
スチール・ギターを弾いているときに何かの弾みでピックが指から外れて足元に転がるような出来事が偶に起こります。
弾いている場所が足元の暗いところですと見つからないことが多いですし、足元が見えても転がった先まで手や足が届かない場合にはその曲の演奏が終わるまではピック不足のまま続けるしかありません。
足元に落下すればまだマシで、ハワイアン・ギター(アコースティック・スチール)を弾いているときにピックがサウンド・ホール内部に落下した時は演奏終了まで取り出すことができず焦りまくります。
いっぽう、ステージでスチール・ギターとウクレレを持ち替えるようなアレンジにした場合、ウクレレ演奏中にトーンバーやピックを置く場所として、スチール・ギターの弦の上や譜面台の上を選ぶことが多いのですが、ちょっとした弾みでそれらの場所から落下してしまうことが多く起こります。
やはりスチール・ギターのトーンバーやピックはしっかりしたホルダーを作るべきでしょう。
HSGA(ハワイアン・スチール・ギター協会)の機関紙にはこのような製品の広告が載っていました。
写真から見るとギターの脚に取り付けるようになっているようですので、ラップ(膝載せ)スチールでは使えないようです。
友人の`I`iviさん(平野隆一さん)のサイトにはこのような手作りのトーンバー・ホルダーと
ピック・ホルダーを
紹介されています。
これですとラップ・スチールにも取り付けられますね。
今回思わぬきっかけで私の愛用のスチール・ギターに付けるホルダーを作成することになりました。
先日ギター・ケーブル(いわゆる「シールド」)を購入しましたが、それが収められていた内部のプラスチック製トレイに半径80mmの「壁」が設けられていました。(写真右端)
この曲率が私のスチール・ギターの「膨らみ」部の曲率に近いためこれを活用することといたしました。
「壁」の部分はこのトレイに三か所あるので、そのうち写真の左上と右下二か所の「壁」を切り取って背中合わせに貼り付けた状態で、下向きの「壁」は楽器の膨らみ部に突き当て、上向きの「壁」はホルダーの落下防止の壁として使うことにいたしました。
ただし右下の切り取り部分の直線状の3辺は立ち上がり部分より内側を切り取る必要があります。
さらにホルダーのうえにピックをそのまま載せると弦の振動によりピックが音を出しながら動き回ることも考えられるので、ホルダーの底にブチルゴムのスポンジをベースとしたクッション材の両面テープ
を張ることにいたしました。
これにピックを張り付けた状態の写真です。シンブル・ピック(金属)3個とサム・ピック(プラスチック)1個の全部を「予備」に使うこともできますし、シンブル・ピック1個だけを「予備」にすることも可能ですね。
今まで使っていたトーンバーは直径18mm、長さ80mm、質量192grのものですが、そのバーを載せるとわずかにホルダーからはみ出します。
そこで一回り短い直径18mm、長さ72mm、質量136grノバーを載せるとしっかりと収まりました。
楽器の全景です。
ブチルゴムの両面テープはなんでも容易にくっつくのですが、当然ながら埃やゴミもはりつきますので使わないときはシールの裏紙を張り付けておきます。
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これの効果の確認のために2022年5月29日(日)に行われたハワイアン音楽の催しに参加いたしました。
出演バンドの「Ken-G Band」に加えて貰ってスチールを弾かせていただきました。
当日のスチール演奏を横から撮影していただきました。
この写真を拡大すると短いトーンバーを使っている左手と、予備のシンブル・ピック1個が見えますね。
今回の「実験」で短いトーンバーでも6弦のスチール・ギターでしたら問題なく演奏できることと、ホルダーに残っている予備のピックは演奏の邪魔にならないことが確認できました。
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次はウクレレとスチールを持ち替える実験も行いと思います。
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両面テープのような接着テープに使われている接着剤は時間の経過とともに「風化」します。すなわち接着力が低下して固くなります。
従って今回のホルダーに使ったブチルゴムベースの両面テープも接着力が低下して設計の趣旨に合致しなくなることも予想できるのです。
その際にこの部分だけを張り替える必要がありますが果たして簡単にはがすことができ、新品のテープを張れるかが課題ですが、幸いにして「シールが剥がせる」薬品が存在するのであまり心配はしていません。
プラスチック部品を背中合わせに貼り付けているのは「プラスチック専用の接着剤」で、楽器本体に貼り付けているのは薄い両面テープなのですが、いずれもほとんど空気に触れないので風化の進行は遅くなると思ってあまり心配していません。
いや、相変わらず、すごいことを思いつく方だねえ、、マットさんは、おいくつだか知りませんが、(多分私より若い?)、100歳でも確実に、現役バリバリの方でしょう。特に楽器演奏は、脳の活性化に素晴らしい若返りの効果が実証されていますし、、それに、接着等の物性的な知識も、、、多分、理工科系の優秀な方ですね、、高齢爺さんの自分ですが、貴方から元気もらいました。。ありがとう。。
実はこの夏にハワイのステージで演奏することになったので、演奏中にスチールとウクレレを持ち替えることを想定してこのような装置を考えた次第です。
まぁ「必要は発明の母」といったところでしょうか。
演奏曲の例はこんなものです。ご存じでしょうか?
https://www.youtube.com/watch?v=1XgaKg3N0Xc
やはり、全てが、お若いのですね。「天は二物を与えず」といいますが、マットさんの場合は、二物どころか、四物以上お持ちの羨ましい方です。
それに、演奏曲、、初めて聴きましたが、何というきれいな曲でしょうか。途中で、バイオリンの音?、、泣けてきます。コロナ禍で鬱爺さん状態の自分、、嬉しい刺激頂きました。ありがとうございました!
おほめに預かったので図に乗ってもう一つハワイで演奏する曲を聴いてください。
こちらは米国ビルボード誌上で唯一の一位を獲得したスチールギター曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=GvJgJnbBj4c
但し、残念ながら、外野のおばさんの声、やかまし過ぎです。なんと、最後まで、ずっとしゃべり続けていますね。
この曲も初めてですが、sleep**というのですね。静かな環境で聴いたら、まさにうっとり、、素晴らしい感動だと思います。スチールギターにピッタリな曲だと思います。ありがとうございます。
おしゃべりを含めて楽しんでいただければ成功なのです。
7月のハワイでの演奏は「コンサート」なので、そこでオシャベリが多いようですと失敗ですね。