科学研究の評価というものは非常に難しいものがあると思います。例えば、ノーベル賞。確かに世界最高峰の栄誉と言うことなのですが、ノーベル賞の受賞対象とならない研究はたくさんあり、それらが全て価値が低いというわけではないと思います。でも、取ってみたいというのが本当のところですが・・・・・。さて、科学研究の評価法として「論文の引用数」というものがあります。研究者は自身の研究成果を論文として公表します。学会発表でも公表したことになるのですが、学会発表では当該学会の出席者しか評価できません。ですので、論文として公表して、より多くの研究者等に評価を受けるということになります。さて、こうして自身の研究成果を論文としてまとめていく際に、自身の研究の背景や関連研究内での位置付けを明確にすることで、研究の意味を説明していきます。さらに、自身の結果を解釈する場合には、関連する研究結果との比較などをすることで、自身の研究成果の客観性や意義を高めるために説明していきます。このように、自身の研究成果を論文化する際に、他の関連研究論文を引用するのです。例えば、インパクトのある研究や方法的に優れた論文などは良く引用されることになります。日本の科学研究論文が最近5年間で引用された割合に関して、世界平均より低く、これまで首位だったアジア地域でもシンガポールに抜かれて2位になったと報道されました(YOMIURI ONLINE)。記事からでは、日本の研究機関に所属する研究者が発表した論文なのか、日本人が著者となっている雑誌なのか、詳細は不明なのですが・・・・・。最近ではシンガポールを筆頭に、中国等も国を挙げて科学研究に注力しているようです。こうした中で、研究者1人が1年間でできる研究とその成果として発表できる論文の数は限られています。そのため、研究チームを構成して、組織的に研究していくというところが、多くの研究論文を公表していくということになります。また、研究費があれば、優秀な研究者を世界中から集めることができるので、より良い研究成果が期待できます。つまり、研究費がある程度ないと多くは望めないということになります。事業仕分けなどもあり、日本の科学研究に関する予算は削減される方向にあると考えられます。ですので、今後ますます論文引用数などの科学研究の評価に関する数値は低下していくのではないでしょうか。一研究者として非常に心配です。
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