健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

細胞にRNA標的の自食作用

2012-12-21 08:30:40 | 研究
遺伝情報の伝達役としての役割を担う一方、過剰に蓄積すると病気の原因にもなるRNAを、細胞内小器官の1つあでるリソソームに選択的に取り込んで分解する仕組みがあることが明らかになったそうです(医療介護CBニュース)。RNAの過剰な蓄積は、失明の原因にもなる加齢黄斑変性症(萎縮型)や、筋力が低下する筋強直性ジストロフィーを引き起こすと考えられているそうで、これらの病気の原因解明や治療法への応用も期待されるそうです。リソソームの中には、タンパク質や核酸(DNAやRNA)を分解する多様な酵素が含まれており、細胞内には不要な物質をこのリソソームに運んで分解する「オートファジー」(自食作用)と呼ばれる仕組みがあります。しかし、リソソームにRNAを選択的に運ぶことはこれまで知られておらず、今回この仕組みを「RNAutophagy」と名付けられたそうです。実験では、マウスの組織から単離したリソソームと精製したRNAを、生体内のエネルギー源となるATPを含む溶液の中で混ぜると、RNAがリソソームに取り込まれ分解されることを発見したそそうです。これに対し、ATPを含まない溶液では、これらを混ぜてもRNAは取り込まれず、この取り込みにはエネルギーが必要だということが分かったそうです。また、リソソーム表面の膜を貫通して存在する「LAMP2C」と呼ばれるタンパク質の、膜の外側の部分にRNAが直接結合することを発見し、さらにこのタンパク質を強制的に作らせた培養細胞の中では、RNAの分解量が増加し、こうした細胞から単離したリソソームで、RNAの取り込み量が増えることも分かったということです。また、LAMP2Cを作るための「LAMP2遺伝子」が欠損したマウスの脳から単離したリソソームでは、取り込む量が低下したとも。RNAutophagyではLAMP2CがRNAを受け取る役割を果たしているとなるそうです。興味深いですね。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ノロウイルス

2012-12-21 08:30:14 | 日記
今冬はノロウイルスによる感染性胃腸炎が大流行する恐れがあると、国立感染症研究所が注意を呼びかけています(YOMIURI ONLINE)。周囲でもかなりはやっています。ウイルスの遺伝子変異が原因で、全国3000か所の医療機関の報告では、11月26日~12月2日の患者数は1か所平均18人に急増したそうです。最近10年間で、もっとも流行した2006年の22人に次ぐ勢いだそうです。感染研によると、変異したウイルスは、今年1月に北海道と大阪で初めて検出された後、10月までに東京や新潟、沖縄など計9都道府県に広がったことが確認されたそうです。人体には一度感染したウイルスや細菌を記憶し、効果的に撃退する免疫があるが、変異したウイルスは、免疫による防御をかわして感染しやすいそうです。ノロウイルスはもともと感染力が強く、せっけんやアルコールによる消毒は効かないそうです。体力のない幼児や高齢者がかかると、激しい下痢や嘔吐で脱水症状を起こすことがあるそうです。気をつけましょう。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする