1月8日 晴れ
寒波のため外は滅法寒いが、空には三日月が冴えわたる。
さてこれから書くことは、江戸時代最後の仇討ちの話。この時代は大石内蔵助ら四十七士の仇討ちの話に見るように、侍の仇討ちがもてはやされたのであった。彼らは世の中を騒がせたというので、処罰を受けることになり、切腹する。しかし予め役所に届けた仇討ちならば罰せられないどころか褒められたのだという。
私の隣のW家は奥さんの実家がその最後の仇討ちの主人公の遠縁に当たるという。古文書が残っており、それをW氏は一生懸命解読して一冊の記録を作った。なかなか凝り性の彼は勤めを定年後ちょうどよい仕事と考えたようだ。奥さんはコーラスに凝って、海外にまで出かけたりする元気な方である。
ことは新潟県新発田で起こった。文化12年(1815年)新発田藩の久米弥五兵衛という人が瀧澤休右衛門と将棋を指していて、久米は瀧澤に殺され、瀧澤は出奔して身を隠した。僧になって方々を渡り歩き、最後は仙台藩のある寺に黙昭と名乗っていたよし。久米の子息幸太郎と盛次郎は幼かったが、成人して瀧澤の行方を探し、ついに42年後の安政5年(1857年)叔父の助けも借りて仙台藩領牡鹿郡祝田村で仇討ちを遂げる。瀧澤休衛門このとき80歳を越えた老人で、しかも僧体であったから、哀れといえば哀れであった。
この話は1998年にNHKも取り上げたことがあり、最後の仇討ちとして話題になったという。
人殺しは最大の悪事で時効も廃止すべきだと論議されている。一方で復讐は現代の精神からすると野蛮な行為であり、殺人犯の死刑は廃止せよという声がある。確かに復讐は復讐の連鎖を生むから、どこかで断ち切らねば際限もなく争いが続く。日本人は世界の中の動きに敏感であることが必要になり、自分自身の改革に努めてきた。これからの世の中でやはり生命の尊重を言うには死刑は廃止の方向だあろうが、なお当分は廃止も出来ない状況が続くと思われる。自殺者が3万人も出る世の中で、この社会的閉塞を打破してゆかねばならない。
寒波のため外は滅法寒いが、空には三日月が冴えわたる。
さてこれから書くことは、江戸時代最後の仇討ちの話。この時代は大石内蔵助ら四十七士の仇討ちの話に見るように、侍の仇討ちがもてはやされたのであった。彼らは世の中を騒がせたというので、処罰を受けることになり、切腹する。しかし予め役所に届けた仇討ちならば罰せられないどころか褒められたのだという。
私の隣のW家は奥さんの実家がその最後の仇討ちの主人公の遠縁に当たるという。古文書が残っており、それをW氏は一生懸命解読して一冊の記録を作った。なかなか凝り性の彼は勤めを定年後ちょうどよい仕事と考えたようだ。奥さんはコーラスに凝って、海外にまで出かけたりする元気な方である。
ことは新潟県新発田で起こった。文化12年(1815年)新発田藩の久米弥五兵衛という人が瀧澤休右衛門と将棋を指していて、久米は瀧澤に殺され、瀧澤は出奔して身を隠した。僧になって方々を渡り歩き、最後は仙台藩のある寺に黙昭と名乗っていたよし。久米の子息幸太郎と盛次郎は幼かったが、成人して瀧澤の行方を探し、ついに42年後の安政5年(1857年)叔父の助けも借りて仙台藩領牡鹿郡祝田村で仇討ちを遂げる。瀧澤休衛門このとき80歳を越えた老人で、しかも僧体であったから、哀れといえば哀れであった。
この話は1998年にNHKも取り上げたことがあり、最後の仇討ちとして話題になったという。
人殺しは最大の悪事で時効も廃止すべきだと論議されている。一方で復讐は現代の精神からすると野蛮な行為であり、殺人犯の死刑は廃止せよという声がある。確かに復讐は復讐の連鎖を生むから、どこかで断ち切らねば際限もなく争いが続く。日本人は世界の中の動きに敏感であることが必要になり、自分自身の改革に努めてきた。これからの世の中でやはり生命の尊重を言うには死刑は廃止の方向だあろうが、なお当分は廃止も出来ない状況が続くと思われる。自殺者が3万人も出る世の中で、この社会的閉塞を打破してゆかねばならない。