覚え書きのようなもの・・・分室

私の好きな音楽のこと(主にクラシック)や日々の出来事、思ったことなどをつたない言葉で記してみます

ロスバウトとバイエルン放送交響楽団のハイドン交響曲第82番「熊」

2006年04月05日 | 音楽
・今日はハンス・ロスバウト指揮のバイエルン放送交響楽団の演奏でハイドンの交響曲第82番を聴きました。この曲の通称は「熊」。終楽章の曲のイメージからこの名が付いたということですが、なるほど、熊がノッシノッシと歩いているような感じがします。そのユーモラスな雰囲気は「くまのぷーさん」か「森のくまさん」のイメージです。しかしハイドンの曲はどれを聴いても機知に富んでいて毎度感心してしまいます。

・ロスバウトという人は近・現代音楽のスペシャリストのように言われることもありますが、私はこの人の指揮するハイドンが大好き。現代では古楽器の影響を受けたハイドンの演奏が主流なのでしょうし、時代考証からすればそちらの方が正しいのでしょうが、私は昔ながらの、現代の楽器を使ったフル・オーケストラによる演奏の方が好きです。ロスバウトの演奏は、格調は高いけれど重苦しくなることはなく、生き生きと弾むリズムはハイドンを聴く楽しさを存分に味わうことが出来ます。現代の耳で聴いてもまったく古めかしくなく新鮮な演奏です。

・ベルリン・フィルと録音した「オックスフォード」や「ロンドン」は当時のべルリン・フィルの素晴らしさと共に、ロスバウトの、というよりこれらの曲の代表的名盤と(私としては)言っても良い演奏だと思います(本当におすすめです!)。今日聴いた「熊」でもそうなのですが、お肉に例えるなら、脂身の部分を削り過ぎず適度に残してあるといった感じで、響きが痩せ過ぎてささくれ立つようなことがないのです。響きといいテンポといい、バランスが良いという事なのだと思います。このCDはレコードからの復刻らしく音質が少々古めかしいのが難点ですが、鑑賞に支障はなく、私としては大好きなロスバウトのハイドンが聴けて大満足なのでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私の好きな曲・思い出の曲(1) ベートーヴェン:交響曲第7番

2006年04月03日 | 音楽
・4月に入ったので何か新しい企画でも、と思ったものの大したことも思いつかず・・・。今までは何となく「その日に聴いた曲」の事について書いてきましたが、これからは「その日の気分」で思いついた曲の、自分の好きな演奏、思い出に残っている演奏についてとりあえず思いつくままに書いてみようと思います。題して「私の好きな曲・思い出の曲」(何のひねりもないタイトルでお恥ずかしい・・・)。もちろん、今まで通り「その日に聴いた曲」のことも書いてゆくつもりです。あくまでその日の気分、その時思いついたものですので、好きな演奏が次の日には変わっている事も十分ありますし、全くタイプの違う演奏を「好きだ!」ということもあると思います・・・。

・さて、記念すべき? 第1回はベートーヴェンの交響曲第7番。これも今日の気分です。ベートーヴェンの交響曲はどれも好きな曲ばかり。ただ、聴く回数が多いのは7番かもしれません。あの第2楽章は一度聴いたら忘れられない魅力がありますし、終楽章の圧倒的な高揚から得られる満足感も格別です。

・7番というと私はベームの演奏を思い出します。ライヴも含めるとかなりの数の録音が残っていますから、実際取り上げる機会も多かったのでしょう。ベームの十八番と言ってもいいかと思います。私はウィーン・フィルとのスタジオ録音をよく聴きました。決して「躍動感のある」という演奏ではないと思いますが、ゆったりとしたテンポでウィーン・フィルの美しさを存分に引き出した第2楽章は本当に素晴らしく、そこだけを何度も繰り返して聴きました。

・「躍動感のある演奏ではない」と言いましたが、ライヴでの演奏はスタジオ録音の端正さにさらに熱気が加わって終楽章などは手に汗握るものがあります。カルロス・クライバーのようなスピード感とは違いますが、じわりじわりと熱を帯びてゆき頂点を迎えたときの高揚感はひとしお。最後の来日になった1980年のライヴ、テンポはぐっと遅くなりましたがウィーン・フィルの献身的な演奏もあって感動的なラストを迎えます。

・あまり触れられる事がないようですがヴァントと北ドイツ放送交響楽団の演奏も見事でした。速めのテンポでリズムの切れ味も鋭くオーケストラも優秀。ベームの指揮だと第2楽章はAndanteかAdagioのようですがヴァントは正しくAllegretto。すべての反復を行っていて(と記憶しているのですが・・・)も長さを感じさせない、きりっと引き締まった辛口の演奏だったように思います。

・ああ・・・7番は好きな曲だけに触れたい演奏がたくさんあるのですが、きりがないので続きはまた別の機会に・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルのグリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲

2006年04月01日 | 音楽
・4月1日、新年度になりました、が、私の生活には特段の変化もなし。いつも見ていた番組が終わったり、キャスターが新しくなったり・・・そんな所で新年度を感じているという状況ですからのんきなものです。

・まあ、せめて気持ちが「ピシッ」と引き締まるものを、と思ってムラヴィンスキーとレニングラード・フィルの演奏を聴いてみました。「ルスランとリュドミラ」序曲はこのコンビの超絶ぶりを示す例として有名な録音ですよね。このコンビの録音はどの曲を聴いても私はショックを受けます。切れ味の鋭さ、曖昧さのまったくない確信をもった音楽。チャイコフスキーやショスタコーヴィチに限らず、ベートーヴェンやブラームスも「すべてその通りでございます」とひれ伏してしまいたくなるような強い説得力があります。

・「引き締まる」というよりあまりの凄さに「震えがくる」ような演奏でした・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする