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わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

五感の学び

2015年07月22日 | 自然のソコヂカラ
田んぼ。

この時期は、毎朝、毎夕の草取り。

梅雨明けの今は、信州といえども朝晩もけっこう暑い。

でも、日中にやるよりはマシということで、朝夕にやる。

南信州の風習「朝づくり(朝飯前の一仕事)」の意味が、身体でわかる。



▼信州の朝は、心地よい



ここ数日は、スタッフ以外の若者も一緒に草取り。

この日一緒に作業をしたのは山村留学の卒業生。

2人とも信州こども山賊キャンプのボランティアでやってきた。

なのに、田んぼの草取りまでやってくれるのだから本当に感謝だ。

今回は、稲に良く似たヒエを抜く作業。

彼らはきっと、はたから見てると草取りが簡単そうに見えたのだろう。

ところがこれが、きついのなんのって。

「前を向くな、下を向け!」

前を向くと果てしなく遠いゴールに心が折れそうになる。

だから下を向くのだ。

ただひたすらにヒエを抜く作業に、2人とも「農家ってすげ~!」とつぶやいてた。


▼前を向くな、下を向け!



▼農家ってすげ~!




こちらは昨日から来た北海道教育大学の女子学生2人。

同じく信州こども山賊キャンプのボランティアに来ている。

とはいえ、こちらはボランティア自体が大学の実習単位になる。

泰阜村に夕方に着いて、いきなり田んぼに連れていかされて草取り。

それでも文句ひとつ言わないのだからたいしたものだ。

今日もまた合言葉は「下を向くな、前を向け!」ではなく、「前を向くな、下を向け!」なのである。


▼こちらもまた、前を向くな、下を向け!




この田んぼは、信州子ども山賊キャンプのキャンプ場の近くにある。

草取りがしんどくて顔を上げるといつも、こどもたちの歓声が聞こえる。

蝉が鳴き、風渡る稲がそよぎ、川のせせらぎがきらめく。

この集落に30年間にわたって奏でられてきた、原色のようにきらめく音だ。

この音が、耳からではなく、田んぼを踏みしめる足の裏から聞こえてくるようだ。

この土地の歴史を足の裏から学ぶ。

彼らや彼女たちにとって必要な、土からの学び。

五感の学びが心地よい。



代表 辻だいち


高解像度レーダーキャストナウ

2014年08月24日 | 自然のソコヂカラ

むか~しむかし、あるところに・・・

じゃなくて、今、ここは、大気が不安定です。

さっきまで晴れていたのに、あっという間に真っ暗に。

そして真上を雷がドッカンドッカン。

気象庁の高解像度レーダーキャストのサイトを見ると、上空を真っ赤や黄色の表示が通り過ぎていきます。

あと1時間後に信州こども山賊キャンプのこどもたちを迎える予定だったキャンプ場は、あっという間に水浸し。

近くを流れる小川もこの雨ではどうなるかわからない。

ということで、東京や名古屋から泰阜村に向かっているこどもたちの乗ったバスの行き先を変更。

初日から念のため避難することになりました。


▼これは雨上がりの泰阜村




まずはキャンプ場が存在する左京集落の区長さんへ電話。

「そりゃたいへんだな。いつでも使え。鍵は〇〇さんが持っているから、わしがうんって言ったって言えば大丈夫」

集落の公民館をいつでも使っていいという力強い言葉です。

この左京集落の人々は、毎日毎日キャンプで大騒ぎのこどもたちの声を聞いています。

いつもいつもお騒がせしてすみません、と言えば、

「こどもの声があっていい」

「にぎやかでいい」

文句どころか、本当にあたたかなまなざしを向けてくれます。

そんな集落の人たちが、猛威をふるうゲリラ豪雨に対して、すばやく対応していただきました。



結果的には、人数の都合もあって、村の施設に避難することになりましたが、この左京集落の人々と同じく、村の教育長や施設を管理する福祉課長さんも、素早くそして快く、「使え使え。こどもの命が一番大事」と、様々な都合を調整してくれました。


▼晴れるとこうなる







かくして、信州こども山賊キャンプに訪れたこどもたちは、元気よくキャンプを楽しむことができるのでしたとさ。

おしまい♪

代表 辻だいち


避難が教えてくれるもの

2014年08月10日 | 自然のソコヂカラ
台風11号。

西日本を中心に大きな被害が出ました。

被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。



信州泰阜村も台風の進路の東側となったため、影響が出ることが予想されました。

そのため、川の近くに位置するキャンプ場での活動を中止する他、念のため村の公共施設に避難をしました。

その施設はNPOグリーンウッドの本拠地の集落にあります。

私の住む集落です。

ところがその公共施設が、ちょうど長野県知事選の投票所。

避難が日曜日に重なったために、投票所と避難所が同居することになってしまいました。


▼避難先の「あさぎり館」は投票所!





