橋下徹の従軍慰安婦発言自己正当化強弁のアンフェアな勘違いが続いている

2013-05-20 09:37:26 | Weblog

 【昨日記事の訂正と謝罪】昨日の下記ブログで安倍晋三が取り組んでいる少子化対策として待機児童問題や出産した母親が休暇を取る制度を「産休3年」と見事命名してしまいましたが、「育児休業3年」の誤りでした。昨日中に訂正して置きましたが、謝罪します。人生そのものが間違っていたので、間違うことが多くて困っています。

 《安倍晋三の「成長戦略第2弾スピーチ」を絵に描いた餅とする人口問題 - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》

 5月18日当ブログ記事――《橋下徹の従軍慰安婦関連「米国はアンフェア」発言のアンフェアな勘違い - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》で、橋下徹が「朝鮮戦争の時もあった。沖縄占領時代だって、日本人の女性が米軍基地の周辺でそういうところに携わっていた」と、アメリカ軍が慰安婦制度を活用していたようなことを発言したことに対して戦争中の日本は日本軍主導による軍民一体の慰安所を設けていたが、アメリカ軍は秦郁彦が言っているように兵士が個人的に利用する「自由恋愛型」ではないか、橋下発言に対するアメリカ政府の批判を「アンフェア」とするのはアンフェアな勘違いではないかと書いた。

 また戦争中の軍民一体の慰安所が戦後も政府主導による政府・民間業者一体の形式で引き継いで設置した慰安所を連合国軍兵士の慰安に提供したが、あくまでも橋下徹が言うようにアメリカ軍の主導による設置ではないことを神崎清著の『売春』の数節を引用する形で書いた。

 上記書物を読んだのは3、40年も前のことで、内容の殆どは忘れてしまっていたが、改めて占領時代のアメリカの日本人女性に対する性の活用が軍主導による軍管理のもと行われたのではなく、兵士個人個人の「自由恋愛型」であることを証明する一節を見つけた。

 この紹介と橋下徹の従軍慰安婦関連の発言が各マスコミから取り沙汰されている中で5月19日(2013年)日曜日のあさひテレビ「報道ステーションSUNDAY」にゲストとして招かれた橋下徹が、特にアメリカを槍玉に上げて慰安婦制度を活用していたと、日本の罪をアメリカにまで広げアンフェアな勘違いを堂々と繰り広げていたことを再度取り上げて見ることにした。 

 『売春』(神崎清著)――

 基地売春の実態――星条旗の名のもとに――

 政府は道徳的犯罪者 アメリカ軍の日本本土占領を迎えて、東久邇宮内閣は、その対策の準備に忙しかった。当時の無任所大臣近衛文麿の秘書官細川護貞(もりさだ)が、最近公表した『情報天皇に達せず』を読むと、昭和20年8月21日の記事に閣議の模様が出ている。マニラの米軍総司令部と打ち合わせをして帰ってきた軍使から報告を聞いて、風紀対策を論じていたのである。

 「彼らの軍規は、極めて厳正にて、沖縄にて強姦嫌疑の者が、げんに10年の刑に服役中なり、と。また欧州上陸軍の行方不明者中、半数は強姦せるため死刑になりたる者にて、家族の不名誉を思い、行方不明とせるものなりと。娯楽設備につき、仏当局が申し出たるところ、キッパリ断りたる例あれば、我が方もかくのごときことをなすべからず、等々語れり」

 敗北した日本の軍隊に対する反感が手伝って、アメリカ軍を美化しすぎたきらいはあるが、第1次大戦においてアメリカの援軍を迎えたフランス政府が、性的慰安施設の問題を持ちだしたときに、米軍司令官が「ことアメリカ軍に関する限り。そのようなものは必要ではない」と言下に退けた有名な話がつたわっている。しかし政府が実際にとった処置を見ると、8月21日の閣議では、「我が方もかくの如きことをなすべからず」と言いながら、既に3日前の8月18日、内務省警保局長から無線電話の極秘通牒でもって全国的に占領軍相手の性的慰安施設の設営を司令していたのである。〉――

 近衛文麿の秘書官細川護貞とは元熊本県知事、元総理大臣、日本新党初代代表の細川護煕(もりひろ)の父親である。 
 
 そして政府は業者たちの5000万円の資金、この資金を担保にした勧業銀行(現在のみずほ銀行の前身)の5000万円、合わせて1億円の出資で政府公認の特殊慰安施設協会(RAA――リクリエーション・アンド・アミューズメント・アソシエーション)を8月26日結成、3日後の8月29日スピード認可。

 「リクリエーション・アンド・アミューズメント・アソシエーション」という言葉を聞いただけでは、売春組織だとは誰も気づくまい。

 次のような記述もある。 

 〈昭和20年、敗戦の直後に日本軍の富士演習地を接収にやってきたとき、政府の全国的指令ににもとづき、警察が県下の酌婦をトラックで運んで下吉田に国際的な慰安所をつくった。まもなくここは解散を命じられたらしいが、迎合的な性的サービスの恥多き発端であった。〉――

