政治家・官僚の不正・犯罪の抑止策は報復主義でいこう
2007年10月23日の『読売』インターネット記事の天下りの抜け道となる部分の箇条書き。
①守屋武昌・前防衛次官(63)にゴルフ接待を繰り返していた航空・防衛分
野の専門商社「山田洋行」(東京)が、多い時で十数人の防衛省OBを顧
問などとして受け入れていた。
②自衛隊法によると、隊員は、自分が辞めるまでの5年間に防衛省と一定額
以上の取引があった企業には、辞めて2年以内は原則として就職できない
。ただ、退職前の5年間に本人がその企業との契約業務に携わっていなけ
れば、防衛相(省移行前は防衛長官)らの承認を受けた上で就職すること
が可能
③別の会社を経た後、同社に就職した例もある。
④現職職員の家族、親族も採用している。
「退職前の5年間に本人がその企業との契約業務に携わっていなければ、防衛相(省移行前は防衛長官)らの承認を受けた上で就職することが可能」とするなら、その人間が退職以後も契約業務に関わる省員に影響力を行使し得る地位や立場を現役時代に確保していた場合、あるいは影響力を行使し得る別の省員を介してその省員の影響力で契約業務に関わる省員に圧力をかけることができる間接性を利用し得る力を有していた場合、上記規定はいくらでも抜け道とすることができる。
「別の会社を経た後、同社に就職」も、抜け道へと限りなく変更可能な規定であろう。
「現職職員の家族、親族も採用」は縁故採用であるなら、その情実性を如何ようにも利用できるし、縁故採用でなかったとしても、必要・機会に応じて情実化し得ることとなって、抜け道の有効な方法とすることが可能となる。
渡辺喜美が安倍内閣時代に政治資金規正法に触れて引責辞任した佐田行革相の跡を継いだ就任時に「愛の構造改革をやっていく」と宣言した大見得に添ってどのような新人材バンクを目論み、天下り規制をどう図ろうとも、あるいは「公務員に誇りとやる気を持って働いてもらう必要がある」と公務員の意識改革にどう期待しようと、自分の利益を図るために如何ようにも抜け道をつくるもので、それを完全に防ぐことは不可能だろう。
法律によって不正な天下りを防げないとなったなら、天下りして得た地位を不正に利用して不正な利益を得たことが発覚した場合は厳しく罰するしか手はないだろう。現在のそのような官僚・公務員の類の涜職(とくしょく)(「公務員などが職務を乱用して非行をなし、またその地位を利用して利をはかること」『大辞林』三省堂)は懲戒免職か、不正取得した額に相当する返還要求が最大の罰則で、懲戒免職を受けたとしても、職務上築いた人間関係を腐れ縁にそれ相応の職・地位を手に入れるだろうから、痛くも痒くも屁とも感じない懲戒免職となって、結果として割に合う不正としてしまう。
となれば、痛くも痒くも屁とも感じさせるために懲戒免職や返金だけではなく、それが一般常識からして到底許せない過度の涜職を犯した場合は前々から言っていたことだが、10年20年の禁固刑に処する懲罰を与えて割に合わないと後悔させ、他の者に対する割に合わないことの戒めとする。そういった報復主義への発想転換が必要ではないだろうか。
好きなだけやりなさい。その代わり報復としての罰則は厳しいですよをルールとする。例えば市役所に支払いにきた国民保険料を受け取った職員が着服した場合、それが1万円であっても、報復として懲戒免職及び返金と併せて1年間の禁固刑に処する。そしてその手の罰則には時効を設けない。どれ程にカネに卑しい人間であっても、カネに狡い人間であっても、不正を働く前から割に合わないことを悟るに違いない。