投票所の雰囲気と、キャンプのこどもたち(Bコース、Cコースあわせて80名ほど+青年ボランティア20名ほど)の雰囲気、同居できるものか・・・と逡巡しましたが、でも避難を撤回するわけにはいきません。

教育委員会も、役場福祉課の人々、集落の区長さん、みな「そりゃ、投票所と一緒じゃたいへんだろうけれど、でも避難は正しい判断だよ」と快く理解を示してくれました。

投票日には、早朝からこどもたちの歓声が響く施設に、これまた早朝から集落の皆さんが続々と投票に訪れます。

おかげさまでこどもたちは、投票に足を運ぶ集落の皆さんとたくさん挨拶ができました。


▼避難ができて、こどもたちも一安心。





震災でも台風でも、困ったときはお互い様。

泰阜村の人々が、自然と向き合い続けて生き抜く中で培われた「お互い様」「支え合い」の気風。

この気風に包まれて、こどもたちは台風を吹き飛ばすような元気さを発揮しました。


▼真剣に話を聞くこどもたち。よくがんばりました。





▼夜は、グループ対抗の大出し物大会で大盛り上がり!





台風はまさに自然現象。

そもそも思い通りにならないのが自然です。

その「思い通りにならない」体験を、こどものうちにたくさん積み重ねておくことが大事だと、強く想います。

台風に直面して、思い通りにならない経験を積み重ね、困難を乗り越えたこどもたちと青年ボランティア。

これからの人生もいろいろ困難はあるでしょうが、きっと「支え合って」乗り越えていってくれるものと信じています。


こどもたち、またおいで。

今度は、青空の下でキャンプしようか。


代表 辻だいち

村の誇り

2014年07月31日 | 自然のソコヂカラ
泰阜村の誇り「万古川」

まんごがわ、と呼びます。

信州を代表する渓谷です。


▼万古川






信州こども山賊キャンプのスーパーコースが、万古川に遊びに行きました。

考えられない透明度、水族館と間違えるほどの魚の多さに、こどもたちは歓声をあげます。

みんなで力を合わせて岩場を乗り越えたり、天然のウォータースライダーで遊んだり、こどもたちも青年ボランティアたちも、泰阜村の誇りを満喫したでしょう。


▼こどもたちは川をさかのぼって・・・





▼魚とりに夢中です





▼渓谷の入り口





▼天然ウォータースライダー





泰阜村の水道水は、この万古川の水です。

村の人々の暮らしはこの水で成り立ち、この水に育てられ続けてきました。

まさに、泰阜村の命ともいえる水です。

この水を飲むだけではなく、今日はどっぷりと身に纏いました。

これでもか、というほど、この水にもぐりました。

厳しい自然と向き合って生き抜いてきたこの村の人々の底力を、きっとこどもたちやボランティアたちは身体で感じたことでしょう。
万古川からの帰り道、とてもいい顔をして、穏やかな雰囲気でした。


ぜひ皆さん、お越しください。


代表 辻だいち


この心地よさ

2014年07月28日 | 自然のソコヂカラ
27日午前7時30分。

田んぼ。

毎朝、毎夕の、はったんどり(水田除草道具)での草取り作業。

このところの猛暑は信州でも同じで、さすがの信州も朝晩も暑い。

でも、日中やるよりマシ、ということで、朝夕に草取りです。

南信州の風習「朝づくり(朝飯前の一仕事)」の意味が、身体でわかります。

今朝は、NPOグリーンウッドの女性スタッフと2人で作業です。


▼すっかり農家のお姉さんになった女性スタッフ





もくもくと作業をしていると、背中から賑やかな声が聞こえてきました。

「だいち~!」

「辻先生~!」

「最長老~!」

すべて私に向けられた言葉です。

私にはたくさんの呼ばれ方があるんですね(笑)



「だいち」とは、キャンプネームで、山賊キャンプのこどもたちや、暮らしの学校「だいだらぼっち」のこどもたちからは、こう呼ばれます。

「辻先生」とは、読んで字のごとし。

私は名古屋短期大学で授業を持っています。

彼女らが大学の実習の一環(単位)として、信州こども山賊キャンプにボランティア参加しているのです。

「最長老」とは、信州こども山賊キャンプの私の立ち位置です(笑)

こどもたちは、なんだかすっかり農家のおっちゃんの佇まいの私に、拍子抜けしたようです(笑)




田んぼで作業をしている後ろを歩いていたのは、今朝、こどもたちが都会に帰っていくからです。

その中には、昨年私が責任者だったコースに参加し、一緒にキャンプをやったこどもが3人と、ボランティアが1人いました。

さらに、なんと10年前に参加したこどもが、今やボランティアとして関わってくれて「だいち、久しぶり~」と近寄ってきました。


なんだかうれしい。

こうやって、立場を超え、距離を超え、時を超えて、つながっていく。

掛け値なしにうれしいですね。

様々な立場の人の関わりが、山賊キャンプの質を深めていきます。

そのキャンプ全体を、泰阜村の人々が自然体で支えます。

泰阜村の風土が土台から支えるのです。

その雰囲気に身を置く、この心地よさ。

その心地よさが、田んぼから足の裏にジワジワと伝わってきます。




早朝の爽やかな風に吹かれて、こどもたちは都会へ帰っていきました。

また、おいで。

いってらっしゃい。



そして、今日から、福島のこどもたちが、キャンプにやってきます。

代表 辻だいち