友人のマンション5階、ルーフバルコニーでカルガモが子を産んだ。
詩のような牧歌的な絵に見えるが、これは戦いの序章だ。
①子育て編…何か大きな鳥がうちの植木鉢で何かを抱え込んでいる。
カルガモ?なんで?友人宅は広大な公園の隅に建つマンションなのだ。
抱えていたものは果たして、卵だった。そして、感動的な誕生へ。
②旅立ち編…ほほえましい子育てを見て楽しむが、こいつら、どうやって池に帰るのだ?
③帰還作戦…「オペレーション・トモダチ」カル子救援活動の開始。
子らを段ボールにおさめ、近所の森の池に移動させる大事業。
森の飼育員に指導を仰ぎ、5階から池へ移動させる。遷宮並みの大仕事だ。
なぜか。そんな作業をカル親がだまって見守るわけがないのだ。
必死で抵抗し、敵(友人夫婦)にアタックを繰り返す。
友人の心中を察すると心が痛む。「いい加減にしろ(怒)!」
④誘導作戦…親が子らを運ぶ段ボールを見失わないように上空の親カルを見上げながら
慎重に池まで移動する。
しかし、ドラマのように、果たして親は見失う。
⑤感動再会…池近くの森に段ボールをそっと置き、離れて親の帰りを見守ること○○時間。
「来た!!」再会にむせび泣く親子たち、ではなく友人夫婦(たぶん)
こちらにはどのカルガモか見分けがつかんが、当人たちは分かっているのだろう。
と、いった感動物語だった。このときは。
そして、2年後、デジャブは訪れる。
「またや~」
友人のメール第一報に腹を抱えて笑った(ゴメン)
この短いフレーズにすべて凝縮されている。
子が親になり自分の生誕の地に帰ってきたのだ。
どうみても子らは6,7羽いる。この子らも親になり、また帰ってきて…。
刷り込みは永遠につづく。
かくも自然はばかばかしいほど単純でわかりやすい。
「もうやめてや~」と大阪弁で嘆きながら「今年はもっとうまく連れて行こう」と
にんまりしている夫婦の顔がうかぶ。
「グランドマザー」、立派です。
動物も楽しい。