な場面で森友学園と近畿財務局においては様々な打合せをしているということでございまして、その意味では様々なその場面場面でのやり取りはあったと思います。
 ただ、今委員が御紹介になりましたようなものにつきましては記録も残っておりませんし、ここで私どもがそれについて何か言うということはできないことでございます。

○小池晃君 

これ、結果じゃないんですよ、プロセスが大事なんですよ。このプロセスの中で……(発言する者あり)笑い事じゃないでしょう、菅官房長官、笑い事じゃありませんよ、これ。国民の財産ですよ。それがどう処理されたのかは重大な問題じゃありませんか。
 しかも、この時期は一般的には重要な時期なんです、これは。これは、森友学園が小学校開設申請したのはその直前の十月なんです。十二月十八日の大阪府私立学校審議会で疑問の声が出されたわけですよ。で、継続審議になったわけですよ。保留になったんですよ。ところが、翌年一月二十七日の臨時私学審で条件付の認可適当になったわけですよ。その一月九日に財務省が森友学園側と会って条件提示して交渉していたとすれば、これはこの認可にも重大な影響を与えた可能性もあるわけですよ。決定的な話なんですよ。だから、様々あったというようなことじゃ駄目なんですよ。一月九日のこの面談、あったのかということをちゃんと調べてください、じゃ。調べてください。

○政府参考人(佐川宣寿君) 

先ほどから御答弁申し上げておりますが、二十五年の九月に先方、公的取得要望が出ております。したがいまして、私ども、そういう公的取得要望が学校法人から出ていることを近畿財務局のホームページに公開して、そういう上で先方と様々な場面で、貸付契約等も含めて、工事の場面も含めていろんな協議をしているわけでございまして、今委員がおっしゃいましたその一点についてあるかないかと言われましても、そうした面会の記録については残っておらないというところでございます。

○小池晃君 

残っていないのがおかしいんですけど。担当者の名前、後で私言いますから。あした私質問しますので、あした回答してください、じゃ、それがあったのかどうか。担当者に聞けば分かるはずですから。
 一月九日に二千万円から二千三百万円という賃貸料を籠池氏は要望しているわけですよ。実際に五月二十九日の契約では貸付料年額二千七百三十万円になったんですよ。結果として籠池さんの要望に沿う金額になっているわけですね。非常に重要な経過だと私は思いますよ、これ。
 更に事態はその後進展します。
 翌年、二〇一六年の三月にくい打ちの工事で地下埋設物が発見されるわけです。で、森友側から近畿財務局に連絡が入って、現地調査を近畿財務局と大阪航空局やっている。その日に籠池理事長がこの事務所に相談に来ています。記録ではこう書いてある。小学校用地の件、近畿財務局の対応に不満、三月十五日に本省に行くアポをお願いしたい。そして、この議員事務所はお断りしますと答えています。
 昨日のこの委員会で、理財局長は、昨年三月の半ばに財務省の担当者が森友学園の理事長と面会したことは事実だと答弁されましたね。三月十五日に審理室長に会ったということですね。

○政府参考人(佐川宣寿君) 
その三月半ばの話は昨日御答弁いたしましたが、近畿財務局、財務省と先方の間では今言ったようにずっと様々な場面で協議をしておりまして、先方から面会の要望がありまして、理財局のその担当の室長が籠池さんに、三月の半ば頃だったと思いますが、お会いしたということでございます。

○小池晃君 三月十五日ですね。

○政府参考人(佐川宣寿君) 三月の十一日に新たな埋設物が発見されておりまして、そういう意味ではそれを踏まえてお見えになったということでございましたので、昨日から昨年三月の半ば頃という記憶だと申し上げております。

○小池晃君 この理財局の担当官、室長が会ったというのは大事だと思うんですね。これ、一体どういうことを籠池氏はそのとき依頼したんですか。財務省としてはそのときどう対応したんですか。

○政府参考人(佐川宣寿君) 

