goo blog サービス終了のお知らせ 

goto_note

西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

標高別試験地の論文構想

2009-01-23 | 研究ノート
・今日のゼミでは、Oさんによる富良野のGISデータ基盤の整備の話がインパクトがあった。当方が富良野にいたころには、実用レベルにはまだ時間がかかりそうだったGISだが、施業レベルでの浸透が進み、研究サイト・データとしても使えるデータが相当に充実している。とりあえず、アカエゾマツ各サイトの環境データとしても使えそうなデータが整備されているようで、後日、具体的な相談をできることになった。

・標高別試験地の論文構想についてOさんと1時間ほど打合せ。解析の方法、用いる図表、イントロとディスカッションのロジックなどを整理。議論するうちに、論文としての位置づけもクリアーになり、ようやく書けそうな気がしてきた。もう少しデータを整理して再解析をする必要はあるが、やっぱり議論することは大切である。久しぶりに論文ノートの本領発揮となるか・・・。

論文への反応

2009-01-22 | その他あれこれ
・会議缶詰。3つもの会議を終えると、それらの資料が分厚い冊子になっている。道理でかばんが重いはずである。林学会要旨〆切り直前で、いくつかやりとり。自分がどの発表と関係しているのか整理しておかないと、後でまとめるときに苦労しそうである。

・ヒノキ論文について、お世話になっていた熊本の篤林家の方々から、論文に対する感想を頂いた。この論文は、熊本県阿蘇地方のヒノキ品種の品種間の遺伝的関係とその原産地を推定する、という内容である。想像以上に品種間で遺伝的に類縁関係にあるということ自体は、品種成立の経緯と照らし合わせてみてもリーズナブルだと思うのだが、原産地推定の方はマーカーの解像度と原産地候補を全て網羅できているか、という2つの問題をはらんでいるのは無視できないところである。

・それにしても、英語の論文にもかかわらず、このような反応を頂いたことに驚きつつ、篤林家の方々の熱い想いに感嘆。こうした感想を拝見すると、論文を出すということの責任を感じる。しかし、現場の方々から、このように論文に対する反応があるというのはやはり嬉しいことである。

憂鬱な季節

2009-01-21 | その他あれこれ
・自慢にならないが、重度の花粉症である。さすがにまだ花粉は飛んではいないようだが、既に鼻が少しおかしい(乾燥?ハウスダストに反応??)。ということで、耳鼻科を受診して、薬をもらう。朝、夕、寝る前など複雑な時間設定なので、混乱しそう。点眼薬と点鼻薬も頂いたので、少し安心。

・北海道のシラカバに比べると、スギの花粉飛散は早いので、早めに対策を講じないとえらいことになりそうなので・・・。関東近辺のスギ花粉量はそれほど多くないという予報のようだが、いずれにしても、憂鬱な季節が近づきつつある。

・思わず引き受けてしまった査読あれこれ。今回はいつもと比べて、ストレスが少ない。それぞれに勉強になるところもあるし、変な英作文で悩むことも少なそうである。今週は会議ウィークなので、通勤時間で査読処理を進める。満員電車で英語の論文を読むのは辛いが、とにかく進めるしかない。

GIS事始

2009-01-20 | フィールドから
・当試験地にてGIS講習会。本日は、各演習林から参加した受講者に、当試験地内に設定したプロットの周囲についてのGPSデータを取得してもらうとともに、一部の樹林地について、レーザーコンパスによる樹木位置図を作成する、というのが実習の内容。実習という形をとってはいるが、当試験地にとっては、GISを機軸とした試験地管理のためのきっかけとなる(はずの・・・)記念すべき日である。




・講義室で挨拶と概要説明後、早速現地へ。先日設定した各島の変曲点で30秒間ほど静止し、座標データの平均値を取得。最初は、少し押し気味のタイムスケジュールだったが、島ごとに手分けしてGPSデータ取得を始めると、あっという間に作業完了。GPSを日ごろから利用している参加者も多く、想像以上にスムーズに行った。

・樹木位置図の作成は最新のレーザーコンパスとPDAを利用したシステム。決して安くはないものの、一式揃えておくと強力なラインナップだ(近いうちに揃えたい!)。ところでPDAを利用する場合、データ取得後の操作はとっても楽だが、個体番号を入力するのが意外と時間がかかる。また、順調にいっているときはいいのだが、いったんトラブルがあると大変である。

