日本の2日目。
午前中は東京都にある聖路加病院で病気や障害を抱える青少年との交流会に参加。
イギリスからのお客様に日本の文化を紹介しようという意図もあって、能楽の演奏や和菓子とお抹茶によるお茶会がもたれた。その後、そこに集まった日英の青少年との和やかな交流が行われ、龍もさやかちゃんという女の子とお友達になった。
そしてその日の龍さんの任務はこの交流会に参加される皇后陛下をシスター・フランシスやヘレン&ダグラスハウスのCEOたちと一緒に玄関先でお迎えすること。が、龍さんにはいつも番狂わせが付き物なのか、そろそろ玄関先へ移動しましょうという頃になって急に龍がグジュグジュと言い始めた。陛下ご登場まであと10分間。なんとか機嫌を直そうとあれこれ試したけど、いつものニコニコ龍には戻らず、泣き顔のままの再会となってしまった
。
でもさすがは美智子様。カメラのフラッシュがパシャパシャと光っているのを見て、フラッシュが原因ではないかと気遣ってくださった。
今回のこうした一連の様子が翌日のフジテレビ(FNN)の「スピーク」という番組で紹介された。ご興味がある方は、
こちらをご覧下さい。(イギリスの方は‘Windows Media Player'の‘Low'を選ぶ必要があるかもしれません。ところでちょっとこの映像を見て、自分の話し方を反省。やっぱり話し方教室に通わねば!)
交流会では皇后陛下が一人一人の子供たち(青少年)に丁寧に声をかけていかれ、その後、シスター・フランシスや今回の旅行の主催者の方とお話しをされるべく別室に行かれた。
皇后陛下が帰られた後、いよいよシンポジウムが開演。交流会の後、FNNの取材を受けていた私が少し遅れて会場入りすると、舞台では華麗なバイオリンとチェロ、ピアノの三重奏が始まっていた。その後、バイオリニストとピアニストでサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」が演奏された。その演奏が本当に素晴らしく、そこからシンポジウムの終わりまで私の涙腺は緩みっぱなしだった。
かなり緊張するかと覚悟していた私のスピーチは、2連夜に渡る睡眠不足と先ほどの「ツィゴイネルワイゼン」、そしてスライド上映用に落とされた暗めの照明のため、意外と落ち着いてできた。
ヘレン&ダグラスハウスからの4人の講演者(創始者シスター・フランシス、CEOトム・ヒル、ダグラスハウス専属の看護士レイチェル・グリフィス、そして私)の話の後、来場者の方の質問やコメントを受けたのだが、中には聞いていて胸を打たれるような話もあった。たまたまオックスフォードに引越し、たまたまヘレン・ハウスと出会った龍一は幸せ者であることを痛感し、日本にこんなにも「子供たちのホスピス」を必要としている人たちがいるんだと、改めてこのシンポジウムの意義を悟った。(写真はシンポジウム終了後の控え室にてHさんと。Hさま、お写真載せちゃいました、ごめんなさーい。)
今回のシンポジウムやヘレン&ダグラスハウスからの訪問者のことはいろいろメディアで取り上げられているようだ。こうした報道が日本の子供たちのホスピス創立につながることを私も願わずにいられない。