最近、柔道界を含めてスポーツ界では、選手の育成方法が話題になっている。
●スポーツ界の育成方法
今回の話し方教室では、「育成方法」が話題となった。
Uさんの1分間スピーチでは、
日本の柔道界は、選手の「欠点」を修正するやり方である。
一方で、海外では、選手の「長所」をほめてのばすやり方をしている。
また、Y先生の話では、相撲界でも同じだそうである。
その昔、武双山という力士がいた。
アマチュア時代には、タイトルを総なめして角界に入門してきた。
しかし、そこでの指導方法は、欠点の修正である。
左足の親指の力の入れ方が芳しくなく、指導の親方はそこばまり指摘したそうである。
その結果、強みである押し相撲に磨きをかけることがなく、ただの力士で引退したということである。
●話し方教室も良い点をほめる
Y先生は、常に笑顔である。
その笑顔を見ながら、あっと言う間に、2時間が過ぎてしまう。
それだけ、中身が充実しているし、人間的魅力があるのだと思う。
その証拠に、Y先生の音調はいつも明るい。
明るい音調は、心が明るいことを証明している。
その結果、顔も明るくなるという連鎖が起こっている。
指導方法の極意は、相手の良い点を見つけてほめること。そして明るく話すことである。
これが意外と難しい。
人間の欠点は、誰にでも容易に見える。すぐに口に出して指摘すれば、人間関係が崩れる。
昔の私を言われているようで、穴があったら入りたい。
対策は、逆をやればよい。
良い点を見つけてほめる。そうすれば人間関係が良くなる。
この当たり前のことをするのも、スキルと考えた方がよさそうだ。
頭で解っていても実際に実行できないことが多い。
この「長所をほめる」もその一つである。
●Y先生の指導方法
Y先生のすごいところは、忍耐強いところである。
どんな生徒でも、優しく指導する。
決して生徒の欠点を言わない。
できない生徒に対しては、同じ目線に立ち、繰り返し優しく理解できるまで教える。
横から見ていると、その忍耐力には頭が下がる。
おそらく今話題になっている柔道界では、頭ごなしに叱りつけると思う。
Y先生は、絶対に叱らないし、良い点を見つけて、ひたすらほめる。
先生の話によると、良い点が伸びることで、欠点が隠れるという。
例えば、「え~」「あ~」という言葉が多い人が、言葉を言い切ることで、その欠点が見事に治る。
まさに、練習の成果が見えてくるから、この話し方教室は面白い。
このように、「ほめて育てる」方法は、素晴らしいスキルである。
Y先生は26年間、話し方教室の講師をしているそうだが、このスキルが強みとなり、他者との差別化となっていることは言うまでもない。
私も、Y先生のような「ほめて育てる」スキルを身につけて、研修講師、講演講師を目指したい。