 もしここが米軍の指示によって日本政府が場所を示し、米軍の許可を経て一旦は開業した「国際的な慰安所」であったなら、米軍側には閉鎖する理由は見当たらない。

 勿論、RAAに入らなくても、需要と供給の関係さえ見込むことができれば、今流行の言葉を使うと、素人でも起業できた。実際にも起業は基地のある各地域で見られたらしい。

 例えば日本軍の富士演習場が接収されてから昭和24年6月に進駐軍の基地として正式にフジ・キャンプが設営されると、富士山周辺のある村では、村民の約半数が襖で隔てただけの一部屋を女性に貸して、女性がそこで商売に励んだのはいいが、声が筒抜けで子供の教育に悪影響があると問題になったことが記されている。村民は農家が大半だが、村長や村会議員、小学校の教師までが部屋を貸していたという。

 村長「兵隊をもてなしてくれということであったから」

 上から言われると、言われたなりに従う。そこに自分の考えを置かないところは暗記教育型思考そのもので、戦争中から引き継いでいる思考性であろう。勿論、自己利害を優先させるために上の言うことを利用するという狡猾な心理と響き合わせた言いなりの従属といった側面もあるに違いない。

 例え民間による起業であったとして、米軍主導・管理の慰安婦制度を見習った利用ではなく、あくまでも政府主導の影響を受けた経営であって、橋下徹が言っていることとは異なる。

 では、5月19日(2013年)日曜日のあさひテレビ「報道ステーションSUNDAY」の橋下徹がアメリカ軍兵士が利用している慰安所はアメリカ軍主導だとしている発言の個所を見てみる。

 橋下徹「僕は人権を重視していますしね、日本が過去にやったことを何かすべて蒸し返すつもりはありません。敗戦国としての結果をしっかりと引受けて、僕ら政治家というものは将来に向かって政治のエネルギーを使って行かなければならない。

 そのときに人権を大切にする何ていうのは当たり前なんです。

 それ程アメリカが女性の人権を大切にするんだ、人権を大切にする国なんだと言うなら、先ずは沖縄で行われていることを直視して貰いたいですね。

 沖縄で行われていることが直視することはできないアメリカはなぜかと言うと、日本は勿論、悪いことはやりました。慰安婦制度は僕は正当化しませんですから。

 今まで日本が慰安婦問題を正当化しようとする、そういう動きがあったからダメなんです。僕は日本の政治家の動きもおかしいと思いますよ。

 慰安婦問題はこれはきちっと責任を持って終わりをする。先ずはそこが大原則。その代わり、アメリカも慰安婦制度じゃなくてもですよ、沖縄の占領期間中、沖縄で何をやっていたのか、もっと言えば、じゃあベトナム戦争のとき、朝鮮戦争のとき、第2次世界大戦中のとき、セックススレーブ(性奴隷)という言葉を日本だけに使いますけども、それに類似のことをね、アメリカもやったじゃないですか。

 だから、僕は女性の人権をも守っていく世界を目指んであれば、世界各国の軍がきちっと反省して、日本も反省するけども、世界各国の軍も反省して、二度とこういうことが行われないようにみんなで女性の人権を大切にしていきましょうという決意がないと、アメリカが自分たち過去のことを棚に上げているもんですから、沖縄の人権蹂躙行為を本気になって取り組んでいません。

 そこを言いたいんですね、僕は」(以上)――

 橋下徹は「セックススレーブ(性奴隷)という言葉を日本だけに使いますけども、それに類似のことをね、アメリカもやったじゃないですか」と言って、戦争中の日本軍のように軍主導・管理の慰安所経営がアメリカ軍に於いても行われていたかのように主張している。

 だとすると、この主張の少し前の発言の「沖縄で行われていることが直視することはできないアメリカはなぜかと言うと、日本は勿論、悪いことはやりました。慰安婦制度は僕は正当化しませんですから」にしても、沖縄でもアメリカ軍主導・管理による女性をセックススレーブ(性奴隷)として扱うような類似の慰安婦制度が敷かれていたという意味となる。

 確かに沖縄では女性の人権を蹂躙する強姦事件が跡を絶たない。だが、果たして占領時代の日本の本土においても沖縄においても、また現在の沖縄にもかつての戦争中の日本軍主導・管理を受けた慰安婦制度に則ったのと類似の形態をしたアメリカ軍主導・管理を受けた慰安婦制度に準拠した従軍慰安所が設置されていたというのだろうか。

 どうも自身の勘違いに気づかずに発言がアメリカ政府から批判されたためにただひらすらに自分は正しいんだという思い込みを強めて自己正当化の強弁を働かせているようにしか見えない。

 ここでは、「慰安婦制度は僕は正当化しませんですから」と慰安婦制度そのものを否定しているが、5月13日の記者会見では既に周知の事実となっているように、「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」(asahi.com)と、その必要性を主張している。

 思い込みに立った強弁を続けると、言葉の一貫性を失うことになる。当然、政治家としての信用も失っていくことになる。


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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-05-20 21:01:34
72歳?生まれ育った自分の国(日本国?)どうしたいの?
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