わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

【自然災害で傷ついたこどもたちの前に、またもや自然災害が立ちはだかる】 ~台風をかいくぐって、熊本のこどもが信州に到着~

2017年08月07日 | 震災支縁=支え合いの縁を紡ぐ
信州こども山賊キャンプ。

今日はコースの入れ替え日だ。

この台風の中、今日までのコースに参加した熊本のこどもたちを、飛行機で帰すことができるのか?

そして次のコースに参加するこどもたちが飛行機で来れるのか?

自然災害で傷ついたこどもたちの前に、またもや自然災害が立ちはだかる。



昨日の段階では、熊本⇔名古屋の飛行機は欠航を覚悟した。

熊本のこどもたちも、保護者の皆さんも、一度は覚悟を決めたらしい。

ところがところが、関係者の想いが天に届いたのか、奇跡的にフライト成功。

それも、直後の便が欠航となる薄氷輪踏む想いだった。






さきほど、台風迫る大雨の中、熊本のこどもたちは泰阜村に到着した。

そして、今日まで参加したこどもたちも、無事に熊本の保護者のもとに送り届けることができた。

よかった、ふう。


でも、信州はほぼ台風直撃。

こんな中、次のコースが始まった。

想い通りにならない自然現象を、楽しむことができるかどうか。

山賊キャンプの真骨頂が試される。



代表 辻だいち

【ヒロシマの日、私は常にキャンプ】 ~より弱いものが犠牲になる負の連鎖を断ち切れ~

2017年08月06日 | あんじゃねぇ=平和で安心な社会へ
今日は広島の日。

8時15分に、静かに黙祷した。

昨年の暮れに、広島に足を踏み入れた。

平和公園に佇み、澄んだ真っ青な空をみあげた。

そして大地を踏みしめ、あの時を想った。

今日の黙祷は、信州泰阜村の大地を踏みしめていた。

信州といえども襲ってくる猛暑の空は、どこまでも青い。

72年前のあの時も、そうだったのかも、と、想いはめぐる。



泰阜村は、満蒙開拓、植林、減反、自治体合併・・・、常に国策に翻弄されてきた村だ。

それが、生産性がない(経済的尺度ではの話だが)と切り捨てられてきた小さな山村の現状である。

そして、福島のこどもたちも、沖縄に暮らす人々も、そして市井の人々も、いま、国策に翻弄され続けている。



戦後72年、この国は世界的な軍事貢献を厭わない「普通の国」になろうとしている。

しかし、国が強くなろうとするとき、そして国が大きな危機に直面するとき、常に犠牲になるのはより弱いものだ。

戦争の本質は、「より弱いものが犠牲になる負の連鎖」だろう。

8時15分の黙祷は、けっして広島原爆で命を絶たれた人びとへの想いだけではないだろう。

九州北部豪雨や熊本地震で被災した人びとへの想い。

東日本大震災で犠牲になった人びとへの想い。

声を上げても上げても政府に届かないとあきらめが支配しそうな怒りに満ちた沖縄の人々の想い。

そして、いままた繰り返される「負の連鎖」におそれおののく弱い立場の人びとや地域へ、もう一度想いをめぐらす契機にならなければならないと、強く思う。






熊本のこどもが、福島の高校生が、そして全国のこどもたちが、未来に不安を背負って、それでも泰阜村で元気に遊んでいる。

彼らの未来をどう考えるのか、彼らの未来を私たち大人がどう語るのか、それが試されている。

山賊キャンプは折り返し点を迎えた。

すでに500人くらいのこどもたちが、泰阜村で短期間とはいえ暮らした。

このキャンプで、私たちはこどもたちに伝え続ける。

小さな力を信じること。

支え合って生き抜くこと。

それをあきらめないこと。



全国のみなさん、8月から改めて考えてはどうか。

未来を生きるこどもたちに、「より弱いものが犠牲になる負の連鎖」を断ち切るために、何を語ることができるのか。

黙祷をしながら、そんなことを強く想う。

広島の日、私は常にキャンプ。

これでいいのだ。


代表 辻だいち



【大震災で支えられた子が、支える側に】 ~支え合いの縁を紡いでいくことが「支縁」である~

2017年08月04日 | 震災支縁=支え合いの縁を紡ぐ
熊本地震で被災したこどもを、信州こども山賊キャンプに招待した。

そのこどもを、東日本大震災で被災した高校生がボランティアでサポートする。

被災したこどもが、時を超えて被災したこどもを支える。

私は、支え合いの縁を紡いでいくことを「支縁」と言っている。

そのど真ん中に泰阜村がある。

地元誌に掲載された。

テキストを以下に紹介する。

ぜびご笑覧いただき、できれば広くシェアしていただきたい。




2017年8月5日 信濃毎日新聞

大震災の被災児招く 泰阜のキャンプ
支えられた子 支える側に
相談員で「里帰り」 熊本の被災児ケア



 東日本大震災で被災し、下伊那郡泰阜村のNPO法人グリーンウッド自然体験教育センターで山村留学やキャンプを経験した全国の高校生たちが夏休みを利用し、同村を繰り返し訪れている。村内の自然や人とのつながりに魅力を感じたためだ。今夏は、熊本地震で被災した児童も加わるキャンプに相談員として関わり、子どもたちの想い出づくりを支えている。


 4日、村内で行われているキャンプに、千葉県野田市の高校2年丹保空智さん(16)が参加した。丹保さんは東日本大震災を当時暮らしていた千葉県我孫子市で経験。自宅の屋根が壊れて転居が必要となり、小学5年から5年間、泰阜村に山村留学し、泰阜小、中学校に通った。この日は、熊本市で被災した小学生6人を含む班の相談員を務め、食事の用意や遊びなどで子どもたちを手助けした。

 丹保さんは東日本大震災当時、「揺れにおびえて泣く友人を見て、怖くて学校へ行くことに消極的になった」。だが、山村留学し、村内のスタッフや同級生と暮らすうちに「素の自分を出せるようになった」という。昨年も泰阜中時代の同級生に会いに訪れ、今年は初めてキャンプに参加した。「自分よりも怖い想いをした子もいるかもしれない。楽しいと思ってもらえるキャンプにしたい」と話す。
 昨年に続き相談員として参加した福島県いわき市の高校3年蛭田有咲さん(17)も、大震災後に6回ほど泰阜村のキャンプに参加している。「キャンプが終わった後も、福島で余震が起きた時には友達がメールをくれたり、また会おうという手紙をくれたりして、うれしかった」と蛭田さん。「専門学校に進学するが、また来年も来たい」と話した。

 同法人のキャンプは20年以上前から実施。阪神・淡路大震災をきかっけに、寄付を募って被災した子どもたちを招く事業を続けている。事務局長齋藤新さん(43)は、「テレビの中の出来事だった震災が、キャンプに参加したことで『友達がそこに住んでいること』と思いやるきっかけになっている」と強調。「友だちのために何ができるか、考える一歩になればいい」としている。





代表 辻だいち