お答え申し上げます。
 今申しましたように、三月の十一日に建設工事中に新たな埋設物が発見されたということで、先方、一年後の学校開校で大変急いでいる状況でございましたので、先方からは新たな地下埋設物が発見されたのでなるべく早く対応していただきたいというような要望が出されて、当方からは、そうした新たな埋設物が発見されたことを踏まえまして、それは法令等に従って対応しますので、引き続き現地で近畿財務局あるいは大阪航空局と連携して対応したいというふうに応じたというふうに聞いております。

○小池晃君 

本省も関わって議論しているわけですよ。今の中身で私、納得できないです。
 この結果、何がどうなったか。不動産鑑定士が九億五千六百万円と評価した土地が、これ賃貸から売却に突然切り替わって、ごみの撤去費用として八億一千九百万円が値引きされて一億三千四百万円で売却される。異例の十年分割となったわけですね。籠池さんが三月十五日に、地下埋設物が見付かった直後に直接財務省を訪問しているわけです。それで、結果としては籠池氏の要望どおりになっているわけですよ。
 だから、これ、そのことをめぐってどういうやり取りがあったのか、麻生大臣、財務省としてこれ明らかにする責任があるんじゃないですか。いかがですか。財務大臣、答えてくださいよ。

○政府参考人(佐川宣寿君) 先ほどから御答弁しているとおりでございまして、決まりました売買契約書等は全て保存してございますが、途中経過の面会のやり取り等についてはそこは残っていないということでございます。

○小池晃君 大臣、これ適正な処理なんですか。

○国務大臣(麻生太郎君) 今、佐川の方から申し上げたとおりでして、適正に執行されていると思っております。

○小池晃君 これがどこが適正なんですか。財政法九条、読んでください。通告してありますよ。

○政府参考人(佐川宣寿君) 財政法の九条でございます。
 国の財産は、法律に基づく場合を除くほか、これを交換しその他の支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならないというのが九条でございます。

○小池晃君 今出たとおりですよ。
 麻生大臣、これは適正な対価なんですか。そういう適正な対価なんですか、このやり方が。
 あなたの財産じゃないんですよ。国民の財産なんですよ。みんな汗水流して税金払っているんですよ。笑っている場合じゃないでしょう、笑っている場合じゃないですよ。どれだけの思いをしてみんな税金払っていると思っているんですか。社会保障がどんどん切り捨てられてどれだけの人が苦しんでいると思っているんですか。億単位でこんなでたらめな、国民の財産を扱うようなことをやって許されると思っているんですか。これが適正だと、大臣、言うんですか。

○国務大臣(麻生太郎君) 先ほども申し上げましたように、国有財産についてはいずれの場合においても適正な価格により処分を行うことが定められており、適正な価格とは時価ということだと思っております。
 この土地につきましても、学校の建設が進んで開校予定時期も近づいている中発見された地下埋設物に対応するため、近畿財務局と大阪航空局とが協力して、法令に基づき、適正な手続、価格によって処分されたものと、私どもはそう考えております。

========


佐川局長は森友と近畿財務局との接触のことは言うが、他の「議員先生」の話をすることはなかったわけだ。アベを守るなら、鴻池案件を認めていても不思議ではなかったのでは?しかし、アベ官邸も、佐川も、当時には知らなかったんじゃないのかな?

次を。


○小池晃君 

もう今の答弁は国民は絶対納得しないと私は思いますよ。
 だって、当初、貸借の契約の段階でも最初の言い値の半分になっているわけですよ。そして、売却に切り替わった途端に八億円の値引き、異例の十年の分割払。月百万円を下回る負担だというのが当初の森友側の希望としてさっき私述べました。そのとおりになっているんですよ、結果として。森友側のシナリオどおりじゃないですか。しかも、いずれもこの記録に出てきました。事務方が判断できる問題じゃないんですよ、これは、こんな超法規的なやり方は。必ず何らかの大きな力が働いているんですよ、これは。そうでなきゃこんなことできない。
 私が入手した議員事務所の記録では、途中で籠池氏側との接触は終わっているようであります。(発言する者あり)誰だというなら調べたらいいじゃないですか。役所が調べれば分かりますよ。役所が調べればすぐ分かりますよ。土地から地下埋設物が見付かって、八億円ダンピングする過程、これは、誰かほかの政治家にこれは関与を依頼したと私は思いますよ、この経過からすれば。知っているんだから言った方がいいですよ、本当に。
 総理、総理、総理、売却に至る前の段階から不可解な交渉が続いているわけです。これは私は、賃貸の契約を結ぶ交渉の段階から全経過、そして政治家の関与について全容を明らかにしてください。自民党の、私、議員の事務所の資料を入手して言ったんです。自民党は調べたら分かるじゃないですか。そのために責任を果たしてくださいよ。総理として責任を果たしていただきたい。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 

