小山卓治のファーストアルバム「NG」(1983年)より
「アルバムの写真は、当時交友のあった近藤良一氏が1980年に撮った作品だ。
場所はニューヨークのチェルシー・ホテルの一室。
テレビからは、ジョン・レノンが射殺された直後のダコタ・ハウスの様子がニュースで流れている。
この写真を見たことでインスパイアされ、「1WEST 72 STREET NY NY 10023」ができた。
このタイトルは、ダコタ・ハウスの住所がそのままタイトルになっている。」
と彼は書いている。
1980年にジョン・レノンが射殺された。
この曲が作られた1983年、私はNYにいた。
ダコタ・ハウスの前を通るたびにジョン・レノンを想った。
小山卓治という存在はまったく知らなかった。
時が過ぎ
何年か前、初めてこの曲を聴いたとき
あの頃のNYがまるでモノクロの映画のように
甦ってきた。
地下鉄の匂いがする男
オイルの匂いがする女
二人が出会い
愛しあう
哀しみを抱えた心と心
そんな二人がつないだ手と手だから
すべてを感じ取って
お互いの哀しみを愛しいと思えるのだろう
初めてこの曲を聴いたとき
尾崎豊の「I LOVE YOU」を想った
でも尾崎豊の男と女には
破滅の予感しかしない
明日がない
NY NYの男と女には
ほのかな未来が見える
固く手をつないで日陰を飛び出した男と女には
現実と向き合い
うまくやっていけるだけの力が見える
あの頃のNYには
こんな風に出会った男と女があちこちにいたような気がする
あの頃の男と女
今頃どうしているのだろうか
相変わらず売れない絵を描き
NYの小さなアパートで細々とやっているのだろうか
それとも
郊外の小さな家でそこそこに暮しているのだろうか
1WEST 72 STREET NY NY 10023
詞:小山卓治 曲:小山卓治
“あんた地下鉄の匂いがする”
“君はオイルの匂いがするよ”
裏切られてふた晩ずつ泣いた後
2人はこんな風に始まったんだ
最初に2人はベッドで愛を持ち寄り
固く手をつないで日陰を飛びだした
女は上手にダンスを踊った
男は上手にBRUCEを歌った
駅前で演説を30分聞いた後
募金箱を持った女をからかった
号外で紙飛行機を飛ばして
ネックレスを売りはらい食事をすませた
Oh Well Well
2人ならきっとうまくやっていけるよ
Oh Well Well
何ひとつ2人を止めることなんかなかった
夜になり大きなネオンに差しかかった時
ふたつの影はたくさんの靴に踏まれた
モザイクのような星空を見上げて
破れたポケットから小銭をこぼした
“俺達をどこかへ加えてくれないか?”
だけどそれから夜は花火のようにはじけた
壁のポスターは警官にはがされ
信号は赤の点滅を続けた
Oh Well Well
2人ならきっとうまくやっていけるよ
Oh Well Well
何ひとつ2人を止めることなんかなかった
夜が明けてすっかり老けこんだ体で
ダコタへたどり着いた2人は
朝日に静かに洗い流された
サビついた時計は新しい時を刻み続けてる
Oh Well Well
2人ならきっとうまくやっていけるよ
Oh Well Well
何ひとつ2人を止めることなんかなかった
「アルバムの写真は、当時交友のあった近藤良一氏が1980年に撮った作品だ。
場所はニューヨークのチェルシー・ホテルの一室。
テレビからは、ジョン・レノンが射殺された直後のダコタ・ハウスの様子がニュースで流れている。
この写真を見たことでインスパイアされ、「1WEST 72 STREET NY NY 10023」ができた。
このタイトルは、ダコタ・ハウスの住所がそのままタイトルになっている。」
と彼は書いている。
1980年にジョン・レノンが射殺された。
この曲が作られた1983年、私はNYにいた。
ダコタ・ハウスの前を通るたびにジョン・レノンを想った。
小山卓治という存在はまったく知らなかった。
時が過ぎ
何年か前、初めてこの曲を聴いたとき
あの頃のNYがまるでモノクロの映画のように
甦ってきた。
地下鉄の匂いがする男
オイルの匂いがする女
二人が出会い
愛しあう
哀しみを抱えた心と心
そんな二人がつないだ手と手だから
すべてを感じ取って
お互いの哀しみを愛しいと思えるのだろう
初めてこの曲を聴いたとき
尾崎豊の「I LOVE YOU」を想った
でも尾崎豊の男と女には
破滅の予感しかしない
明日がない
NY NYの男と女には
ほのかな未来が見える
固く手をつないで日陰を飛び出した男と女には
現実と向き合い
うまくやっていけるだけの力が見える
あの頃のNYには
こんな風に出会った男と女があちこちにいたような気がする
あの頃の男と女
今頃どうしているのだろうか
相変わらず売れない絵を描き
NYの小さなアパートで細々とやっているのだろうか
それとも
郊外の小さな家でそこそこに暮しているのだろうか
1WEST 72 STREET NY NY 10023
詞:小山卓治 曲:小山卓治
“あんた地下鉄の匂いがする”
“君はオイルの匂いがするよ”
裏切られてふた晩ずつ泣いた後
2人はこんな風に始まったんだ
最初に2人はベッドで愛を持ち寄り
固く手をつないで日陰を飛びだした
女は上手にダンスを踊った
男は上手にBRUCEを歌った
駅前で演説を30分聞いた後
募金箱を持った女をからかった
号外で紙飛行機を飛ばして
ネックレスを売りはらい食事をすませた
Oh Well Well
2人ならきっとうまくやっていけるよ
Oh Well Well
何ひとつ2人を止めることなんかなかった
夜になり大きなネオンに差しかかった時
ふたつの影はたくさんの靴に踏まれた
モザイクのような星空を見上げて
破れたポケットから小銭をこぼした
“俺達をどこかへ加えてくれないか?”
だけどそれから夜は花火のようにはじけた
壁のポスターは警官にはがされ
信号は赤の点滅を続けた
Oh Well Well
2人ならきっとうまくやっていけるよ
Oh Well Well
何ひとつ2人を止めることなんかなかった
夜が明けてすっかり老けこんだ体で
ダコタへたどり着いた2人は
朝日に静かに洗い流された
サビついた時計は新しい時を刻み続けてる
Oh Well Well
2人ならきっとうまくやっていけるよ
Oh Well Well
何ひとつ2人を止めることなんかなかった