自民参院議員丸山和也のオバマ大統領を奴隷の子孫とした発言が明らかに黒人差別発言であることの理由

2016-02-19 12:09:08 | 政治

 橋下徹という唯我独尊の独裁意識の強い地方政治家を生み出したテレビのバラエティ番組「行列のできる法律事務所」で同じメンバーとして活躍し、その人気・知名度の恩恵を受けて2007年に参議院議員となり、御年70歳の大の大人丸山和也の2月17日参議院憲法審査会での発言が批判を浴びている。

 翌2月18日に民主党と社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの野党3党が丸山議員に対する議員辞職勧告決議案を参議院に提出している。

 いわば野党3党は次の日に議員辞職勧告決議案を提出しなければならない程に酷い発言と見たのだろう。
 
 対して御年70歳の大の大人丸山和也は現役弁護士でもあるその血がそう判断させたのか、同じ2月18日に国会内で記者団に対して議員辞職の罪に相当せずの態度を取った。いわば自身に対して無罪の立場で弁護した。

 御年70歳の大の大人丸山和也「私は、アメリカには過去に奴隷制度があり、それを自己変革して、黒人の大統領を出すまでになったという意味を伝えようとしたのであって、差別的な意図での発言ではない。ただ、表現が適切さを欠いて、誤解を与えてしまったなら、反省したい。関連する発言は撤回した」

 記者「民主党などから議員辞職を求める声が出ているが」

 御年70歳の大の大人丸山和也「差別的発言を意図的にして、恥じることがあれば、そういうこともあるかもしれないが、私の場合は違う。見当違いではないか」(NHK NEWS WEB) 

 意図的な差別的発言ではないから、辞職相当の罪には値しないと言っている。

 それが意図しない無邪気な発言であっても、結果的に差別発言となる場合がある。

 例えば2015年6月25日の安倍シンパ若手議員約40人出席の「文化芸術懇話会」で講師に招かれた百田尚樹の発言がこれに当たる。

 百田尚樹「自衛権、交戦権を持つことが戦争抑止力につながる。軍隊を家に譬えると、防犯用の『鍵』であり、しっかり『鍵』をつけよう。

 世界には軍隊を持たない国が26カ国ある。南太平洋の小さな島。ナウルとかバヌアツとか。ツバルなんか、もう沈みそう。家で例えればクソ貧乏長屋。獲るものも何もない。アイスランドは年中、氷。資源もない。そんな国、誰が獲るか」

 きっと大いなる笑いを誘ったに違いない。本人は差別だなどとはさらさら思ってもいないだろうが、軍隊を持つ国を上に置き、軍隊を持たない国を下に置いて、「クソ貧乏長屋。獲るものも何もない」と侮り、貶す差別を行っている。

 百田尚樹の軍隊を持つ国を立派な国だとする基準からすると、北朝鮮はさぞかし上位に入る立派な国ということになる。

 御年70歳の大の大人丸山和也が実際に何を言ったのか、ネットでその発言の全文を探し出した。


 《【書き起こし】丸山議員「アメリカは奴隷の黒人が大統領」発言の真意は?》(ログミー/2016年2月17日)
  
 御年70歳の大の大人丸山和也「これは憲法上の問題もありますし、ややユートピア的かもしれませんですけれど。たとえば、日本がアメリカの51番目の州になるということについて、憲法上どのような問題があるのか、ないのか。

 そうすると集団的自衛権、安保条約ってまったく問題ありませんね。たとえば、今拉致問題ってありますけど、おそらく起こっていないでしょう。

 それから、いわゆる国の借金問題についても、こういう国の行政監視が効かないようなズタズタの状態には絶対になっていないと思うんですね。

 これは日本がなくなるということではなくて、アメリカの制度であれば人口比において、下院議員の数が決まるんですね。するとおそらく日本州というのは、最大の下院議員の数を持つと思うんです

 上院も州1個とすれば2人ですけれど、日本もいくつかの州にわけるとすると、十数人の上院議員もできるとなると、これは世界の中の日本というけれども、ようするに日本州の出身がアメリカの大統領になる可能性が出てくるということなんですよ。

 ということは、世界の中心で行動できる日本という、日本とはそのとき言わないですけれども、それもあり得るということなんですね。馬鹿みたいな話だと思われるかもしれないですけれど。

 たとえば、いまアメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引く、ね。これは奴隷ですよ、はっきり言って。

 で、リンカーンが奴隷解放をやったと。でも公民権もない、なにもないと。ルーサー・キングが出てですね、公民権運動のなかで公民権が与えられた。

 でもですね、まさかアメリカの建国あるいは当初の時代にですね、黒人、奴隷がですね、アメリカの大統領になるようなことは考えもしない。

 これだけのですね、ダイナミックな変革をしていく国なんですよね。

 そういう観点からですね、たとえば、日本がそういうことについて憲法上の問題があるのかないのか。どういうことかということについて、お聞きしたい。

 それから、政党所属を忌避するということについての憲法上の問題があるのかないのか。これについて、まず荒井議員からお聞きしたい。

 これはですね、十数年前から日米問題研究会ということがありまして、それで本まで発表されてるんですね。

 だからそういうことについてですね、日本の憲法的な観点から、どのように思われますか? お聞きしたいと思います」

 さすが、御年70歳の大の大人の人生経験、弁護士と政治家の職業経験が言わしめた言葉の数々なのだろう。

 「日本がアメリカの51番目の州になるということについて、憲法上どのような問題があるのか、ないのか」・・・・・・・

 御年70歳の大の大人丸山和也は「ユートピア的かもしれない」と断りながらも、日本がアメリカの51番目の州になるることを大真面目に考えている。
 
 障害は憲法上の問題だと把えているから、この点について質問することになる。

 御年70歳の大の大人丸山和也の日本をアメリカ合衆国に組み込みたい理由は「世界の中心で行動できる日本」にするためであり、「ダイナミックな変革をしていく国」アメリカの変革力を借りて日本をダイナミックに変革させていくためということになる。