まず、今読まれた文書はどういう文書かということも分からないですよね。本当のことかどうかと分からないものを、それを立証をする責任はそちらにあるんですよ。
 そこでですね、そこで、そこでですね、そこで、事務所の、国会議員の事務所、国会議員の事務所って、何かまるで私の事務所であるかのごときの印象を与えていますよ。印象を与えていますが、印象を与えていますがね……(発言する者あり)

印象を与えていますが、この事務所が、そういう事務所が、そういう事務所がどこの事務所かということについては、言われたのは小池さんが言われたんですよね、我々はそれは知らないんですから。今、小池さんが、その事務所はどこだということを言われたらいいじゃないですか。
 言われて初めて、初めてですね、ないものはですね、ないものをですね、ないものを証明するのは言わば悪魔の証明と言われているわけですよ。つまり、それがあるんだと言われて、あるんだということを主張しているんですから、あるんだという主張をしていてですね、その事務所の名前も出さずにですよ、これは、この、調べようがないじゃないですか。
 それと、それと、私が答弁しているのはですね、不当な、不当な働きかけはなかったと局長から聞いているわけでありますから、そう答えているわけであります。(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。


○政府参考人(佐川宣寿君) 

お答え申し上げます。
 先ほどから委員がお読みになっている文章は、どういう文章で、誰が書いて、何が書いてあるのか、私ども全く承知してございません。その文章をお読みになって、その先方の要望どおりとかなんとかおっしゃっておりますが、私どもは貸付けのときの賃料を決めるときも売却のときの不動産価格を決めるときも、全て不動産価格、鑑定士にお願いをして、そこできちんとした価格を決めているわけでございますので、そういう意味では、きちんとした正式な価格、時価で売却なり貸付けなりの契約をしているということでございます。

○小池晃君 

資料を破棄しているのはそっちでしょうが。我々は独自に入手したわけですよ。何でその出どころを言わなきゃいけないんですか。そんなのを明らかにすると言われたら、国会での質問なんかできませんよ。それが違うというのであれば、違うということを証明するのは役所の責任ですよ、あなた方の責任ですよ。

○政府参考人(佐川宣寿君)
 
お答え申し上げます。先ほどから申しておりますように、我々きちんと文書管理規則に基づきまして、保存するものは保存する、一年未満のもので必要のないものについては事案終了とともに廃棄しているということでルールに基づいてやっておりますが、いずれにしましても、委員がおっしゃられている資料、それ何のことか全く承知しておりませんので、それについて私どもがコメントするというのはなかなか困難であろうというふうに思います。

○小池晃君 あのね、財務省は知っているはずなんです、これ全部ね、経過を。だから、それを、資料を破棄したといってこれ答えないわけです。これ、許し難いことですよ、この資料を破棄というのは。
 だったら、もう当事者の話聞くほかないですよ、これは。これ、当事者呼ぶしかないですよ。学校法人森友学園の籠池泰典理事長、それから当時の理財局長だった迫田英典国税庁長官、証人として当委員会に招致すると、こうすべきですよ。これね、当たり前じゃないですか。検討してください。

○委員長(山本一太君) 後刻理事会で協議いたします。

○小池晃君 

総理、あれだけおっしゃったんだったら、真相を明らかにしようじゃないですか。私はこういう事実を示した。それが違うというのであれば、それが違うというのであれば、この証人喚問あるいは参考人招致、国会招致に賛成してください、自民党総裁として。真実を明らかにするために自民党総裁として国会招致に賛成してください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 

