私は、土木技術者である。
なぜ、土木技術者になったかというと、幼稚園を入る前、
毎日砂遊びをしていたというのが、原点になっている。
公園にあるような小さな砂場ではない。
私の家の前には、長さ10m、幅3m、深さ1mの工事用の砂置場があり、
本格的な砂場である。
そこで朝から晩まで、毎日毎日遊んでいた記憶がある。
朝飯を食べると、一目散に砂場へ目がけてダッシュである。
工事用の砂置場の砂は乾燥しており、砂遊びをするには最適ではない。
そこで、家から水を運ぶのである。
赤い小さなバケツで、家から何度も何度も水を運ぶ。
10回20回位運んだだろうか?
砂に水を混ぜて、砂を固めて、山を造る。
その山も高さは、自分の身長ほどの大きさである。
こうなると本格的な砂遊びである。
山ができると、頂上からビー玉が通る道を、山に沿って造る。
道ができると、山の頂上から、ビー玉をゴロゴロゴロと転がして遊ぶ。
何度も何度もビー玉を転がして遊んでいると、飽きてくる。
そのうちに、山の中腹にグルグリグリとトンネルを掘りだす。
山の造り方が柔いと、途中で落盤し、トンネルが崩壊する。
そうなると、山から造り直しである。
また、家から赤いバケツで、水を何度も何度も運んで砂を固めて、山を造る。
トンネルに再チャレンジである。
今度は、完成である。
ビー玉が、このトンネルを抜けて、反対側から出てきた瞬間は、最高の気分である。
更に、もう一つ山を造り、山と山との間に橋を造ることにチャレンジ。
橋の材料は、庭にある古い材木の木片である。
これで橋を造る。
ここまでくると1日では、できない。
2日か、3日かかったと思う。
途中で、工事用のトラックが来て、砂を持ち出してしまい、全てなくなってしまったこともあった。
今で言えば、山がなくなってしまう大災害である。
でも、また2~3日すると、砂が大量に来る。
そうなると、私の出番であり、ゼロからスタートである。
でも、当時は落ち込むことが全くなかった。
なぜならば、好きなのである。
当時の私は、砂遊びが大好きなのである。(今も好きであるが:笑)
そのために、何があっても、へこたれないし、再度チャレンジする。
砂遊びをしている間は、楽しい時間である。
であるから、色々と工夫して、トンネルを掘り、橋を架けたりする。
完成すれば、楽しい。
自分が工夫したことが、上手く行けば、これほど幸せなことはない。
今考えると、これは、立派な“成功体験”である。
どうすれば、楽しめるか、喜びを得ることができるか、
その方法を当時の私は学んだのだと思う。
「好きこそモノの上手なれ」というが、
子供の時や学生の時に、この“成功体験”を積むことが、その後の人生に大きく役立つ。
当時は“ただの砂遊び”であるが、今考えると、貴重な経験である。
親の役目は、子供に徹底的に好きなことをやらせて“成功体験”を積ますことだと思う。
その点、私の両親や祖父母は、砂遊びを通じて“成功体験“を学ばせてくれた。
このことに関して、両親や祖父母に、感謝している。
次回は、クラブ活動について書きたい。