『植物 オヤジ』

日々出会う植物たちの「たくましさ」と「美しさ」を再発見する、ハードボイルド・ボタニカルライフ。音楽、美食なども。

Inprinting 〈刷り込み〉

2014年06月28日 | 日記
       
友人のマンション5階、ルーフバルコニーでカルガモが子を産んだ。
詩のような牧歌的な絵に見えるが、これは戦いの序章だ。

①子育て編…何か大きな鳥がうちの植木鉢で何かを抱え込んでいる。
      カルガモ?なんで?友人宅は広大な公園の隅に建つマンションなのだ。
      抱えていたものは果たして、卵だった。そして、感動的な誕生へ。
②旅立ち編…ほほえましい子育てを見て楽しむが、こいつら、どうやって池に帰るのだ?
③帰還作戦…「オペレーション・トモダチ」カル子救援活動の開始。
      子らを段ボールにおさめ、近所の森の池に移動させる大事業。
      森の飼育員に指導を仰ぎ、5階から池へ移動させる。遷宮並みの大仕事だ。
      なぜか。そんな作業をカル親がだまって見守るわけがないのだ。
      必死で抵抗し、敵(友人夫婦)にアタックを繰り返す。
      友人の心中を察すると心が痛む。「いい加減にしろ(怒)!」
④誘導作戦…親が子らを運ぶ段ボールを見失わないように上空の親カルを見上げながら
      慎重に池まで移動する。
      しかし、ドラマのように、果たして親は見失う。
⑤感動再会…池近くの森に段ボールをそっと置き、離れて親の帰りを見守ること○○時間。
      「来た!!」再会にむせび泣く親子たち、ではなく友人夫婦(たぶん)
      こちらにはどのカルガモか見分けがつかんが、当人たちは分かっているのだろう。

と、いった感動物語だった。このときは。
そして、2年後、デジャブは訪れる。

「またや~」
友人のメール第一報に腹を抱えて笑った(ゴメン)
この短いフレーズにすべて凝縮されている。
子が親になり自分の生誕の地に帰ってきたのだ。
どうみても子らは6,7羽いる。この子らも親になり、また帰ってきて…。
刷り込みは永遠につづく。

かくも自然はばかばかしいほど単純でわかりやすい。
「もうやめてや~」と大阪弁で嘆きながら「今年はもっとうまく連れて行こう」と
にんまりしている夫婦の顔がうかぶ。
「グランドマザー」、立派です。

動物も楽しい。



      
      


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