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楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

すべての道はローマに通ず(2)

2006-12-19 20:05:05 | 歴史
2,000年前のローマ、実に驚くべき世界である。情報と物流の基本、道を整備することを根幹とおいた。インフラのはじまり。このローマ街道の速度を人類が超えたのは19世紀鉄道だという。すなわち、人類はローマから2,000年,何も変わらなかった。しかし、今や世界の主要地点へはどこでもほぼ1日以内にいける。情報はネットで一瞬。フランスTGVは時速350kmを超えたという。この早さは本当にいいのか?時間をかけた方が本当に大事なものと情報が残り、伝わるということがあるのではないか?と思うのは年寄りなのだろうね。ネットなんて10年前には誰もいまのようなことは予想もしなかったんだよね。
でも、その中で基軸となる物流と情報の流れという戦略的配置をどう整備するかで勝ち負けが決まるという原則はきっと変わらないね。ローマから、塩野七生からそれをまなんだ一冊であった。
ところでローマ人の物語全15巻の最終巻がでたと世の中では騒がれている。しかし、わたしはそれでいうとまだ第10巻。
次は文庫版の下巻。ま、のんびり読もう。ちょっと気になるけどね先が。他にも読みたいもが一杯あるし、研究という本来業務も忙しいし。Going my own way!
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すべての道はローマに通ず

2006-12-18 09:02:46 | 歴史
ローマ人の物語〈27〉すべての道はローマに通ず〈上〉

新潮社

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私はこれまで、このシリーズを文庫本になってから読み続けて来たが、この巻は画期的におもしろい。書き手の身の入れようが違うとこうも迫力が違う。時間と空間を超えて俯瞰するこの視点、圧倒的である。まだ、街道しか読んではいないが、その戦略としての見方が鋭い。世界帝国である当時の中国とローマ。一方は外敵に対し、徹底して閉じることによって国を守るための万里の長城、しかし一方は徹底して開き、その圧倒的なアクセスの太さと迅速さによって国を守る戦略。全く異なるが、現在の世界の構図も同じである。現在の情報革命も似ている。圧倒的な情報網の整備が進行する中、もはや科学の世界においても閉じて、研究の優位を守ることはできない。如何に開くか、そしてリードし続けるか。その戦略的情報網を構築したものが勝利者である。現在のところ圧倒的開示によって新しい知恵と人材を導入し前進を計ることを戦略とするアメリカの情報と科学が世界をリードしている。私はこのシリーズを読めば読むほど、現在のアメリカはローマ帝国の良き側面をもっとも忠実に現在において実現している、と見えてならない。現在はアメリカ世界帝国なのである。その皇帝はもちろんアメリカ大統領である。ローマ帝国は1,000年帝国であった。アメリカ帝国は君臨したのは第2次世界大戦以降であるからまだ60年。とても1,000年は持つまい。21世紀半ばまでだろう、という声が多い。
 さて、次は「橋」だ。
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心は病気

2006-12-16 07:38:23 | 読書
心は病気―役立つ初期仏教法話〈2〉

サンガ

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帰りの機内で読み終える。
この本は確かに役に立ちそう、なかなか含蓄がある。トイレにでもおいて毎朝、少しづつ読むべき本だ。やはり、お釈迦様は偉かった。凡人に取って一気読みには向かない本である。最後に書いてあるようにゆっくりゆっくり繰り返し読んだ方がよさそう。いらいらする人、必読の本である。
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サンフランシスコ・霧の秋

2006-12-13 18:15:45 | 自然
 朝の2度寝が効いてしまったか、気が抜けたからなのか、風邪がぶり返した。
昼、会場を抜けて近所を散歩した。その時、霧雨の中、ぬれながら歩いたのが悪かったのかもしれない。

真っ赤な紅葉。


でもちょっと大味かな。アメリカ紅葉は葉のサイズが大きい。形もいびつ。楓の仲間は実に多様だね。


そこにこんな面白い彫刻が立っている。
「こんにいちーは。いかがですかー」とでもいっているのか。
「その手は!? 足は!?」こんなにもあるなら心はいくつあるのだ!?
ということかね。



一番はこれだ。「つた」のグラデーション。足元から冷えている。寒そう。
コメント (4)
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続く時差ぼけぼやきー高名研究者と人格

2006-12-12 23:07:39 | 人間
もうこちらへ来て3日目なのに時差ぼけで深夜に目が覚める。でもその日本時間は夕方。このまま日本へ帰ったらまた時差ぼけだな。
さて、本日で私の学会でのやまは無事超えた。しかし、討論は今日が本番。学生たちの居並ぶポスターはこれからである。そこに多くの人が集まり議論が展開される。防御と攻めと人間関係のやりとりと、おもしろい時間である(学生諸君は緊張だね)。

 これから展開されようとしている国際プロジェクトに、ある高名なアメリカの研究者の参加を巡ってアメリカの中で白熱した議論がある。わたしもその判断に巻き込まれている。サンプルとデータを取得するのに不眠で取り組む、すばらしい人である。しかし、その人の専門とするサンプルの取得は他の専門とするデータの取得とぶつかる。あちらをたてればこちらがたたないのである。しかもそこから得られるデータは、あることがらを理解するのにどちらも欠かせない。その時、大喧嘩になる人なのである。そのとき、その人は主張が通るまでしゃべり続けるのである。必ずしも科学全体を見通さない場面がしばしばある。そしてしこりが残る。多くのトラブルを生み続けて来た人である。同じ専門分野にあっても他の国や他の大学からの人を押しのけてしまうのである。そして他のアメリカ人は小声でささやく。「そのひとはーーだから」と。
自らを「神に選ばれた民」といい、1,900年も前にローマ帝国にかの地を追われ、さまよい続けた流浪の民。このトラブルの根は実は今も深刻である。この自由の地、アメリカにあってさえ。
 さて、どうするか。なやましい決断が迫られている。高名な研究者、かならずしも人格と関係がないことはしばしばである。
もっとも、私も人のことは言えた人間ではないが、困ったものだ。さ、もってきた仏教本でも読も。
 
 
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