●実務に役立たない研修
あなたは、社内・社外研修に参加して、勉強した気分になっていませんか?
あなたは、研修で学んだことを、実生活で活用していますか?
あなたは、研修で学んだことを、業務に反映していますか?
学んだことが全て、業務に活かせているのであれば、非常に良いことである。
ぜひ、その手法を継続していただきたい。
一方で、「その場限り」の人もいるのではないだろうか?
研修に参加してその気にはなったが、実務で活かすことができない人はいませんか?
私も実務では活かせない「その場限り」の一人であった。
その原因は、どこにあると思いますか?
研修に参加することで、新たな知識を吸収することができる。
新しいことを知ることで、脳へのインプットとなり、脳への刺激となってボケ防止に役立つ。
非常に良いことである
しかし、なぜ、研修で学んだことが実務で使えないのであろうか?
●3つの段階
私は、産業カウンセラーの勉強を通して、「傾聴」というスキルを「知る」ことができた。
その後、様々な研修において、グループワークを行い、「傾聴」が「できる」ようになった。
さらに、日常業務においても自由に「使える」ようになった。
スキルの習得には、このように3段階のレベルがある。
レベル1の段階では、「知る」ことである。
レベル2の段階では、「できる」ことである。
レベル3の段階では、自由に「使える」ことである。
ゴルフやテニスなどのスポーツ、料理、音楽等は、すべて「傾聴」と同じようにスキルである。
「スキル」と表現できるものは、この3つの段階を意識すると、分かりすい。
仕事も「傾聴」と同じようにスキルである。
であるならば、この3つの段階を確認することである。
●ワーク中心の研修
スキルであるならば、はやくレベル3の段階に到達する必要がある。
つまり、「使える」レベルになって、研修が生きるのである。
講義方式の研修では、レベル1の段階である。
レベル1とは、知識の習得である。結果的に「わかる」ということになる。
最近では、「ワーク」を採用するの研修が多くなってきている。
ワーク中心の研修では、「知る」レベルから「できる」レベルに引き上げることが可能となる。
実際にワークで体験することで、「知る」レベルから、「できる」レベルに引き上げられる。
●ワーク研修の方法
先日、アサーションの研修を受けた。
レベル1では、アサーションを「知る」ことである。
アサーションとは、簡単に言えば、相手を尊重しつつ、自己責任で具体的に自己主張するということである。
1.相手を尊重する。・・・日頃の感謝の念を伝える
2.自己責任で話す・・・何ができて、何ができないか、明確に話す
3.具体的に要求する・・・繰り返し、繰り返し、繰り返し、具体的に要求する
これを各自のテーマで行うのである。
ワークを行うことで、「知る」というレベル1から「できる」というレベル2になる。
さらに、このワークを行う際、行為者と相手役の他に観察者を置く。
ワーク終了後に、行為者から順番に、「できたこと」と「課題」について述べる。
行為者自身の反省以外に、相手役や観察者のアドバイスをもらうことができる。
この反省やアドバイスが重要となる。
●同じテーマで3回行う
ワークを同じテーマで、3回繰り返すのである。
その都度、「できたこと」と「課題」を述べ合う。
3人で3回、反省を含めて課題抽出を行うことになる。
これは、非常に有効な手段である。
同じテーマで繰り返しワークを行うことで、そのワークの質が高まる。
当然1回目より2回目、2回目より3回目とレベルは上がってくる。
行為者からみれば、その都度気づきの連続である。
時間があれば、代表ワークを参加者全員の前で行う。
繰り返し、行うことで、レベル1(知る)に近かった「できる」が、レベル3(使える」に近づいていくことになる。
このように、同じ内容で、繰り返し行うことで実務に役立つ研修となる。
あなたが今まで経験した研修は、実務に役立っていますか?