・個体番号などが既に分かっている場合には、レーザーコンパスで測定後、方位と距離を紙に書くという従来型の方法も捨てがたかったりする(その後、入力する手間はもちろんあるのだが・・・)。などと感じてしまうのは、当方がアナログ人間である証拠であろう。むろん、測定するポイントの数にもよるんだろうけど・・・。

・今回の実習では、当初、見通しのよいG03だけについて、樹木位置図作成を計画していたのだが、急遽、見通しの悪いG01も樹木位置図の作成することに。結局、今回の講習でG01とG03の樹木位置図が完成。先日、当方たちで個体位置図作成を行ったG02と合わせれば、樹木見本林のかなりの部分の個体位置図が完成するはずである。いやはや、本当に有難い!

・今回の講習会では、NさんをはじめとしてGIS作業部会・受講者の皆さんに大変お世話になった。これを機に一気にGISを機軸とした樹林地、個体管理を進めて、研究サイトとしての魅力を高めたい。それにしても、今回の実習マニュアルなどは実に素晴らしい。日ごろ、何気なく利用しているGPSだが、基本を押さえる必要があることを痛感。何事も基本が大事ですなあ・・・。

葉緑素

2009-01-19 | フィールドから
・GIS講習会を明日に控えて、その準備。天気が回復して暖かくなった。3人で明日、GPSデータを取得するコースを確認しつつ、変曲点にピンクテープをつける。現在、10箇所の島に分けているわけだが、この分け方はそれなりに機能しそうである。変曲点をどこまで細かく取るかというのは性格が出そうな感じだ。GPSの精度がどのくらいまでいくのか(囲んだ島が交差したりしないかどうか・・・)、楽しみである。



・見回っている最中に、自然定着したらしい斑入り個体のとある枝の1本が完全に薄い黄色になっているものを発見。写真だとよく分からないが、下のほうでつながっている。これも枝変わり・・・なんだろうか?。妙に気になるところだが、自然界では淘汰されてしまうのだろう。こういう枝って結構あるのかもしれないねえ・・・。

リスニング

2009-01-18 | その他あれこれ
・昨日と今日はセンター試験。東京界隈は悪天候にならずに、何よりである。ところで、朝日新聞によると、英語リスニングでは結構な頻度でトラブルがあったらしい。トラブルのあった会場の試験監督は大変だったろうな、とつい同情してしまう。

・ところで、当方もずいぶん英会話から遠ざかっている。今年は森林学会のシンポ(なんと英語)でコメンテーターをしたり、6月には国際シンポに参加する予定なので、少しは”英語が聞ける耳”になっておきたいところだが、やはり地道に努力するしかないよねえ。

・お年玉付き年賀状の当選番号が新聞に載っていないと思ったら、1月25日が抽選日だった。以前は、15日に抽選して、16日の朝刊に載っていたと思ったんだが・・・。ちなみに1位は、液晶テレビとか、国内旅行とか、なかなか魅力的な景品である(当たらないかな・・・)。

・苗畑で成長経過を調べたヤチダモの遺伝子型データをUくんから送ってもらったので、早速、解析を始める。”遺伝解析と苗畑実験の組合せ”というのは、初期の頃から暖めていたアイデアだったが、ようやくその答えに迫ることができそうだ。まだ解析途中だが、果たして何が見えてくるか・・・楽しみ!

地がき論文改造

2009-01-16 | 研究ノート
・地がき論文の考察を考える。イントロを大きく改訂するとなると、考察も当然大幅改訂になるわけだが、こちらは混迷してきた気がする。英語でこのまま進めると訳が分からなくなりそうなので、一度、日本語で書き直す。ううむ。このまま作業をしているとはまりそうなので、一度、Iくんに送って議論してから進めることに。

・油断している間に、査読がいくつも重なってしまった。しかも、一つはかなり重い。しばらくは、どんな審査依頼が来ても、とてもじゃないが断るしかない。今回の査読は出来は悪くないので、勉強にもなるんだけど・・・。