まあ、いきなり事実を明らかにしろと、いろいろ読まれましたが、それどういう文書かも分かりませんよ。それを真実だとして我々に言えと言われても、それが真実だということは小池さん側がそれを証明することが必要なんですね。
 かつて、かつて偽メール、かつて偽メール事件がありましたね。かつて偽メール事件というのがあった。それは結局証明できなかったわけですよ。
 ということもあるわけでありますから、それを、しかしちゃんと説明していただかなければいけませんし、ある事務所と、確かに小池さんはある事務所と言われたんですが、何か雰囲気としてまるで私の事務所が関わっているかのごときのイメージを与えているのは……(発言する者あり)別にそう言ったとは言っていませんよ。そう言ったとは言いませんけど、そういうイメージを与えているのは事実でありますから、そういう、そういう印象操作の、印象操作の質問はやめていただきたいと思いますし、そもそもどういう、どういうものを出しているのか、何をですね、何を、何を出しているのか、何を出しているのか、どういうものを、どういう資料を出しているかということをちゃんと示していただかなければ、これは理財局長としては答えようがないのであります。(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) もう一回質問してください。ちょっともう一回、いや、ちょっともう一回。ちょっと待ってください。
 安倍内閣総理大臣。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 証人喚問等々については、これ議会運営のことでありますから、これまさに国会で決めていただくことであって、私がそれに口を出すのがおかしいという御主張をしているのは皆さんだろうと、こう思うわけでございますから、まさに委員会で御判断をいただきたいと思います。

○小池晃君 いや、自民党総裁でしょう。自民党の理事の皆さんに、じゃ、指示出してください。これ、やるべきだということで理事に指示出してください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、まさに総理大臣として、行政府の長として立っていて、答弁責任を持っているわけであります。

○小池晃君 

印象操作印象操作と先ほどからおっしゃるけど、印象操作は安倍総理の方じゃないですか。私は安倍事務所なんて一言も言っていないんですよ。一言も言っていないですよ。そういうねじ曲げで議論をするのはやめていただきたいということを申し上げたいというふうに思います。
 これは、この国会招致に自民党がどういう態度を取るのか、国民は注目すると思いますよ。これに反対するようであれば、私は重大な問題になってくるということも改めて強調したいと思う。
 更に総理に伺いたい。総理は衆議院で、私が総理を辞めたときに、うちの妻が知っておりまして、その中で私の考え方に非常に共鳴している方で、その方から小学校をつくりたいので安倍晋三小学校にしたいという話がございましたと答弁しています。その方とは籠池泰典さんですね。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そうであります。

○小池晃君 安倍晋三小学校をつくりたいという話があったのは総理を辞めたときとおっしゃっていますが、これいつですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 

何回かお答えをさせていただいておりますが、いつかというのは辞めた後でございまして、いつかということは、これ記憶には定かではないわけであります。これ夫婦の会話でありますから、それは、いつそういう会話をしたかということについては明らかではないのはこれは当たり前なのではないかと思います。

○小池晃君 

私が総理を辞めたときに、うちの妻が知っておりましてということは、それ以前から総理夫人は籠池氏を知っていたということですか。総理夫人は籠池氏といつからのお知り合いなんでしょうか。これまで何度会われているんでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 

これはですね、これはですね、これは総理を辞めた後ですから、これはいつか分かりませんよ。
 それと、私は、妻はですね、妻は、私は公人でありますが、妻は私人なんですよ。それで、一々、今、その妻の、妻をまるで犯罪者扱いにですね、そんなことをやるのは極めて私は不愉快ですけれどもね。極めて不愉快ですよ。本当に私は不愉快ですよ、そういう犯罪者扱いするのは。それは、いつ、いつ知ったかということについては、これは私は承知をしておりません。(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。

