私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

赤ちゃんポスト

2007-03-21 08:54:03 | weblog
「赤ちゃんポスト」は、その名称の違和感は別として諸事情のために親が育てることのできない新生児を、受け容れるための容器及びシステムで、日本にはこれまで実例はなかった。今回熊本市の慈恵病院がその設置を計画、設置申請をしたことからこれが社会問題化した。これには法的な問題や育児放棄の助長など賛否両論がある中、すでにイタリア、ドイツではNPOや私立病院によって数多く設置され定着している。
厚生労働省も本年2月設置申請に対し「明らかに違法とは言いきれない」として熊本市に設置を認可したが、これからの運用に当たってはまだ論議を呼びそうだ。
私はこの問題については以前から疑問をもち矛盾を感じていた。新生児の堕胎や遺棄は古い昔からこれを法律が厳しく禁止してきたが、近年、優生保護法に基づく堕胎が一般化した。しかし、堕胎費用が高額のため病院で処置できない生活困窮の女性の一部が、新生児を遺棄し刑罰を受けている現実・矛盾がそこにある。
私自身赤ちゃんポストについては、当初「子捨て」「育児放棄」を助長するものと短絡的に考え、その設置には反対の考えでいたが、たとえ望まない妊娠出産であっても生まれてくる子供になんの罪もなく人として生きる権利はある。
この設置によって失われる命が救われる可能性が少しでも高まり、殺人・遺棄など母親が犯罪者になることが防げ、さらに将来子供の引き取りの道も開けてあるとすればむしろ賛成し拍手を送りたい。-ポスト先進国であるヨーロッパでは、実施後50%を超える母親が引き取りにきている現状をみると、かけがえのない命、変らぬ母子の情愛に国情の差などない。