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「科学者の行動規範」を読む(4)

2017-03-05 06:04:45 | 社会
「科学者の行動規範」を読む(4)


3月7日、日本学術会議は「軍事研究と学問の自由」に関して、半世紀ぶりに声明を出すための案をまとめたと報道があった。
この件に関して、マスコミは概して好意的であるが、玉虫色だとの批判もあるようだ。
この件は、先に触れるとして、行動規範を読み続けよう。

(3)より続く。

これらの基本的認識の下に、日本学術会議は、科学者個人の自律性に依拠する、すべての学術分野に
共通する必要最小限の行動規範を以下のとおり示す。これらの行動規範の遵守は、科学的知識の質を保
証するため、そして科学者個人及び科学者コミュニティが社会から信頼と尊敬を得るために不可欠であ
る。



「科学者個人の自律性に依拠する、すべての学術分野」
この点は、大事。研究とは行き着くところ個人だということ。自律とは、その個人が自らを律することだから、きちんと自分で考えようというのがアカデミーの基本的立場だということだ。

これらの行動規範の遵守は、科学的知識の質を保証するため、
科学とは、真理たる知識の創造だから、その知識は揺るがない「質」を持たねばならない。そのためには最終的には個人に帰する研究を担う個人が倫理的に行動規範を守っているかどうかにかかっているということ。戒め。

そして科学者個人及び科学者コミュニティが社会から信頼と尊敬を得るために不可欠
これは極めて大事。この信頼が揺らいでは、社会は何を指針に未来設計をしていいのか、何を基準に善悪の日常的判断をしていいのか迷走することになる。科学者と科学者コミュニティーはそれくらい重たい責任を自覚しなければならないと、自らを戒めている

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