私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

53 ガザの悲劇

2009-01-15 04:40:31 | weblog
今年に入り中東パレスチナのガザ地区が今大変なことになっている。隣国イスラエルの空から陸からの攻撃によってすでに1,000人を超す死者が出ており、このうちの30%は子供だと言われている。
パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスは、昨年末に失効する停戦協定の条件を有利にすべく隣接するイスラエル領内にロケット弾を撃ち込んだ。これに対しイスラエルは、ハマスのテロ攻撃から市民を守ることを口実に過剰な反撃を行い攻撃を正当化している。というのもイスラエルは2月の総選挙を控えており、現政権のリブニ外相、バラク国防相も首相の座を狙っていて、テロリストに軟弱な姿勢を有権者の前に見せられない事情がある。
一方、不幸にもガザ住民はこの一握りのハマスを政権に選んだ結果のツケが今まわってきた感じだが、ハマスとしても自分の国を聖域に攻撃を続け、莫大な犠牲を生じさせることは、統治責任をもつ者のすることではない。
「戦争とは別の手段をもってする政治の延長である」また「戦争は武力をも直接使用して国家の国策を遂行する行為」とどんなに立派なことばで表現してみても、罪のない民間人が被るガザの惨劇がなくなるわけではなく、このままでは暴力やテロの連鎖が繰り返され、戦闘が長期化するだけである。
国境や宗教それに民族や政治が紛争の原因であるならば、フランスやサウジが個々に仲介するのではなく、何故国連が前面に出てその権限を行使しないのか。
国連とは、世界平和を維持し、困っている人達を助ける機関ではないのか。海賊船の問題も同じことが言えるが、国連のふがいなさに改めて失望する。