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楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

不都合の真実

2006-12-26 07:59:14 | 自然
 先日のアメリカ地球物理学連合が開かれた14日、アメリカ元副大統領ゴア (あのブッシュと接戦の末、フロリダで本当は勝っていたのにまけたこととなったあのゴアです)が数千人の地球科学者の前で講演をした。
(私はその日に帰国だったので残念ながら聞けなかった)。



 それは彼が主役となって説明する映画「不都合の真実」の大ブレーク(アカデミー賞候補確実といわれる)による。京都議定書にアメリカはサインしていないが、これはそれが必ずしもアメリカ国民の意思ではないことを示してる。この問題は共和党や民主党などという政治を超えた、人類としてのモラルの問題だと訴える。

そうだ!

 地球温暖化は自明ではない、という論もある。しかし、地球の過去に氷河が1つもない時代があったことを地球科学は、地質学は教えてくれている。白亜紀、今から1億年ほど前、恐竜が闊歩した時代である。その時、海の高さは今より250メートルも高く、アメリカ大陸さえ、半分は水没していた。暖かいということは一見いいことのように思うかもしれない。しかし、そうではないことをこの映画は教えてくれる。白亜紀や間氷期という過去の時代をもっと研究しなければならない。

 私の専門は、固体地球なのでこの道は素人だが、これはれっきとした科学なのである。いや、気候システムと固体地球内部の変動(実は地震や火山さえ)の関係は新しい科学の関心の的なのである。
 
アメリカが総手を挙げてこのことに取り組みだせば人類の未来は明るくなるかもしれない。ブログ刷新後、いきなり暗い話題ですいません。でもアメリカでこの映画がブレークし、ブッシュよさようなら、となればそれは人類の未来に取って明るい材料である。(私の友人のアメリカ人たちは圧倒的にブッシュ嫌い。あの品のなさが、恥ずかしくて我慢できないんだそうだ)

日本語版は http://www.futsugou.jp/
英語版は http://www.climatecrisis.net/
私も正月には見に行こうと思う(1月20日日本上陸)
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衣替え

2006-12-26 07:02:41 | 生活
年末も近いのでブログの衣替えをすることにした。私の専門に関わることをもっと語ろうと思う。

私、楽学天真は地球科学を専門として、人生の過半をすごしてきた。
Terraとは地球。そこに夢を見たい。
このブログで改めて
その夢を、そしてその夢を見るヒトを綴ろうと思う。

松坂が「夢は実現しないから嫌い」といった。
ヒトは夢に向かって生きる。そしてその夢が実現するから生きられる。
実現したその瞬間に、また次の夢が生まれる。
夢の連鎖がヒトを生かす。

科学も同じ。「真理の探究」という大きな夢に向かって突き進む。
そして「わかった!」というその瞬間、次の夢に向かってもう動き出している。

地球のこと。分かっているようでわからない。
その「科学の夢」を見よう。そして、その夢を見る人間ドラマも。
あらためて、よろしくお願いします。
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1月後のCrescent moon

2006-12-23 21:41:06 | 自然
今日の夕刻、久々に妻と近所のスーパーへ買い物に出た。
私はスーパーで買い物につきあわされるのはあまり好きではない。
おまけに今日はクリスマスイブ前の土曜日。人でごった返している。
「あれは?これは?」「つけものはどれがいい?」
「ん?いいよ、どれでも」
もう食べ物にあまり興味はない。
でも、ワインだけは知ったかぶりをして選ぶ。これを試そう!
フランスの2001年もの赤、ーー。
もう満足。
「ちょっと外で一服してくる」

と、一歩出るとこの風景!


大都会に見るべき空はない、と随分永い間思って来たが美しい!
ちょうどひと月ほど前、岐阜の犬山で見た風景と似ている。
残照と三日月。

買い物を終えて出てくる人が、私が写真を撮っているのを見て、
「わ!きれい!」
と皆、携帯電話カメラで取り始めた。今日、この一瞬の風景を楽しんだ人が増えた。
なにかうれしい気分となった。
かれらは、これからあの明かりの灯ったマンションへ帰り、家庭の団らんが始まるのだろう。
Merry Xmas
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ウェブ人間論

2006-12-22 16:30:08 | 読書
ウェブ人間論

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 私も大学に自分の名を明記し、講義や研究で実用ベースのWeb サイトを最近作った。そこにもブログはある。しかし、一方で匿名でこのサイトも持ち、書き込んでいる。なんでこんな面倒くさいことをするんだ、と自分でも思いつつ。この匿名ブログだって大方のアクセスは正体が分かっている人たちなのに。どちらにもメリットがあるので今のところ続けている。それは以下のような理由だ。