当然不正な私腹金額が一般生活者の生活費と比較してかけ離れて高額な場合や、不正な地位利用が過度の場合は、最近では守屋武昌防衛省前事務次官犯罪がこれに相当するが(飲食やゴルフの接待、その他で支払わずに済んだ金額を合計すれば高額になるはずである)、取得金額や地位利用の程度に応じて10年20年の禁固刑は当然の報復としなければならない。
それでも借金でにっちもさっちもいかなくくなったとかで不正を働く人間は跡を絶たないだろう。例えそうであっても、一つ一つ厳罰で対処する報復以外に方法はないのではないか。
1992年に東京佐川急便の渡辺広康前社長ら経営陣が、広域暴力団稲川会の石井進元会長の関連会社などに巨額の融資・債務保証し、逮捕された事件の捜査の過程で自民党の金丸信元副総裁に5億円が渡ったことが発覚。東京地検は政治資金規正法違反に当たるとして略式起訴し、金丸元副総裁は罰金20万円を支払ったことと、1993年にゼネコン各社などから寄せられた献金を税務申告せずに金融割引債を購入し、所得税法違反で逮捕されたが、99年3月、脳梗塞のため死去、控訴は棄却された事件で、「『5億円』受取って、『罰金20万円』とは、〝3日やったら、やめられない〟乞食どころか、永久にやめられないおいしさである。だからこその政治家・官僚たちの乞食行為なのだろう」と以前当ブログに書き、「機会あるごとに口にしていた『国家・国民のため』なる言葉は、自己権力欲充足とその維持、そのことを強力に可能とするカネに対する妄執をカモフラージュする勿体づけ(スローガン)に過ぎなっかったということなのだろう」と批判したが、政治家・官僚の不正・犯罪の止むことない永続性はやはり罰則が軽く、割りに合わせてしまっていることが大きな理由になっているに違いない。
割に合わないと思い報せる思い切った報復主義こそが政治家・官僚の不正・犯罪を有効に律する方法だと思うのだが。
参考までに『読売』のインターネット記事を掲載。
≪防衛元幹部、山田洋行に大量天下り…営業に同行し顔つなぎ 前防衛次官問題≫
<守屋武昌・前防衛次官(63)にゴルフ接待を繰り返していた航空・防衛分野の専門商社「山田洋行」(東京)が、多い時で十数人の防衛省OBを顧問などとして受け入れていたことが分かった。
OBはいずれも元幹部級で、社員の営業活動の仲介などをしているという。防衛省と同社の親密な関係が浮き彫りになった。
自衛隊法によると、隊員は、自分が辞めるまでの5年間に防衛省と一定額以上の取引があった企業には、辞めて2年以内は原則として就職できない。ただ、退職前の5年間に本人がその企業との契約業務に携わっていなければ、防衛相(省移行前は防衛長官)らの承認を受けた上で就職することが可能だ。
防衛省によると、承認を受けて同社に就職したのは、2000年からこれまでに4人。1佐や将官といった幹部級で、同省が求人や求職をあっせん・仲介していた。3人は陸上自衛隊出身、1人は航空自衛隊出身で、陸自出身の3人は、守屋氏が次官に就任した03年8月以降に就職していた。
別の会社を経た後、同社に就職した例もあり、関係者によると、04年ごろは十数人、最近も7~8人が顧問などとして働いている。年収は多い人で700万~800万円という。また、現職職員の家族、親族も採用している。
山田洋行関係者によると、顧問として就職するOBは、防衛省時代の階級に応じ、社長相談役と営業顧問に分けられる。営業担当者に、装備品の専門的な知識を教えたり、誰に営業活動をすればよいか助言したりする。同省への営業活動に同行し、元部下に営業担当者を紹介するなど「顔つなぎ」も重要な役割という。
顧問の1人は「紹介するだけ」と言うが、OBは元幹部ばかりで、現役の自衛隊幹部は「大先輩が来れば会わないわけにはいかない」と影響力を認める。
他の大手企業にも毎年多くの防衛省OBが就職しているが、山田洋行の社員数は120人程度で、別の自衛隊幹部は「この程度の社員数の会社としては受け入れ人数が多い」と話す。>