 このことをそのまま裏返すと、日本という国はアメリカの変革力に頼らなければ、単独ではダイナミックな変革もできなければ、世界の中心で行動できる国になることができないと見ていることになる。

 私自身は文化相対主義の立場を取っているから、日本民族を他の民族と上下比較することになる「優秀」という言葉で価値づけることはせず、民族と関係させない個人個人の価値づけでのみ優秀か否かの言葉で価値づけることにしているし、このことは他の民族の人間にも当てはめているモノサシだが、世界の中心で行動できる国というものが否応もなしに人種や民族を背景とした評価付けとなって、その優秀さを競うことになり、個人個人を価値づけるモノサシに反することになるから、別に立派な金字塔だとも思わない。

 国の富を可能な限り国民に満遍なく分配して、そのために全体的な国力を下げることになって世界の中心で行動できる国になることができなくても、その分配を格差の解消に可能な限りつなげていく国家の姿にこそ価値を置くべきであろう。人種とか民族とかを問題とせずに個人個人の価値づけにより重点を置くことになるからだ。

 いずれにしてもアメリカの変革力を借りて日本をダイナミックに変革させ、「世界の中心で行動できる日本」にしたいがために日本をアメリカ合衆国に組み込みたい御年70歳の大の大人丸山和也の願望からは、それがどのような日本の姿を頭に描いているのかは別にして、日本人一人一人の努力を恃(たの)まずに単にアメリカを素晴らしい大国として上に価値づけ、その結果として日本という国をその遥か下に価値づけていることになる他力本願しか見えてこない。

 日本人一人一人の努力を恃む自力本願に立っていたなら、アメリカを上に価値づけ、日本を下に価値づける日米優劣観に基づいたアメリカ頼みの変革など求めはしない。

 勿論、国家の価値を上下に価値づけたこの日米優劣観は何事も上下で価値づけて優劣を決める権威主義に基づいていることになるから、アメリカに対する他力本願にしても権威主義を背景としていることになる。

 権威主義的な他力本願が構造とすることになる自律心の無さ、力ある対象に従う、あるいは従おうとする隷属性は、それがアメリカという大国に限ったことだとしても、独立国家の国会議員に許される精神性と言うことができるだろうか。 

 許されるなら、国会議員を続けていくことができる。許されないなら、国会議員を続けていく資格を失うことになる。

 御年70歳の大の大人丸山和也にとって一連の発言の内、最悪なことはアメリカが「ダイナミックな変革をしていく国」であることの例として、オバマ大統領を引き合いに出して、アメリカの建国時代には考えれれもしなかったであろう黒人奴隷の血を引く人物がアメリカの大統領となった事例を挙げたことである。

 〈オバマ米大統領は、アフリカ系(黒人)初の大統領だが、ケニアから米国に留学した黒人の父と白人の母との間に生まれており、奴隷の子孫ではない。〉と「asahi.com」記事が解説しているが、オバマ大統領の出自という事実に関しては「これは奴隷ですよ」が不勉強からの単なる事実誤認だとしても、「いまアメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引く、ね。これは奴隷ですよ、はっきり言って」の発言全体を見ると、黒人に対して上から目線で蔑む響きを持たせていると見ないわけにはいかない。 

 上から目線でなければ、「黒人の血を引く」ことには触れても、「これは奴隷ですよ、はっきり言って」という言葉は出てこないはずだ。

 奴隷解放宣言は1862年9月のことで、その後紆余曲折はあったものの、21世紀の現代アメリカに生き、一般的な市民生活を送っている黒人を掴まえて、先祖が黒人奴隷であったことの出自を知っていたとしても、蔑みの差別観なしに、「これは奴隷ですよ、はっきり言って」と言うことができるだろうか。

 あるいは言うことが許されるだろうか。

 しかもオバマ・アメリカ大統領を直接指して、いくらアメリカが「ダイナミックな変革をしていく国」であることの一例にするにしても、「これは奴隷ですよ、はっきり言って」という言葉を口にすることができるだろうか。

 黒人を民族的に下に位置づけ、差別意識をそこに含めた上から目線だからこそ言うことのできる発言であろう。

 民族差別は民族を上下に価値づけて、上下の民族それぞれを優劣で見る権威主義が発生源となっている。

 アメリカを国単位で見た場合は大国として日本よりも遥か上に価値づける御年70歳の大の大人丸山和也の日米優劣観が権威主義の精神性に基づいているのと同じく、アメリカの黒人に対する民族的に下に見る差別意識、民族差別にしても権威主義なくして成り立たないから、御年70歳の大の大人丸山和也の権威主義の精神性が言わせた「日本がアメリカの51番目の州になる」発言であり、「いまアメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引く、ね。これは奴隷ですよ、はっきり言って」の発言であり、そう見ることによってこれらの発言に整合性を与えることができる。

 物事を上下優劣で価値づけるこのような権威主義性からして、丸山和也は百田尚樹同様、小国を侮っているはずだ。

 でなければ、発言の整合性が崩れることになる。

 当然、御年70歳の大の大人丸山和也が意図していない差別的発言だと主張したとしても、結果的には差別発言となっている以上、野党3党提出の議員辞職勧告決議案は決して見当違いではない。

 潔く早々に議員辞職すべきだろう。

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