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安倍晋三の風評被害払拭の“試食”パフォーマンスに見る矛盾

2013-10-21 09:04:26 | 政治

 
 右翼の軍国主義者安倍晋三が(「私を右翼の軍国主義者と呼びたいのであれば、どうぞ呼んで頂きたい」と言っているから、今後右翼の軍国主義者安倍晋三と呼称することにする。)、10月19日、福島第1原発を視察した9月19日以来福島入りして相馬市松川浦漁港を訪れ、東電福島第1原発の汚染水問題で一時中断し、9月25日に試験操業を再開した、その活動状況の説明を受けたそうだ。目的は自ら漁業現場に入り、汚染水問題による風評被害の払拭に努める考えからだという。

 《首相 風評被害の払拭努める》NHK NEWS WEB/2013年/2013年10月19日 18時54分)

 首相自ら漁港に行き、風評被害払拭ということなら、試食が付きものとなる。近海で採れたタコ、イカ、試験的な漁が始まったシラスを試食したという。

 貧乏人には手が届かない高級魚類ばかりだ。

 多分漁港関係者に述べたのだろう。

 右翼の軍国主義者安倍晋三「全国の皆さんにおいしくて安全だということを知ってもらいたい。われわれもしっかり発信していく」

 その後新地町に行き、地震と津波で大きな被害を受けたことから住民を高台に集団移転させる事業の進捗状況を視察。さらに南相馬市に移動、原発事故による旧警戒区域内で生産活動を再開した厨房機器の工場を訪問。

 一連の視察後、記者たちに発言。

 右翼の軍国主義者安倍晋三「試験的とはいえ漁が再開し、検査の結果、すべて安全であることが明らかになった。

 一方、事実に基づかない風評によって被害を受けているのも現実で、福島の水産物や農産物は安全だという正確な情報をしっかりと発信していきたい」――

 「事実に基づかない風評によって被害を受けているのも現実」だと、依然として風評被害が存在することを訴えている。

 だからこそ、風評被害の払拭に努める必要が生じて、「福島の水産物や農産物は安全だという正確な情報」の発信の象徴として、首相直々のタコ、イカ、シラスをパクつく試食のパフォーマンスということなのだろうが、当然、「政治は結果責任」、試食のパフォマンスの効果が問題となる。

 福島の土地、福島の山、福島の海が放射能に汚染されてから、風評被害払拭のパフォーマンスとして試食を試みてきた首相は何も右翼の軍国主義者安倍晋三が初めてではないことは誰もが承知しているはずだ。

 福島原発事故発生時の日本の首相菅無能は原発事故発生から約3カ月後の2011年4月15日、庄條徳一JA福島中央会会長が首相官邸を訪れて持ち込んだ福島県産のキュウリとイチゴを頬張って、その安全性をアピールする試食パフォーマンスを行っている。

 《「カイワレ」再演?…首相、福島産キュウリをガブリ》asahi.com/2011年4月15日23時29分)

 記事解説。〈首相は厚生相時代の1996年、O(オー)157による食中毒をめぐるカイワレダイコンの風評被害防止のため、報道陣の前でサラダを試食したことがある。今回、15年ぶりにパフォーマンスを再演した。〉

 庄條会長「首相はカイワレダイコンを食べて風評被害を飛ばした『魔力』を持っている。食べていただくことで、国民に何ら問題はないんだ、と風評を一掃できれば」

 菅無能「精一杯頑張ります」

 と言って、次々とパクついていったという。尤も記事の表現は、〈次々と口にした。〉となっている。

 庄條会長は「首相はカイワレダイコンを食べて風評被害を飛ばした『魔力』を持っている」と、最大限の評価を与えているが、カイワレダイコンの風評被害の火をつけたのは菅無能自身である。

 自分で火をつけて、試食でその火を消そうとした。いわばマッチで自分で火をつけておいて、消防ポンプで自分で消して、手柄を自分のものとするマッチポンプを演じたに過ぎない。

 「Wikipedia」によると、1996年8月にO157の感染者が出たとき、厚生相だった菅無能が記者会見。

 菅無能「大阪府内の業者が出荷したカイワレ大根が原因となった可能性は否定できない」

 その直後からカイワレ大根への風評被害が発生し、結果倒産・破産するカイワレ農家や業者(その大半が自営業者や零細企業であった)が続出、自殺者まで出る事態となった。

 だが、その後の立入検査で施設、従業員及び周辺環境からはO157は検出されなかったため、菅無能はカイワレサラダを試食、安全性をアピールすることになった。

 但し後になって自分の主張の正当性を訴えた。

 菅無能「O157以外の通常自然界に存在するはずの細菌も一切検出されなかったのだから、事件後消毒されたことは明白で証拠隠滅が図られた」――

 あくまでもカイワレダイコンが真犯人だと主張するなら、なぜカイワレを試食して安全性をアピールしたのだろうか。

 この発言がカイワレ生産業者等の裁判への火をつけたに違いない。国家賠償を求める民事裁判を起こした。

 2002年大阪地裁判決文「当時のO-157感染症の発生状況に照らし、これから更なる調査を重ねなければならない状況下において、かかる過渡的な情報で、かつ、それが公表されることによって対象者の利益を著しく害するおそれのある情報を、それによって被害を受けるおそれのある者に対する十分な手続的保障もないまま、厚生大臣が記者会見まで行って積極的に公表する緊急性、必要性は全く認められなかったといわざるを得ない」

 「中間報告の公表は、相当性を欠くものと認定せざるを得ない」として、菅および厚生労働省公表方法の過失と風評被害を認定。

 この判決に対して菅無能のHP.

