前回のブログで紹介したように、受精卵クローン牛については、すでに日本を含め、先進諸国で市場に流通しています。また、日本では、厚生労働省が4月1日(2008年)、体細胞クローン技術によって生まれた牛や豚とその子孫の肉や乳の食品としての安全性の評価について、内閣府の食品安全委員会に諮問しました。
それでは、クローン牛は食品として本当に安全なのでしょうか?
『農業クローン牛の食品としての安全性の研究』(厚生科学特別研究事業 平成11年度中間報告書、厚生労働科学研究費補助金研究事業 平成14年度報告書)によると、クローン牛の食品としての安全性について、次のように報告されています。
しかし、クローン牛の死産や生後直死などの発生率は高く、農林水産省の「クローン牛について知っていますか? 早わかりQ&A集」では、その理由としてクローン動物作出技術が十分に確立されていないことなどをあげています。
また、出生時の子牛の体重が平均体重の2倍以上に達する例も散見されています。
その他にも、クローン技術に用いられる電気的細胞融合等の操作や安全性確認の試験内容等を取り上げ、クローン食品の安全性に疑問を投げかける専門家もいるようです。
「食政策センター・ビジョン21」を主宰する安田節子氏は、ウェブサイト『体細胞クローン家畜は食卓に上るか?―厚労省が食品安全委に諮問』で次のように書いています。
確かに、構成成分や栄養機能などの部分的な比較で安全上の問題がないと判断するのは早計ではないでしょうか?
なお、前述の報告書「クローン牛の食品としての安全性」では、研究要旨の後半部分に、次のように書かれています。
しかしながら、現在流通している受精卵クローン牛由来の食品のように、その表示が無い(任意)ままの販売では、安全性を危惧させる要因を検知することは不可能であり、要因を検知できなければ、それを排除することはできません。
これらのことから、私自身としてはクローン技術の安全性については疑問を抱いていますし、行政の取り組みや見解にも不安をもっています。
【主な参考文献】
・クローン牛 解禁を諮問 読売新聞 2008.4.2
・農林水産省 クローン牛について知っていますか? 早わかりQ&A集
・クローン牛の食品としての安全性の研究
厚生科学特別研究事業平成11年度中間報告書
厚生労働科学研究費補助金研究事業平成14年度報告書
東京大学大学院農学生命科学研究科 熊谷進・農林水産技術会議/家畜クローン研究の現状について
・厚生労働科学研究費補助金(ヒトゲノム・再生医療等研究事業)
バイオテクノロジー応用食品の安全性確保及び高機能食品の開発に関する研究」
分担報告書 クローン牛の食品としての安全性
分担研究者 熊谷 進 東京大学大学院農学生命科学研究科
・安田節子のGMOコラム「体細胞クローン家畜は食卓に上るか?―厚労省が食品安全委に諮問」
【gooブログ投稿記事一覧】
gooブログ投稿記事一覧(http://www1.bbiq.jp/ecoecoweb/gooblog.html)のサイトを作成しました。
ここから関連のある記事にアクセスしやすくなりました。
カテゴリー:[環境問題全般]・[地球温暖化]・[水質汚染・水不足]・[大気汚染]・[食料・エネルギー・資源]・[暮らし全般]・[食生活全般]・[食品添加物・化学物質]・[遺伝子組み換え作物・食品]・[電磁波]・[病気・アレルギー・薬]・[心の健康](今後、追加や変更の可能性があります。)
(ランキング参加中)
(よろしかったらクリックをお願いします。)
下記のサイトもご覧ください。
・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」
おすすめの環境・健康商品や本などの紹介も行っています。
・姉妹ブログ「環境とからだにやさしい生活」
それでは、クローン牛は食品として本当に安全なのでしょうか?