2007年10月23日の『読売』インターネット記事の天下りの抜け道となる部分の箇条書き。
①守屋武昌・前防衛次官(63)にゴルフ接待を繰り返していた航空・防衛分
野の専門商社「山田洋行」(東京)が、多い時で十数人の防衛省OBを顧
問などとして受け入れていた。
②自衛隊法によると、隊員は、自分が辞めるまでの5年間に防衛省と一定額
以上の取引があった企業には、辞めて2年以内は原則として就職できない
。ただ、退職前の5年間に本人がその企業との契約業務に携わっていなけ
れば、防衛相(省移行前は防衛長官)らの承認を受けた上で就職すること
が可能
③別の会社を経た後、同社に就職した例もある。
④現職職員の家族、親族も採用している。
「退職前の5年間に本人がその企業との契約業務に携わっていなければ、防衛相(省移行前は防衛長官)らの承認を受けた上で就職することが可能」とするなら、その人間が退職以後も契約業務に関わる省員に影響力を行使し得る地位や立場を現役時代に確保していた場合、あるいは影響力を行使し得る別の省員を介してその省員の影響力で契約業務に関わる省員に圧力をかけることができる間接性を利用し得る力を有していた場合、上記規定はいくらでも抜け道とすることができる。
「別の会社を経た後、同社に就職」も、抜け道へと限りなく変更可能な規定であろう。
「現職職員の家族、親族も採用」は縁故採用であるなら、その情実性を如何ようにも利用できるし、縁故採用でなかったとしても、必要・機会に応じて情実化し得ることとなって、抜け道の有効な方法とすることが可能となる。
渡辺喜美が安倍内閣時代に政治資金規正法に触れて引責辞任した佐田行革相の跡を継いだ就任時に「愛の構造改革をやっていく」と宣言した大見得に添ってどのような新人材バンクを目論み、天下り規制をどう図ろうとも、あるいは「公務員に誇りとやる気を持って働いてもらう必要がある」と公務員の意識改革にどう期待しようと、自分の利益を図るために如何ようにも抜け道をつくるもので、それを完全に防ぐことは不可能だろう。
法律によって不正な天下りを防げないとなったなら、天下りして得た地位を不正に利用して不正な利益を得たことが発覚した場合は厳しく罰するしか手はないだろう。現在のそのような官僚・公務員の類の涜職(とくしょく)(「公務員などが職務を乱用して非行をなし、またその地位を利用して利をはかること」『大辞林』三省堂)は懲戒免職か、不正取得した額に相当する返還要求が最大の罰則で、懲戒免職を受けたとしても、職務上築いた人間関係を腐れ縁にそれ相応の職・地位を手に入れるだろうから、痛くも痒くも屁とも感じない懲戒免職となって、結果として割に合う不正としてしまう。
となれば、痛くも痒くも屁とも感じさせるために懲戒免職や返金だけではなく、それが一般常識からして到底許せない過度の涜職を犯した場合は前々から言っていたことだが、10年20年の禁固刑に処する懲罰を与えて割に合わないと後悔させ、他の者に対する割に合わないことの戒めとする。そういった報復主義への発想転換が必要ではないだろうか。
好きなだけやりなさい。その代わり報復としての罰則は厳しいですよをルールとする。例えば市役所に支払いにきた国民保険料を受け取った職員が着服した場合、それが1万円であっても、報復として懲戒免職及び返金と併せて1年間の禁固刑に処する。そしてその手の罰則には時効を設けない。どれ程にカネに卑しい人間であっても、カネに狡い人間であっても、不正を働く前から割に合わないことを悟るに違いない。
当然不正な私腹金額が一般生活者の生活費と比較してかけ離れて高額な場合や、不正な地位利用が過度の場合は、最近では守屋武昌防衛省前事務次官犯罪がこれに相当するが(飲食やゴルフの接待、その他で支払わずに済んだ金額を合計すれば高額になるはずである)、取得金額や地位利用の程度に応じて10年20年の禁固刑は当然の報復としなければならない。
