セイコーAGSキネティックドライブとシチズンECOドライブ
シチズンのECOドライブの調子が悪いというので、修理を依頼されました。
シチズンのエコドライブです。ソーラー発電で電源を供給しています。シチズンが世界で最初に開発したシステムです。
すぐに止まってしまうというので、中の様子を見てみます。キャパシタのリチウムバッテリー(パナソニックMT621)が付いていました。腐蝕もしていないし、電池の劣化もみられません。MT系の電池は、500回の充放電が可能のようです。
止まってしまうと云うのは、あまり光に当てていなくて充電量が不足していたようです。特に太陽光に当てなければ充電が不足するという訳ではありません。室内でも灯りがあれば常に充電します。
セイコーのAGSとキネティック・オートリレーです。どちらもローターによる自動発電装置により、電源を確保しています。
室内光でも光に当たってさえいれば発電されるシチズンのエコドライブに比べ、セイコーのAGS、キネティックは、常に動かしていないと充電されず電源が確保できません。その点はソーラー発電の方が使い勝手は良いですね。しかもAGSキネティックのローターによる発電量は少なくて、左のAGSは72時間、3日しかもちません。3日間動かさないと止まってしまいます。
その欠点を補うため開発されたのがオートリレーシステムです。電池の改良により充電量を増やすとともに3日間時計を動かさないと一番電気を食う針の動きを止めてしまいます。その間は内部のメモリーに時間をカウントして再び時計が動いた時、つまり発電が始まった時に現在の時間に一気に針を動かします。電源の容量不足を補うために考え出された、システムですね。暗い所に保管されていても取り出した時に、ただちに現在の時間を表示する。考えましたね、さすが世界のセイコー凄いですね。ちなみに3年間、時計を動かさなくても正確な時刻をカウントしているそうです。(試したことないので、判らない。)
この左のAGS(ローターによる発電システムの古い言い方)のキャパシタが弱ってきているようなので、見てみました。
発電用のローターが付いてます。これも外して、充電電池を取り出します。
コイルは時間を刻むステップモーター用の電磁石と発電用の二つがあります。(シチズンはソーラー発電なので、ステップモーター用に一つしかありません。)
リチウム充電電池にはGC920と規格が刻まれていました。マイナス側には金属のプレートが貼り付けられています。同じ規格のキャパシタの部品には、電池と共にこれらのプレートや絶縁のためのシート片もセットされています。
少し劣化があるようですが、まあ何とか動いているので、このまま使うことにしました。
キネティック・オートリレーの方も、機構が作動する前に電源不足になってしまって、機能確認ができません。おそらく電池の劣化が原因だと思うのですが、まあもう少し様子を見ることにしました。
- 追伸 -
セイコーのフレームリレー、しっかり動きました。十分自動巻きで充電してから、3日ほど動かさずに置いておいたら、針が止まっていました。手に取って自動巻き充電をしてみたら、時針、分針が最短距離で現在の時間の位置まで動いてピタリと止まりました。時針、分針が止まったあと秒針が右回りに動いて、多分止まった時の秒針の位置まで動いてそこから秒を刻みだしました。
以前は針が止まる前に秒針が2秒ずつ進んで電池切れの警告を示していましたが、今回はキッチリ止まってフレームリレー機能が確認できました。滑らかな針の動きで現在時間の位置でピタリと止まって秒針まで動いて・・・けっこう感動しました www
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