私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

金属ドロ

2007-03-05 10:28:45 | weblog
「浜の真砂は尽きぬとも・・・」最近各地で金属ドロが横行している。
対象は鉄板、電線、側溝・マンホール蓋、半鐘それに墓場の線香台・花立てにまで及び、今度は公園にある子供遊戯用滑り台が消えた。この調子だと銅版葺きの屋根や塀まで身ぐるみ剥がされるのではないかと心配したくなる。
鉄、銅、ステンレスが狙われる背景には、北京オリンピックの建設ラッシュの需要が高騰をよび追い討ちをかけているようだ。それにしても高圧電流が流れている高所で危険を冒して敢行する電線盗、手当たり次第に側溝やマンホールの蓋を持ち去ることによってどれほど大きな迷惑や危険が生ずるか計り知れない。もともと窃盗はその所有がAからBに移るだけだが、今回一連の金属ドロの行為は、自分の利益を図るばかりか社会公共の危険を与えており、その犯情に同情の余地はなく罪深い。
私の知る限りでは、過去に半鐘が何十個も連続して盗られたケースなど聞いたこともない。それは「ドロボーにも一分の魂」があり、単に「高く売れるから」といったものではなく、彼らなりのドロボー哲学が無節操に窃取することを抑制していたと考えられる。
まさか兵器に転用するとは思わないが、「中国は世界中のスクラップを買いあさっている」といわれる通り、盗られた金物は溶解、切断、分別されて海外に出て行く。行為者ばかりでなくこの買取り悪質(仲介)業者を摘発しない限り、これからもこの種無節操な窃盗事件は絶えそうもない。