楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

mission impossible intelligence 待望論

2017-05-14 19:58:12 | 時評

 

 

中国で一帯一路の大会議の初日に、金正恩がミサイルを打つ。常識では判断できない独裁王朝国家。

狂気のカルトが集団自決を望んでいるかのようだ。

かつて、連合赤軍浅間山荘事件。

終わってみると内部粛清の凄惨な事実が明るみに出た。

歴史において、平等社会の性急な実現を掲げた全ての革命が、凄惨な大量殺戮を繰り返した。

フランス革命、ロシア革命、中国革命--。

それらは貧しきもの、虐げられてきたものの「恨」(ルサンチマ)を原動力にした、殺戮抹消による平等の実現、平滑化であった。

結果は、知恵を持って社会のバランスを計り、秩序形成を計った知識人らを、不平等を作り出した「悪」として大量成敗する愚策を繰り返した。

「自由、平等、平和、人権」の普遍理念はフラットではない。状況に応じて、優先すべき事項が違う。

北朝鮮問題。明白にこの国では「自由、平等、人権」が損なわれている。

ただ、大規模な争いがないという奇妙な、カルトの「平和」という名の秩序が保たれている。

「スワット」待望論、mission impossible intelligence --

「最小の犠牲で多数を救え」との異常な世論が支持を得る戦争状態にある、と認識せねばならなくなっている。厭な時代だ。

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中国の北朝鮮予測

2008-05-31 22:48:05 | 時評
中国が予測する“北朝鮮崩壊の日” (文春新書 637)

文藝春秋

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この本もついつい手にして、一気読みした。
ま、こんなもんかな。
いろいろな立場に目を配りながら判断をする、ということが当たり前であるが。
この程度で発禁とはね。



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チベット

2008-05-09 08:21:03 | 時評
中国の胡錦濤国家主席がきてパンダ外交、ピンポン外交を展開し、友好ムードを盛り上げようとしている。
一般的にはいいことだ。
チベット、中国をより理解したい。
ってなわけで、以前に買って読んでいなかった下記を連休中に読んだ。

私は「毛主席の小戦士」だった―ある中国人哲学者の告白
石 平
飛鳥新社

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著者は、最近帰化したようだ。
真っ正直な人生を歩んでいる人だと思った。
帰化をして、日本人以上の日本人になりそうだ。

歴史の中における多くの帰化人がいたかつての日本。
大陸がもたらした儒教、仏教などの背景にある人間観を育てている日本発見。
多くの政治的思惑を超えて、このような人が、きっと本当の日本と中国の架け橋となっていくのであろう。
いい人生を歩んでいただきたいと思う。

歴史において、かつては大陸に骨を埋める多くの日本人もいたはずだ。
その相互作用が、国の利害、偏狭なナショナリズムを超えた関係をつくるはずである、と思う。






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坂出殺人事件

2007-11-29 13:40:59 | 時評
ちょっと場違いではあるが、今ニュースをにぎわしている香川県の坂出殺人事件。
あの現場は昔々、良く釣りへいったところだ。
まだ若い頃、休みになると家族をつれてあの岸壁へ出かけた。
初夏になると鯖だ、イワシだ、と大群が岸壁に押し寄せ、1時間でバケツが一杯になる。
幼かった息子も娘もおおはしゃぎ。
夏になると、夜のちぬ(黒鯛)釣り。電気浮きをたらして、それも良く釣れた。
なんたって鯛だ!

私は釣りにのめり込むようになっていった。
しかし、ある時からその釣りでにぎわう岸壁に暗雲が立ちこめた。

朝早く、まだ暗いうちに夜明けを狙ってそこへ出かけた。
最高の釣り場が、今、話題の現場の工場の海側岸壁。

「さ!夜明けを待つぞ!」とセットしようとするとーー
なにやら「ウーウー」と聞こえる。
「?」と暗がりを振り向くと、輝く光がゆれている。
「なんだ?あれ?」

「犬だ!」そこにはほとんど無数といっていいほどの光る眼がある!
野犬の群れである。襲われたらひとたまりもない。

私は恐怖に駆られて一目散で退散した。

今回のニュースを見ていると、幼子達の遺体の発見場所はその工場の裏側である。

それからもう一つの事件があった。
家族でにぎわい、夜釣りを楽しんだその岸壁の縁から数台の車があがり、白骨化した運転者が数体あがったのである。
自殺なのか事故なのかはわからない。しかも1台や2台じゃなかったのである。なんの柵もない岸壁から飛び込んだ車であることだけは確かであった。

『良く釣れるには理由があったのだ!」
と、
それから人はその岸壁には釣りに行かなくなった。私も。

でも、そんなことももう25年以上前。
今は変わってしまっているのだろうなとも思ったが、ニュースを見るとあまり変わってはいないようだ。
合掌

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深刻なポスドク問題の本質をえぐる

2007-10-27 15:22:38 | 時評
高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)
水月 昭道
光文社

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韓国の行き帰りの機内で読んだ。ポスドクのまっただ中にある著者が書いた迫真の書である。
理系白書など、部外者が書いた者ではないだけに深刻さが痛いほどに伝わる。

大学院重点化の結果増えた大量の博士。しかし、その職のない現状。その数全国で1万5千人。
その行方不明率、自殺率はあわせて10%を超えるという。
その本質を鋭くえぐった書である。

私の勤める大学でも昨今、大学院への進学率、博士への進学率が激減している。
その背景にはこの書のいうことがあることは間違いない。分析は全く正しい。私が長年思って来たことと完全に一致する。
いわば、見通しのないままに、その場しのぎの共同幻想(この著者は陰謀という)が作り上げた現実なのである。

私もこの大学院で10年ほど前から博士を作り出す現場にいるので、痛いほどに伝わる。
そして、根本的には、博士に対する社会の位置づけがアメリカのようにならなければ解決しない問題である。
私は、昨今強まっている「博士の定員を過去に戻し絞り込み、研究者のみをめざすものに戻そう」とする動きには反対である。
門戸は広く開かれているべきである。

私は、この著者の第6章「行くべきか、行かざるべきか、大学院」に書かれていることに賛成である。
大学教員などの「職業としての研究者」を目指す人は極極狭き門であることを熟知すべきである。幻想を抱いてはいけない。それを目標にすると挫折率90%かもしれない。しかし、研究することによって得られる「自分で問題を立て、それを自分で解く。そしてそれは人類の誰もなし得たことのない真実。確実に歴史に残る」ことに喜びを感じたい、と思う人は行くべきである。そのような場は、他にそうそうない。そして、その経験から得られる事柄は、その後、どのような人生を歩もうと生かされる。だから、大学院の間に研究というものの[know how]を得るために進学するのである。そのようなことは決してサラリーマンでは得られない。サラリーマンの成果は会社の成果。個人の名が歴史に残ることはよっぽどのことではない限りない。会社の経営者なら別ではあるが。そう、大学院で学ぶ事柄は、自己が中心である人生と世界形成の方法ー研究、ということを身につける場なのだ。
その人生のキャリアパスなのである。
博士への評価は日本社会では「靴底の米粒」である。
しかし、外国へ行くと圧倒的権威のある「知識人としてのライセンスー博士」なのである。
文明国日本。しゃんとせい!と私もいいたい。
(台風だね)

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