○小池晃君 犯罪者扱い、私していません。犯罪者扱いしたという言葉を撤回してください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはそういう印象を受けたわけですよ。いつどこでですね、いつどこで、いつどこで籠池理事長を知ったんだとか、それはまさにそうじゃないですか。まるで尋問調に小池委員がおっしゃるから、私はそういう印象を受けるのはこれ当然ではないかと思いますよ。

○委員長(山本一太君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
 今の与野党のお話でございますが、これはちょっと後刻理事会でもう一度改めて協議をさせていただくということで、小池晃委員に御質問続けていただきたいと思います。

○小池晃君 

犯罪者扱いというのは、これね、厳しく抗議したいと思います。私はそんなことは一言も言ってないですよ。
 それで、先ほどから私人です私人ですとおっしゃいますが、私人ですか。(資料提示)これね、安倍晋三内閣総理大臣夫人でパンフレットにも出ているわけですよ。講演会でも内閣総理大臣夫人という肩書、紹介されているわけですよ。明らかに公人じゃないですか。
 これ、塚本幼稚園を訪問されているのは、明らかになっているだけでも三回あります。最初は二〇一四年四月。翌一五年一月八日付けの産経新聞ウエブ版で報じられています。昭恵夫人は、二〇一四年四月、同園の視察と教職員研修のため訪れた。籠池園長から安倍首相ってどんな人ですかと問いかけられた園児らが日本を守ってくれる人と答える姿を見て、涙を浮かべ、言葉を詰まらせながらこう話した。ありがとう、ちゃんと伝えますと。
 その年の十二月六日には塚本幼稚園で昭恵夫人の講演会が開かれています。テーマは「ファーストレディとして思うこと」ですよ。公人じゃないですか。幼稚園の「おかあさん新聞」の一面に紹介されています。そして、二〇一五年九月五日にも安倍昭恵氏の講演会が行われていると。
 だから、少なくとも二〇一四年四月、十二月、そして二〇一五年九月と三回訪問している。これ以外にも訪問されているんじゃないですか。その事実を聞いているんです。私は犯罪者扱いしているんじゃない、事実を聞いているんです。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 

そういうふうに丁寧に聞いていただければいいわけですよ。
 妻は、私の言わば総理大臣夫人として外遊等に同行する上においては公人的な色彩を持つわけでありますが、妻は妻、別途人生があるわけでございますし、例えば原発政策において私と相入れないところの集会に行くこともあるわけでありますが、それは全く公人ではないわけですよね。
 そういうものもあるわけでありますし、先方がどういう肩書を書いているかということまではそれは責任を持てないわけでございますが、そこで、今にわかに聞かれても、にわかに、私の妻がいつどのようにということについては、これは恐らく、いつどのようにということについてはこれは記憶にないと思いますが、いつということについては記憶に恐らくないと思いますが、どのようにということにおいては、言わば一般の主婦の方で私の妻の知人から、一般の主婦の方でありますが、その方から、大阪の方だそうでありますが、私はその方は存じ上げませんが、その方から紹介されたと、こういうことでございます。

=========


安倍総理の慌てぶりが分かるだろう。小池議員から解明するよう求められていても、これを拒否したわけである。政府としても与党としても。

また、理財局は鴻池議員の接触について把握できていなかったことが推測されるだろう。少なくとも、文書類に記録として名前が挙がっていたのであれば、「これは安倍総理の事務所のことではありません、恐らく鴻池事務所でしょう」とか、アベを落ち着かせるくらいはできたであろうから。しかし、そういう情報すら持ってなかったので、アベは狼狽し「印象操作だ」を連呼し、あたかもアベ事務所のことであるかのように追及しているんだ、と小池議員をなじったわけだ。


もし改竄前の文書とされる資料があって、鴻池議員等に関する記述を問題発覚後に削除したのであれば、少なくとも一度は見ていた理財局職員が存在していたはずで、野党側質問に何等かの防御をすることは考えられたであろうが、一切なかったことから見て、佐川局長が「知らなかった」可能性が高いのだ。


改竄に関する文書は、辻褄が合わないことが多いのである。改竄前の文書であっても、だ。