楽学天真のWrap Up


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知的遺産のピラミッド作り

科学と宗教(1)はじめに

2012-07-24 23:23:14 | 社会
科学と宗教


 最近、同窓会で知り合った人から本が送られて来た。”ダーウィンの進化論は間違っている”との大見出しの大川なにがしという人の本である。ダーウィンの進化論はナチスの虐殺、マルクス主義へつながったというアナクロ的なお決まりの論理だ。一般新聞の宣伝広告でも大々的だ。何十万部発行という。しかし、その発行部数の実態は信者が買いそれを知り合いに送りつけているのである。この宗教団体、最近は政党まで作り、選挙にも乗り出している。


 宇宙のはじまり、生命のはじまり、人間のはじまりなどに関して、ほとんどの宗教がかつては神話を持ち説明して来た。しかし、近代になり、科学がそれらの解明に本格的に乗り出した。先のヒッグス粒子の確認ニュースのように、まだまだ分からないことだらけであるが、仮説と検証という科学の方法は、確実にこれらの謎を解き明かす歩みを止めてはいない。いやむしろ加速している。

 科学に従事する側に身をおく者から見ると、科学がこんなにも頑張っているのに、なぜ宗教はこんなにも影響力を持つのか、との疑問が出ざるを得ない。
科学は、人間の生き方、死に方などに関わる道徳や倫理的なことがらに関して全く無力であり、その点で宗教が優れた影響力を発揮する事は分かる。しかし、明らかに科学の領域であろうと思われる事柄に関しても相変わらず影響があるように思う。いや、むしろ強まっているかもしれない。
社会と科学、あるいは人間と科学ということに関わる重要問題だ。これから、少しずつ、これらについて考えてみたい。まずは、宗教と科学から。
(つづく)


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