健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

ヒトの造血幹細胞をヒトの皮膚細胞に1つの遺伝子導入だけで

2010-11-09 08:28:01 | 研究
全ての血球細胞を作り出す造血幹細胞を皮膚細胞にOCT4遺伝子を導入しただけで作り出すことに成功したそうです。OCT4とはoctamer-binding transcription factor 4の略だそうで、POU5F1(POU domain, class 5, transcription factor 1)とも呼ばれています。OTC4は未分化細胞のマーカにもなるようで、自己複製能力と密接な関係があるようです。万能細胞つまり幹細胞というと京都大学の山中先生が樹立したiPS細胞が有名でかつ注目されています。iPS細胞は、OCT3/4、SOX2、KLF4、C-MYCの4種類の遺伝子を導入して樹立されていたと思います。今回のものは造血幹細胞とはいえ、1つの遺伝子の導入のみで作成されています。ですので・・・・・。今回のアドバンテージは、ヒトの皮膚細胞を使って、ヒトの造血幹細胞を作製したということです。ですので、より臨床研究に近いと言えるかもしれません。でも、結局はウィルスを使って遺伝子を導入していますので、腫瘍化する恐れは依然として残っています。この点が、こうした万能細胞を利用した再生医療の大きな問題点でしょうか。遺伝子導入することなくこうした万能細胞が樹立できれば・・・・・。無理ですかね。でも、日々研究は確実に進歩しているようです。
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