・ヤチダモ種子の散布実験のデータを掘り返してみる。だいぶ忘れていたのだが、ようやく記憶が戻ってきた。種子の重さ、風速、滞空時間、距離などをまとめてみることができるようにデータの形式をそろえる。このころはまだRを使っていなかったので、データセットが分かりにくいといったらない。そろえるだけで結構な時間がかかってしまう。再解析で何か見えてくるだろうか・・・。

虎刈りヒノキ

2009-01-15 | Weblog
・Tさんとともに、ヒノキ採種園の断幹と枝の剪定。I先生にご指導していただいたとおり、2mの高さで断幹しつつ、枝を半分程度に切り詰める。最初はこんなに切り詰めて大丈夫か?とおそるおそる切っていたのだが、だんだん調子(?)が出てくる。



・作業途中に、「カラスがロープにひっかかっている」という情報が寄せられたので、いったん中断して現場確認に行く。ぐるぐると歩き回った結果、昆虫トラップの紐が羽と足に絡んで、宙吊りになったカラスを発見。なんとかトラップを引き下げて、カラスを紐から外すことができた。遠くで見るとやかましいカラスだが、近くで見ると案外かわいい顔をしている。

・採種園に戻って作業再開。小春日和の中、Tさんとは10mくらい離れて別の列で作業をしているので、黙々と作業。ひたすらにヒノキの枝を剪定していると無我の境地というか、なんというか美容師になったような気がしてくる(虎刈りになってたりして・・・)。帰りがけにふと苗畑方面を見ると、この日和に誘われたのかロウバイの仲間が花をつけている。当試験地では花の中心が赤(下の写真)と花の中心が黄色の2タイプがある。



・Kさんからの指摘を元に、地がき論文の大改造に取り掛かる。現在のバージョンを改めて読み返してみると、イントロの流れが確かによくないように思える。とりあえず、パラグラフを大きく移動させたり、全く新しいロジックを考えたり・・・。うんうんとうなりながらの作業。あまり人にお見せできるものはない。とりあえず、大改造版のイントロたたき台らしきものができた(ような気がする)。後はこれを精査しつつ、肉付けしていくという作業が必要である。

ムクノキ

2009-01-14 | フィールドから
・午後からスタッフとポプラの保存園や苗畑での状態を確認に行く。よく活着しているものと、活着していないものがはっきりしている。本試験地には39の改良ポプラ品種があるのだが、品種がはっきりしているうちに、DNAとして保存しつつ、マーカーによる識別のシステムを作ってみようかという気になりつつある。39という数はいかにも手ごろだし・・・。そう考えてみると、品種原木の位置図も作りたいような気がしてきた。

・突然、「ムクノキが見たい」という一般の方からのお電話があり、全木調査のデータを見直してみる。なるほど、当試験地に大きい個体はあまり多くない。しかし、LTER付近では、胸高直径5cm程度の個体は結構生えている。ふと、Iさんに聞いてみると、意外なことに車庫のすぐ裏手にかなり大きな個体があった。



・武蔵野の雑木林を代表する樹木だということで、Sさんからも教えてもらった記憶があるが、当方にとって、このムクノキの性格(種特性?)ってのが、まるでイメージできない(ムクノキの実は美味しいらしいけど・・・)。そもそも、冬のこの時期では、ざらざらとした葉を触らないとなかなか同定できない。これを機に少し気にしてムクノキを観察してみることにしよう。

トドマツ交雑論文修正稿、投稿

2009-01-13 | 研究ノート
・朝から弥生。生協にて、パソコンの電源アダプターの別売りを購入。ノートパソコンを持ち歩くと、電源アダプターが意外と重い。”これを自宅と職場に置いておけば、とっても楽ちん”、というフレーズに惹かれてしまった。これで少しはかばんが軽くなる・・・はず。

・トドマツ交雑論文の英文校閲が戻ってきたと思ったら、いきなり違う原稿ファイルが添付されている。これはちょっとひどいミスだ、ということでクレームを出すと、即座に平謝りのメールと正しいファイルが返ってきた。おいおい・・・。

・この雑誌に修正原稿を提出するのは初めてだったので、最初は手順が分からずに少々戸惑う。いつものことながら、投稿が完成するまでは気が抜けず、意外なほど時間がかかってしまう。修正コメントも追加できていることを確認し、ついに投稿!うーし、後はいい結果を期待しつつ待つだけである。