私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

胴体着陸

2007-03-14 11:40:52 | weblog
3月13日高知空港を離陸した全日空1603便ボンバルディアDCH8-Q400型が着陸時に前輪が出なくなり、同空港に引き返し胴体着陸した。幸い機長の冷静な対応と卓越した操縦技術によって乗員・乗客60名は難を逃れたが、こんなお粗末な劇場型シーンは、どんなにテレビ放映をされてもあまり見たくない。
同機はプロペラ機でありながらジェット機並みの速度が出、小回りもきくことからYS11の後継として主にローカル線に就航しており、現在日本各社で30数機を保有しているという。報道によればこの機種のトラブル率は、他機種に比べて圧倒的に多いらしい。飛行機事故の80%までが離発着の際に起きていることを考えると、飛行機にとってエンジンと足回りのトラブルは致命的といえる。
それだけに機種選定にあたっては、単に価格や航行速度ばかりでなくトラブル率の少ない機種、安全性を最優先とした総合的な判断をしてもらいたいものだ。
また、航空機事故の都度思い浮かぶのが「ハインリッヒの法則」である。同法則は「1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する」というもので、ヒャッとした潜在事故の数が多ければ多いほど現象事故の確率は高くなる。
空の安全のためにトラブル率を少なくし、設計・製造・整備・安全管理等から徹底した原因究明を行い、再発防止を図ることをこの業界に強く求めたい。
「タッチ・アンド・ゴー」の前に「セイフティー・アンド・ファースト」の方が先ではないか。