源氏物語歌集 120
巻九 葵 13 源氏
とまる身も 消えしもおなじ 露の世に
心おくらむ ほどぞはかなき
2007-0730-ysg120
Kad02-113
□・・・、「なさけなくや」とて、紫のにばめる紙に、
(源氏文)「こよなう程経はべりにけるを、思ひ給へおこたずながら、
つつましき程は、さらばおぼし知るらむやとてなむ。 (源氏)とまる身も・・・□
巻九 葵 13 源氏
とまる身も 消えしもおなじ 露の世に
心おくらむ ほどぞはかなき
2007-0730-ysg120
Kad02-113
□・・・、「なさけなくや」とて、紫のにばめる紙に、
(源氏文)「こよなう程経はべりにけるを、思ひ給へおこたずながら、
つつましき程は、さらばおぼし知るらむやとてなむ。 (源氏)とまる身も・・・□
源氏物語歌集 119
巻九 葵 12 御息所
人の世を あはれときくも 露けきに
おくるる袖を 思ひこそやれ
2007-0729-ysg119
Kad02-113
□・・・、菊のけしきばめる技に、濃き青鈍の紙なる文つけて、
さし置きて往にけり。今めかしうもとて見給へば、御息所の御手なり。
(御息所文)「聞えぬ程はおぼし知るらむや。 (御息所)人の世を・・・□
巻九 葵 12 御息所
人の世を あはれときくも 露けきに
おくるる袖を 思ひこそやれ
2007-0729-ysg119
Kad02-113
□・・・、菊のけしきばめる技に、濃き青鈍の紙なる文つけて、
さし置きて往にけり。今めかしうもとて見給へば、御息所の御手なり。
(御息所文)「聞えぬ程はおぼし知るらむや。 (御息所)人の世を・・・□
源氏物語歌集 118
巻九 葵 11 源氏
限りあれば うすずみ衣 あさけれど
涙ぞそでを ふちとなしける
2007-0728-ysg118
Kad02-111
□・・・、くやしきこと多くおぼし続けらるれど、かひなし。にばめる御衣奉れるも、
夢のここちして、「われ先立たましかば、深くぞ染め給はまし」と、おぼすさへ、 (源氏)限りあれば・・・□
巻九 葵 11 源氏
限りあれば うすずみ衣 あさけれど
涙ぞそでを ふちとなしける
2007-0728-ysg118
Kad02-111
□・・・、くやしきこと多くおぼし続けらるれど、かひなし。にばめる御衣奉れるも、
夢のここちして、「われ先立たましかば、深くぞ染め給はまし」と、おぼすさへ、 (源氏)限りあれば・・・□
源氏物語歌集 117
巻九 葵 10 源氏
のぼりぬる 煙はそれと わかねども
なべて雲居の あはれなるかな
2007-0727-ysg117
Kad02-110
□八月廿よ日の有明なれば、空の気色もあはれ少なからぬに、
大臣のやみにくれ惑ひ給へるさまを見給ふも、ことわりにいみじければ、
空のみながめられ給ひて、 (源氏)「のぼり・・・□
巻九 葵 10 源氏
のぼりぬる 煙はそれと わかねども
なべて雲居の あはれなるかな
2007-0727-ysg117
Kad02-110
□八月廿よ日の有明なれば、空の気色もあはれ少なからぬに、
大臣のやみにくれ惑ひ給へるさまを見給ふも、ことわりにいみじければ、
空のみながめられ給ひて、 (源氏)「のぼり・・・□
源氏物語歌集 116
巻九 葵 09 霊
嘆きわび 空に乱るる 我がたまを
結びとどめよ したがひのつま
2007-0726-ysg116
Kad02-105
□身の上のいと苦しきを、しばし休め給へと聞えむとてなむ。
かく参り来むともさらに思はぬを、物思ふ人の魂は、
げにあくがるるものになむありける」と、なつかしげに言ひて、 (霊)「嘆き・・・□
巻九 葵 09 霊
嘆きわび 空に乱るる 我がたまを