『農業クローン牛の食品としての安全性の研究』(厚生科学特別研究事業 平成11年度中間報告書、厚生労働科学研究費補助金研究事業 平成14年度報告書)によると、クローン牛の食品としての安全性について、次のように報告されています。
クローン牛の食品としての安全性について
1) ほ乳類や鳥類については、その構成成分であるタンパク質が一部のヒトにアレルギーを招来することはあっても、構成成分自体が毒性や病原性を発現することは知られていない
2) 国内外でこれまでに得られている知見は、生後1ヶ月以上生存した体細胞クローン牛個体は、一般牛と同程度に正常に生育し、一般牛と差異のない生理機能をもつ→ 一般牛に比べ、こうしたクローン牛個体が、ヒトを含めほ乳動物に対して生物作用をもつ物質を多量に産生したり、新規な生物活性物質を産生していることは考えがたい。
3) 肉と生乳の構成成分は一般牛と異ならないこと、栄養機能において一般牛のものと類似していること、ヒトが通常摂取している量に匹敵する量の肉または生乳をラットに給餌しても健康を害さない。
以上より、クローン牛特有の要因によって食品としての安全性が損なわれることは考えがたい。
しかし、クローン牛の死産や生後直死などの発生率は高く、農林水産省の「クローン牛について知っていますか? 早わかりQ&A集」では、その理由としてクローン動物作出技術が十分に確立されていないことなどをあげています。
また、出生時の子牛の体重が平均体重の2倍以上に達する例も散見されています。
その他にも、クローン技術に用いられる電気的細胞融合等の操作や安全性確認の試験内容等を取り上げ、クローン食品の安全性に疑問を投げかける専門家もいるようです。
「食政策センター・ビジョン21」を主宰する安田節子氏は、ウェブサイト『体細胞クローン家畜は食卓に上るか?―厚労省が食品安全委に諮問』で次のように書いています。
しかし、部分比較でよしとするのは拙速であり科学的評価とは言いがたい。通常の有性生殖を経ずに生まれる、自然界では存在し得ない人工的に生み出された実験動物であり、その安全性は全体的観察、長期的試験が必要で、長い時間をかけなければわからないものだ。
確かに、構成成分や栄養機能などの部分的な比較で安全上の問題がないと判断するのは早計ではないでしょうか?
なお、前述の報告書「クローン牛の食品としての安全性」では、研究要旨の後半部分に、次のように書かれています。
ただし、クローン技術は新しい技術であるために、クローン牛由来の食品の安全性については、慎重な配慮が必要である。クローン牛の人獣共通感染症等疾病への罹患、あるいは同牛由来の乳肉における有害化学物質の残留などによって、安全性が損なわれることのないような慎重な対応が必要である。こうした配慮の下に、その安全性を危惧させる要因が新たに検知された場合には、速やかにその要因を排除できる対応が必要である。
しかしながら、現在流通している受精卵クローン牛由来の食品のように、その表示が無い(任意)ままの販売では、安全性を危惧させる要因を検知することは不可能であり、要因を検知できなければ、それを排除することはできません。
これらのことから、私自身としてはクローン技術の安全性については疑問を抱いていますし、行政の取り組みや見解にも不安をもっています。
【主な参考文献】
・クローン牛 解禁を諮問 読売新聞 2008.4.2
・農林水産省 クローン牛について知っていますか? 早わかりQ&A集
・クローン牛の食品としての安全性の研究
厚生科学特別研究事業平成11年度中間報告書
厚生労働科学研究費補助金研究事業平成14年度報告書
東京大学大学院農学生命科学研究科 熊谷進・農林水産技術会議/家畜クローン研究の現状について
・厚生労働科学研究費補助金(ヒトゲノム・再生医療等研究事業)
バイオテクノロジー応用食品の安全性確保及び高機能食品の開発に関する研究」
分担報告書 クローン牛の食品としての安全性
分担研究者 熊谷 進 東京大学大学院農学生命科学研究科
・安田節子のGMOコラム「体細胞クローン家畜は食卓に上るか?―厚労省が食品安全委に諮問」
【gooブログ投稿記事一覧】
gooブログ投稿記事一覧(http://www1.bbiq.jp/ecoecoweb/gooblog.html)のサイトを作成しました。
ここから関連のある記事にアクセスしやすくなりました。
カテゴリー:[環境問題全般]・[地球温暖化]・[水質汚染・水不足]・[大気汚染]・[食料・エネルギー・資源]・[暮らし全般]・[食生活全般]・[食品添加物・化学物質]・[遺伝子組み換え作物・食品]・[電磁波]・[病気・アレルギー・薬]・[心の健康](今後、追加や変更の可能性があります。)
(ランキング参加中)
(よろしかったらクリックをお願いします。)
下記のサイトもご覧ください。
・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」
おすすめの環境・健康商品や本などの紹介も行っています。
・姉妹ブログ「環境とからだにやさしい生活」