俳句総合誌「俳句界」と角川の「俳句」六月号が、次々と届き昨日、今日と家事も、創作もそこそこに、ほとんど一日中読みふけってしまいました。
今日も、またすごい運動不足!それに無い頭を使っているのか、チョコレートが無性に欲しくて困ったものです。
ところで、今月は俳句界には、秀逸1、佳作入選4句が載ったのですが、角川は、大牧広先生選で推薦の五句に入り、選評をいただくことができ、とてもうれしく思
いました。俳句はほとんど共選にならないというのが常ですが、このごろは、共選でとっていただける句が増えたように思います、推薦の一句は、小島健選
佳作にも入っています。
ところで、推薦の一句 凱旋のやうな退院菜飯炊く 依子 (角川俳句6月号)
の選評を感謝をこめて記しておくと、
「 気持のわかる一句。退院となると一種の勝利感をもつ。そんな気持ちで退院をして、まっさきに自分の好きな菜飯を炊いた。
退院の折の気持ちをとした点は新しい意味をもたらしていて前向きである。さぞ菜飯が旨かったことであろう。」
であった。本当のことを言うと、この退院は、もうこれでダメかもと思った93歳の母の退院なので、いただいた選評とは少し違うので、事実を正しく伝えるに
は、凱旋の母の退院菜飯炊く のほうがよかったかもですが、実感から出来た句は、人の心に触れる力が出るのだと思いました。俳句は作ったら作者を
離れ、読者のものになり、いい読者に出会えた句は幸せな句ですね。よく作った気持ち以上の何かを読み取ってくださる場面に遭遇します。俳句実作者
の冥利ですね。
さて前向きという選評で思い出したのが、以前に名村早智子先生選で推薦に選ばれた句にも「健康的」という言葉が入っておりました。その一句
湯たんぽの中の浪湯音抱へたる 依子 (角川俳句3月号)
の選評 「 は水枕の中に寒い海を感じ、作者は湯たんぽの中に暖かい浪音を聞いた。入れ物の違いはあれ、物に閉じ込められた水音の
感じ方の違いが、そ時の作者の境地まで表出する。この句の健康的な捉え方が海を想起させ豊かな心持にさせてくれる。」
とありました。
こんなふうに、選評をいただくということは、作品を作品以上にしてくれる大きな力があります。
私も、結社で作品評をすることがあるのですが、言葉と言葉で人がつながるというのは感動的な出来事です。
先日選評を書かせていただいた方から、ご丁寧な礼状をいただきましたので、お礼状を書きました。
礼状に礼状を書く聖五月 依子
これからも言葉を信頼し、俳句形式の恩寵に預かりながら、人と人との絆を深めていきたいです。
今、懲りずに30句、50句の作品もまとめていますが、限界と思うときいただいた選評が大いなる支えになります。
本当にありがとうございました。
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