結びとどめよ したがひのつま
2007-0726-ysg116
Kad02-105
□身の上のいと苦しきを、しばし休め給へと聞えむとてなむ。
かく参り来むともさらに思はぬを、物思ふ人の魂は、
げにあくがるるものになむありける」と、なつかしげに言ひて、 (霊)「嘆き・・・□
源氏物語歌集 115
巻九 葵 08 源氏
あさみにや 人はおりたつ 我が方は
身もそぼつまで 深き恋路を
2007-0725-ysg115
Kad02-101
□・・・、「いかにぞやもある世かな。心もかたちも、とりどりに捨つべくもなく、
又思ひ定むべくもなきを」苦しうおぼさる。御返り、いと暗うなりにたれど、
(源氏)「袖のみ濡るるやいかに。深からぬ御ことになむ。 あさみにや・・・□
巻九 葵 08 源氏
あさみにや 人はおりたつ 我が方は
身もそぼつまで 深き恋路を
2007-0725-ysg115
Kad02-101
□・・・、「いかにぞやもある世かな。心もかたちも、とりどりに捨つべくもなく、
又思ひ定むべくもなきを」苦しうおぼさる。御返り、いと暗うなりにたれど、
(源氏)「袖のみ濡るるやいかに。深からぬ御ことになむ。 あさみにや・・・□
源氏物語歌集 114
巻九 葵 07 御息所
袖ぬるる 恋路とかつは 知りながら
おりたつ田子の みづからぞ憂き
2007-0724-ysg114
Kad02-101
□(源氏文)「日頃少しおこたるさまなりつるここちの、
にはかにいといたう苦しげに侍るを、え引きよがでなむ」 とあるを、
例のことつけと見給ふものから、 (御休所)「袖ぬるる・・・□
巻九 葵 07 御息所
袖ぬるる 恋路とかつは 知りながら
おりたつ田子の みづからぞ憂き
2007-0724-ysg114
Kad02-101
□(源氏文)「日頃少しおこたるさまなりつるここちの、
にはかにいといたう苦しげに侍るを、え引きよがでなむ」 とあるを、
例のことつけと見給ふものから、 (御休所)「袖ぬるる・・・□
源氏物語歌集 113
巻九 葵 06 典侍
くやしくも かざしけるかな 名のみして
人だのめなる 草葉ばかりを
2007-0723-ysg113
Kad02-097
□(源氏)「・・・あふひを」 女は、「つらし」と、思ひ聞えけり。 (典侍)「くやしくも
・・・ばかりを」 と聞ゆ。 人とあひ乗りて、簾をだに上げ給はぬを、
心やましう思ふ人多かり。「一日の御有様のうるはしかりしに、・・・□
巻九 葵 06 典侍
くやしくも かざしけるかな 名のみして
人だのめなる 草葉ばかりを
2007-0723-ysg113
Kad02-097
□(源氏)「・・・あふひを」 女は、「つらし」と、思ひ聞えけり。 (典侍)「くやしくも
・・・ばかりを」 と聞ゆ。 人とあひ乗りて、簾をだに上げ給はぬを、
心やましう思ふ人多かり。「一日の御有様のうるはしかりしに、・・・□
源氏物語歌集 112
巻九 葵 05 源氏
かざしける 心ぞあだに おもほゆる
八十氏人に なべてあふひを
2007-0722-ysg112
Kad02-097
□(女車)「・・・待ちける 注連の内には」とある手をおぼしいづれば、
かの内侍のすけなりけり。あさましう、「ふりがたくも今めくかな」と、
にくさに、はしたなう、 (源氏)「かざしける・・・□
巻九 葵 05 源氏
かざしける 心ぞあだに おもほゆる
八十氏人に なべてあふひを
2007-0722-ysg112
Kad02-097
□(女車)「・・・待ちける 注連の内には」とある手をおぼしいづれば、
かの内侍のすけなりけり。あさましう、「ふりがたくも今めくかな」と、
にくさに、はしたなう、 (源氏)「かざしける・・・□