hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

人を動かす その18 同情を持つ

2012-07-18 | スキルアップ
D・カーネギー:著『人を動かす』(創元社:発行)から引用する。
今日のテーマは、『人を説得する12原則「同情を持つ」』である。

●相手をおとなしくさせる魔法の文句

『口論や悪感情を消滅させ、相手に善意を持たせて、あなたのいうことを、おとなしく聞かせる魔法の文句を披露しよう。
「あなたがそう思うのは、もっともです。もし私があなただったら、やはり、そう思うでしょう」。こういって話をはじめるのだ。
どんなに意地悪な人間でも、こういうふうに答えられると、おとなしくなるものだ。しかも相手の立場になれば、当然相手と同じ考えをもつわけだから、この文句は百パーセントの誠意がこもるはずだ。』

『われわれの接する相手が、どんなにいら立っていたり、偏屈だったり、わからずやだったとしても、その責めをすべて本人に帰するわけにはいかない。気の毒だと思ってやるべきだ。同情してやることだ。そうしてこう考えるのだ。
「もし神様のお恵みがなかったら、この相手がわたし自身の姿なのだ」。
われわれが交渉を持つ四分の三は、みな同情に飢えている。それを与えてやるのだ。好かれることは請け合いである。』

たしかに、みな同情に飢えているだろう。
同情するとは、相手と同じレベルに立ち、
相手の立場、行為や考え方を理解し、認めるということである。
私の立場を理解し認めてほしい。
私の行動を理解し認めてほしい。
私の考え方を理解し認めてほしい。

私自身の立場ならどうであろうか。
このように、早朝4時に起きてブログを書いていることに対して、私自身どのように感じているか?
私のこのような行動に対して、理解して認めてほしい。
私のこのような考え方に対して、理解して認めてほしい。
とは、あんまり感じない。
が一方で、午前中に強烈な睡魔に襲われることがある。
この時は、早朝4時から頑張っている姿に対して、
口に出しては言えないが「同情してほしい」と心の中で思うことがある。
このような場合は、ひたすらコーヒーを飲み、睡魔を追い払うだけであるが・・・。


●高等な交渉方法とは?

『J氏は、エレベータ・エスカレータ保守会社の社員だった。会社は街でも有数なホテルとエスカレータの保守契約を結んでおり、最低8時間はかかる修理が必要になった。ホテルの支配人は、客に不便をかけたくないので1回2時間以上エスカレータを使用禁止にしてもらっては困るという。
この修理のできる第一級の整備工をようやく確保したとき、J氏はすぐにこのホテルの支配人に電話をかけ、修理の所要時間には一切触れず、次のように切り出した。
「支配人、お宅のホテルは忙しいのだから、エスカレータの使用中止時間を最小限にとどめたい気持ちは十分わかっています。ですからできるだけご希望に添うように努力しますが、エスカレータの調子からいって、今完全な補修をしておかないと、損傷が激しくなって、今度はうんと長い時間止めないと修理ができないようになってしまいますよ。何日間もエスカレータが止まって客に不便をかけることになったら困るでしょう?」
何日間もエスカレータが止まるのに比べれば、8時間のほうがよほどましなわけで、支配人も承知せざるをえなくなった。つまり、支配人の気持ちに同情することになって、J氏は、やすやすと、恨まれることもなしに、支配人を自分の考えに同調させることができたわけだ。』

このやり方は、少し高等なやり方である。
現状の問題点(8時間使用中止)よりも、大きな問題点(何日間も使用中止)を提示することで、相対的に被害(エレベータの使用中止)を少なく見せる方法である。


●お金の借り方

これは心理的なテクニックである。
たとえば、お金を借りる場合どうか?
「○○の支払いで10万円必要なんだ。口座に5万円しかない。残りの5万円貸してくれないか」
と友だちに急に言われたらどうするか?
多くの人は、「持ち合わせは無い」、とかいって断るだろう。
その時、「実は財布忘れたんだ。昼飯代千円貸してくれない?」と言われれば、多くの人は貸してしまうのではないだろうか?
これは、大きな課題点(5万円)と小さな課題点(千円)を比較して、相手の心理状態につけこんだやり方である。

私は、お金の貸し借りは嫌いである。
さらに、このようなイカサマ師見たいなテクニックは、大嫌いである。


●リスク管理

近い将来、大きな地震が来るとTV等で放送されいる。
が、地震対策としての建物の補強工事がなかなか進んでいない。
このような場合、建主に対して、
「もし地震が来て、建物が崩壊すれば、新たに立て直すには、数千万円のお金が必要です。これは大金であり、個人にとってこれだけのお金を工面するのは非常にしんどいことです。
一方で、耐震補強であれば、その1割以下でできます。
数百万円でも大変なことはお察しします。
ぜひ命や財産を守るためにも、どのような対策を行うかご検討ください。」
このように、仕事においては交渉する場合、正当性があれば、「大難を小難で乗り切る」という考え方を持ちいることはよいと思う。
繰り返すが、このような使い方は、「あくまでも正当性がある場合に限る」ということを強調しておきたい。


●教育心理学

『アーサー・ゲイツ博士の有名な著書「教育心理学」にはこう書かれている。
「人間は一般に、同情をほしがる。子供は傷口を見せたがる。ときには同情を求めたいばかりに、自分から傷をつけることがある。おとなも同様だ。傷口をみせ、災難や病気の話をする。ことに手術を受けたときの話などは、事細かに話したがる。不幸な自分に対して自己憐憫を感じたい気持ちは、程度の差こそあれ、だれでもあるのだ」』

先日、近所のおばさんと話す機会があった。小学生の時から知っているおばさんである。
「耳が遠くなり、病院に行ったが、よくならなかったので、近所の耳鼻科にかえた。そこでも、良くならないので、最近は行くのはやめた。」
このような話を延々とした。私はただ黙ってこのおばさんの言うことを聴いていた。
親孝行ではないが、そのおばさんの話を聴くことが、親切にすることだと思い、うなずきたり相づちを打って聴いていた。
おばさんも話すうちに、気分が落ち着き、すっきりした様子であった。
わずかな時間ではあったが、年配の方に親切にすることは、結果として双方心地よいことである。

そういえば、昨年行われたクラス会でも、病気の話をする友人が何人かいた。
まさに老若男女問わず、病気の話は好きなようだ。


●結論

『人を説得する原則9』

『相手の考えや希望に対して同情を持つ』


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