 組織の中にいて自由なことを書くと、「出る杭は打たれる」文化の日本。それを見る人はもちろん同僚から全国の関係学界のかなりの人。「もの言えば唇寂し」。しかし、専門分野の主張などは明記して言いたいこともある。しかし、言葉は刃物。私の場合、私が刃物をふるうことになることも多い。

 私の世代や、私の大学の教授たちは「ああいえば、こういう」人たちなので、字面にしないことがいいことも多い。全てを書くと、「あんた研究もしないでなにやってんの?」といわれそう。だってほんとうに関係のないことが多い。このブログには。それを大学サイトを使って書くのも公私混同。それと微妙なことは字面にするのが難しい。それではフラストレーションがたまる。

 そこで匿名ブログ。匿名である理由は正体を知られたくないから。誰に?「出る杭を打つ人」に。しかし、一方で言いたいことも知ってもらいたい。誰に?理解してもらえる人に。でも少しは「出る杭を打つ」人にだって。この微妙なバランスがオブラートにつつんだものいいとなり、攻撃的主張がやわらぐ。さらに、あまりにも忙しく、学生院生の面倒を見る暇もないので、彼らへの間接的メッセイージの場でもある。怒った時のアフターケアなど、結構利用価値あり。あまりばかなことは表ブログでは書きにくい。だってうるさい同僚教授がまた言いそう「あんた、何を学生とふざけているの?権威に関わる!もっとまじめに教育を考えたら?」なんてね。皮肉まじりにね。おまけにマスコミなどにおもしろおかしく食らいつかれたら楽しみもなくなる。適度に目立ちたいが、適度に隠れてもいたい。大学とは組織と個人が微妙なところである。学問の自由、教育の自由が憲法で保証されているったてね。

 オブラートにつつんだ不満でも、見る人がいるということによってフラストレーションが和らぐ。いきなり「2ちゃんねる」なんてフラストレーション解消方法が病的で、あんなところで解消すると自分の人間が壊れる恐れによって逆にフラストレーションがたまる。一度、行ってみたことがあるが気分が悪くなった。多分、あそこの人って目つきがおかしいと思う。目の底に別の目がありそう。

 だから、私はこの著作の中の5分類ブロガーでいえば、第1と第2を渡り歩いている。できれば記名ブログ1つにしたいなと思っている。でも正体を知られないでものをいうスリルもなかなか面白い。この齟齬はしばらく楽しめそう。そんな自分を分析するに役立つ1冊でした。このブログをはじめて10ヶ月である。アクセスも定着したようであり、そろそろ刺激に欠けて来た。飽きっぽい自分としては次はどうしようか、とまた考え始めている。お!セミナーの時間だ。
コメント (2)
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光り並木

2006-12-22 00:11:38 | 芸術
東京の街はクリスマス、年末を控え光の芸術がほどこされている。自然の美しさにはかなうべくもないが、しばし暗がりの中で少し心をいやしてくれる。でもいっそうのこと真っ暗な方がいいかもしれないな。完全な闇と静寂、そんなものは東京では無理だがね。


この冷たい光並木もいいね。


ところで今日はいくつか楽しいことがあった。
この間、努力をしていた学生筆頭の論文がついに印刷となったこと。電子ジャーナルは早い!受理から3日後に公開だからね。
これからはこの時代だな。
私の責任の論文は忙しすぎてminor reviseをさぼっていたが、アメリカへ行く前に慌てて直して送ったものがTechnical 修正を残して受理とのこと。
それから、昔卒業論文を私のところでやって、大学院から他へいった学生が処女論文を持って、うれしそうに訪ねてくれたこと。彼は卒論も終わり、大学院も好成績で受かっていたのに、必要な単位を20単位も残していたので卒業不可!翌年、単位に集中、同じ卒論を衣を変えて提出したつわものであった。翌年あらためて大学院へすすんだ。寄り道は人生を豊かにしてくれる。寄り道して損なのは今や公務員になるときだけ。さいして気にすることもないね(私も学部は5年やった。その後大学院は7年やった。さらに1年浪人した)。それから博士課程にすすんで結婚するというので、お祝い会に出席する予定であったが、忙しさの中うっかり手帳に記入漏れ。朝手帳を見て今日はーーという生活であったので記入がないことは予定がないこと。その土曜、終日寝てしまった。その直後の月曜日にばったり!そこで初めて思い出した!「ん?やば!そういえば結婚式だった!もう2日も経っている!」穴があったら入りたい気分であった。怪訝そうに私の顔を見る彼に会わせる顔がなかった。改めてごめんなさい。
でも、今日会ったところ少しふっくら。幸せ太りだね。私も昔,博士課程1年で結婚したが、一気に5kgも増えたっけ。ま、D論に突入すると、少しやせられるよ。
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