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バラとおわら風の盆と釣りなどの雑記

哲学の停滞と歴史学

2007年11月22日 | 雑記
アンリ・ベルグソンが行った失語症の患者の研究の結果によると、脳は記憶を呼び起こす装置に過ぎず、記憶そのものの記録は脳には存在しないことが分かりました。では記憶の記録はどこにあるのか。ベルグソンはそこで精神というもの、あるいは心の世界というものの存在を証明しますが、この論文が発表された1896年以後100年以上の時が経ちますが、ベルグソンは難しすぎ、ベルグソンを研究する学者はいるものの、正面からこの問題を扱った学者はいません。オカルトとか心霊現象の事を口にすると、学会からつまはじきにされる風潮は今も変わりがないですが、近年の哲学の停滞はこのあたりにも原因があります。また歴史学者ほどその年代に生きた人の精神あるいは、心持に思いを馳せる必要があるはずなのですが、現代の基準の考え方をもって歴史を論じているのはおかしなことだと思います。その点、字による記録の残っていない考古学の世界は、物的証拠とそれを結びつける想像力のみの世界ですので逆に足枷の少ない研究が出来ているようです。
コメント (2)
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