それでも借金でにっちもさっちもいかなくくなったとかで不正を働く人間は跡を絶たないだろう。例えそうであっても、一つ一つ厳罰で対処する報復以外に方法はないのではないか。
1992年に東京佐川急便の渡辺広康前社長ら経営陣が、広域暴力団稲川会の石井進元会長の関連会社などに巨額の融資・債務保証し、逮捕された事件の捜査の過程で自民党の金丸信元副総裁に5億円が渡ったことが発覚。東京地検は政治資金規正法違反に当たるとして略式起訴し、金丸元副総裁は罰金20万円を支払ったことと、1993年にゼネコン各社などから寄せられた献金を税務申告せずに金融割引債を購入し、所得税法違反で逮捕されたが、99年3月、脳梗塞のため死去、控訴は棄却された事件で、「『5億円』受取って、『罰金20万円』とは、〝3日やったら、やめられない〟乞食どころか、永久にやめられないおいしさである。だからこその政治家・官僚たちの乞食行為なのだろう」と以前当ブログに書き、「機会あるごとに口にしていた『国家・国民のため』なる言葉は、自己権力欲充足とその維持、そのことを強力に可能とするカネに対する妄執をカモフラージュする勿体づけ(スローガン)に過ぎなっかったということなのだろう」と批判したが、政治家・官僚の不正・犯罪の止むことない永続性はやはり罰則が軽く、割りに合わせてしまっていることが大きな理由になっているに違いない。
割に合わないと思い報せる思い切った報復主義こそが政治家・官僚の不正・犯罪を有効に律する方法だと思うのだが。
参考までに『読売』のインターネット記事を掲載。
≪防衛元幹部、山田洋行に大量天下り…営業に同行し顔つなぎ 前防衛次官問題≫
<守屋武昌・前防衛次官(63)にゴルフ接待を繰り返していた航空・防衛分野の専門商社「山田洋行」(東京)が、多い時で十数人の防衛省OBを顧問などとして受け入れていたことが分かった。
OBはいずれも元幹部級で、社員の営業活動の仲介などをしているという。防衛省と同社の親密な関係が浮き彫りになった。
自衛隊法によると、隊員は、自分が辞めるまでの5年間に防衛省と一定額以上の取引があった企業には、辞めて2年以内は原則として就職できない。ただ、退職前の5年間に本人がその企業との契約業務に携わっていなければ、防衛相(省移行前は防衛長官)らの承認を受けた上で就職することが可能だ。
防衛省によると、承認を受けて同社に就職したのは、2000年からこれまでに4人。1佐や将官といった幹部級で、同省が求人や求職をあっせん・仲介していた。3人は陸上自衛隊出身、1人は航空自衛隊出身で、陸自出身の3人は、守屋氏が次官に就任した03年8月以降に就職していた。
別の会社を経た後、同社に就職した例もあり、関係者によると、04年ごろは十数人、最近も7~8人が顧問などとして働いている。年収は多い人で700万~800万円という。また、現職職員の家族、親族も採用している。
山田洋行関係者によると、顧問として就職するOBは、防衛省時代の階級に応じ、社長相談役と営業顧問に分けられる。営業担当者に、装備品の専門的な知識を教えたり、誰に営業活動をすればよいか助言したりする。同省への営業活動に同行し、元部下に営業担当者を紹介するなど「顔つなぎ」も重要な役割という。
顧問の1人は「紹介するだけ」と言うが、OBは元幹部ばかりで、現役の自衛隊幹部は「大先輩が来れば会わないわけにはいかない」と影響力を認める。
他の大手企業にも毎年多くの防衛省OBが就職しているが、山田洋行の社員数は120人程度で、別の自衛隊幹部は「この程度の社員数の会社としては受け入れ人数が多い」と話す。>