 菅無能HP「『十分な科学的根拠がない』と判決が認定した疫学調査は集団食中毒などでは極めて有効な調査方法である。裁判官の判断は疑問」――

 国は控訴。

 2004年大阪高裁判決「(厚生省の公表によって)被控訴人が被る打撃や不利益に思いを至せば、その時点では、公表すべき緊急性、必要性があったものということはできない。

 公表方法の選択が政策的判断であるという見地に立つとしても、その判断には逸脱があり違法である」
 
 菅無能及び厚生省の過失を認定、国側敗訴が確定。

 2005年6月、日本かいわれ協会が第20回総会に於いて日本スプラウト協会へと名称変更。

 「スプラウト(英: Sprout)」とは、〈主に穀類、豆類、野菜の種子を人為的に発芽させた新芽〉のことだそうだが、名称変更はカイワレダイコンが1996年以降、一旦失墜した信用をなかなか回復できず、販売不振に依然として陥っていたことからの、それらの不評解消のキッカケとすべく、心機一転を期して行ったはずで、菅無能がカイワレダイコン試食のパフォーマンスを演じても、その効果は2005年に至っても芳しい成果を上げていなかったことを示しているはずだ。

 もし菅無能の試食パフォーマンスが効果テキメンで、販売に何ら支障がなくなっていたなら、日本スプラウト協会と名称変更するよりも日本かいわれ協会の方が消費者に理解されやすく、名称変更の必要性は生じなかったはずだ。

 いずれにしても、原発事故による放射能不安から、福島県の農産物・水産物が敬遠されることになり、菅無能は福島県産のキュウリとイチゴを、その安全性をアピールするために試食するパフォーマンスを演じた。

 菅無能はさらに翌月の5月8日、東京都内にある福島県のアンテナショップ「福島県八重洲観光交流館」を訪れて、南相馬市で作られた豆腐のみそ漬けなどを試食、店内で販売している食料品などおよそ10点を購入して、風評被害の影響を受けている福島県産の食料品等の安全性をアピールしている。

 《首相 福島県産の安全性をPR》NHK NEWS WEB/2011年5月8日 18時38分)

 菅無能「風評被害で福島の商品が売れないことがないように、ぜひ多くのみなさんに買ってもらいたい。政府としても、食べて、飲んで、観光で応援しようと思っている」

 続いて被災地の野菜や商品をインターネットで販売している業者と懇談。

 菅無能「政府は情報を一生懸命出しているけれど、伝わっていない部分もある。インターネットを通じてどう情報を出していくかも、積極的に考えていきたい」――

 菅無能は「政府は情報を一生懸命出しているけれど、伝わっていない部分もある」と、「情報」の中に試食のパフォーマンスも入れているはずだが、その効果の不十分(次の野田首相も安倍晋三も試食を演じなければならないのだから、実際には効果の無効)を言い、右翼の軍国主義者安倍晋三は「事実に基づかない風評によって被害を受けているのも現実」と、試食のパフォーマンスを含めた風評被害払拭に向けた政府情報発信の効果の不十分を言っている。

 にも関わらず、試食パフォーマンスを演じる。

 菅無能はさらに日中韓首脳会議出席のため来日した中国の温家宝首相と韓国の李明博大統領を巻き込んで、5月12日、福島市のあづま総合体育館で福島県産のミニトマトなどを試食するパフォーマンスを演じている。

 外国首脳を混じえれば、それだけ効果が上がると思ったのだろうか。
 
 そして試食パフォーマンスは次の野田首相に引き継がれた。風評払拭の試食パフォーマンスも、その他の政府情報の発信も効果不十分だったことを意味する。

 2012年4月28日、連合のメーデー中央大会の会場に設けられた、東日本大震災の被災地を支援するための物産展を古賀連合会長と共訪れて、福島県支援のテントで福島産のいちごときゅうりを試食、岩手県支援のテントでは、2種類の日本酒を試飲するパフォーマンスを見せている。

 酒好きであることのアピールには役立つパフォーマンスとなったに違いない。

 《首相 被災地の食品の安全性PR》NHK NEWS WEB/2012年4月28日 15時41分)

 野田首相「いちごより、こっちの方が似合うかな。(きゅうりを口にして)うまい!」

 さらに2012年7月7日の七夕の日、福島県いわき市の小名浜港や小名浜魚市場を訪れて、東日本大震災で大きな被害を受けた漁港や魚市場の復興状況を視察し、政府として農林水産物の風評被害の防止に引き続き取り組んでいきたい考えを示したという。

 《首相 漁港の復興状況などを視察》NHK NEWS WEB/2012年7月7日 13時26分)

 漁港に隣接した観光物産センターを訪れて、結構毛だらけ、猫灰だらけのフラガールの歓迎を受けたという。

 小名浜港では水揚げされたカツオを試食するパフォーマンスを演じて、その安全性をアピールした。

 野田首相「被災地の生の声を存分に吸収し、復旧・復興に向けた政府の具体的な政策に生かしていたい。福島県の農水産物の大きな課題は風評被害対策だ。正確、的確に放射線量をはかって内外に情報提供していくことが必要だと思うので、政府としての後押しをこれからもしっかりとやっていきたい」――

 だが、次の首相、右翼の軍国主義者安倍晋三も試食パフォーマンスを続けなければならなかった。

 要するに各首相が試食パフォーマンスを続けていること自体がその効果が不十分であることを意味し、風評被害払拭の他の政府情報の発信も、何らかの政府政策も見るべき効果を上げていないことを示しているはずだ。

 にも関わらず、相変わらずのように効果不十分な試食パフォーマンスを繰返す。肝心なのは風評被害払拭の効果ある政府情報の発信であり、あるいは効果ある政府政策であるはずだ。

 矛盾そのものではないか。

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