源氏物語歌集-悠山人編

『源氏物語』中の短歌(和歌)のすべてを、
原作の順序にしたがって、紹介する。→日本初!

48早蕨15 しなてるや

2009年04月18日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 698
巻四十八 早蕨 15 薫

    しなてるや 鳰のみづうみに 漕ぐ船の
    まほならねども あひ見しものを


2009-0418-ysg698
Kad09-033

□・・・、かへすがへすひとりごたれて、
(薫)「しな・・・のを」
とぞ言ひくたさまほしき。□

48早蕨14 ながむれば

2009年04月17日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 697
巻四十八 早蕨 14 中の宮

    ながむれば 山よりいでて 行く月も
    世にすみわびて 山にこそ入れ


2009-0417-ysg697
Kad09-032

□・・・、うちながめられて、
(中の宮)「なが・・・入れ」
さまかはりて、・・・□

48早蕨13 過ぎにしが

2009年04月16日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 696
巻四十八 早蕨 13 然女房

    過ぎにしが こひしきことも 忘れねど
    今日はたまづも ゆく心かな


2009-0416-ysg696
Kad09-032

□いま一人、
(然女房)「過ぎ・・・かな」
いづれも年へたる人々にて、・・・□

48早蕨12 ありふれば

2009年04月15日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 695
巻四十八 早蕨 12 女房大輔の君

    ありふれば うれしき瀬にも あひけるを
    身をうぢ川に 投げてましかば


2009-0415-ysg695
Kad09-032

□・・・、御車に乗る大輔の君といふ人のいふ、
(女房大輔の君)「あり・・・かば」
うちゑみたるを、・・・□

48早蕨11 しほたるる

2009年04月14日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 694
巻四十八 早蕨 11 中の宮

    しほたるる あまのころもに ことなれや
    浮きたる波に ぬるるわが袖


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Kad09-030

□とうれへ聞こゆれば、
(中の宮)「しほ・・・が袖。
世に住みつかむことも、・・・□

48早蕨10 人はみな

2009年04月13日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 693
巻四十八 早蕨 10 弁尼君

    人はみな いそぎたつめる 袖の浦に
    ひとり藻塩を 垂るるあまかな


2009-0413-ysg693
Kad09-030

□・・・、いよいよやつして、
(弁尼君)「人は・・・かな」
うれへ聞こゆれば、□

48早蕨09 身を投げむ

2009年04月12日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 692
巻四十八 早蕨 09 薫

    身を投げむ 涙の川に 沈みても
    恋しき瀬々に 忘れしもせじ


2009-0412-ysg692
Kad09-030

□・・・、なべてむなしく思ひとるべき世になむ」など宣ふ。
(薫)「身を・・・せじ
いかならむ世に、・・・□

48早蕨08 さきに立つ

2009年04月11日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 691
巻四十八 早蕨 08 弁尼君

    さきに立つ 涙の川に 身を投げば
    人におくれぬ 命ならまし


2009-0411-ysg691
Kad09-029

□・・・、ゆゑありける人のなごりと見えたり。
(弁尼君)「さき・・・まし」
と、うちひそみ聞こゆ。□

48早蕨07 袖ふれし

2009年04月10日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 690
巻四十八 早蕨 07 薫

    袖ふれし 梅はかはらぬ にほひにて
    根ごろうつろふ 宿やことなる


2009-0410-ysg690
Kad09-028

□・・・、なつかしげにうちずんじなして、
(薫)「袖ふ・・・なる」
たへぬ涙をさまよくのごひ隠して、・・・□

48早蕨06 見る人も

2009年04月09日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 689
巻四十八 早蕨 06 中の宮

    見る人も あらしにまよふ 山里に
    むかし覚ゆる 花の香ぞする


2009-0409-ysg689
Kad09-028

□・・・、心にあまり給へば、
(中の宮)「見る・・・する」
言ふともなくほのかにて、・・・□